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岡﨑正毅(おかざきまさき) / 税理士

岡﨑正毅税理士事務所 岡﨑麻美社会保険労務士事務所

コラム

何が経費になるの? 事業の実情に合った勘定科目を設定しよう

2016年9月7日

テーマ:ビジネス

コラムカテゴリ:ビジネス

事業を続けていると、毎日のように発生するのが経費です。
今回は、なかなか人には聞けない「経費をどの勘定科目に当てはめればいいか」について解説いたします。
その前に、これって経費にしてもいいの、という事例をご紹介します。

<高級服やスーツでも経費に落すことができる>
業界では有名な、ある高級飲食店を経営する女性オーナーは、自分の着ているおしゃれな高級服の代金を経費で落としています。
「毎日、有名人やお得意様の接客をしているので、みすぼらしい格好をして店に立つことはできません。常日頃からしっかりした衣服を身につけ、高級店のオーナーとして恥ずかしくない格好をしていなくてはならないのです」というのが、彼女の言い分です。

もちろんスムーズに経費として処理されていますが、税務調査では「この服は接客用ですか? それとも私服ですか?」なんて聞かれないとも限りません。

また、ある編集者の方がテレビに出演した時、スーツを新調しました。仕事の一環としてテレビに出るのですから、本人は経費として処理できるものと考えていました。
ところがこれに関しては、新調したスーツを普段着ないのなら経費として認められますが、普段も着るのならば、経費として認められない場合があります。

先の女性オーナーのように、日頃から「高級飲食店のオーナー」として顔が知られているような場合は、それ相応に接客時のファッションにも気を使うのは当然です。高価な衣服や装飾品を身につける必要があるならば、衣服代が経費として認められるのです。

編集者のケースも「今後、営業のときは専用のスーツを着ていきます」と言い切ってしまえば、経費として認められることもあるでしょう。

<営業のための洋服代や理美容代はどの勘定項目に入る?>
業務内容や時と場所によっては、認められやすい経費とそうでない経費とがあります。
要は、「売上を得るために必要かどうか」という観点で経費かどうかが決まるのです。

また、勘定科目のルールというものがあります。
「何をどの科目に入れるか?」を間違ってしまうと、後で面倒なことになるかもしれません。
例えば、営業のための洋服代や備品代などは、10万円以内であれば消耗品として処理すればよいでしょう。

それ以外にも、人に見られる職業や、営業活動などで身なりを整える必要がある職業ならば、必要な理美容代は「広告宣伝費(不特定多数の人に対して商品や作品、自分自身を売り込むために使った経費)」に入れることができます。

<勘定科目は自分で設定できる>
他にも、明らかに営業の一環として使う経費ではあるのに、どの勘定科目には当てはめればいいかわからない、というものがあれば、新たな勘定科目を設定することができます。

例えば営業や取材などで遠方まで行った際の、移動や食事などでかかる経費です。
取材後、1人で喫茶店に入ってノートパソコンで仕事をしたときの喫茶代を「会議費」にするのは、名前からしっくりきません。
本来の意味合いと名称が少しずれていると感じたなら「取材費」という新たな勘定科目を設定してみてはいかがでしょうか。
「取材にかかる経費だけをここに入れる」ということにしておけば、他の業務との区別がはっきりして管理しやすくなります。

なお、「青色申告決算書」の経費欄には空行があります。勘定科目を細かく設定すること自体は決して悪いことではないのです。
ただ、勘定科目をあまりにも細かく設定してしまうと、実際に帳簿をつける際に苦労します。一定のルールを決めて、実情に合った科目設定を行いましょう。

<「雑費」が多額だと疑惑の目を向けられる>

どの勘定科目に入れたらいいかわからない経費を「雑費」に入れてしまう、という方もいらっしゃいます。
しかし、雑費の多用はおすすめできません。雑費が多過ぎると「どんぶり勘定になっているのではないか?」と疑惑の目を向けられます。

いつ誰に見られても大丈夫な決算書を作成するために、「必要に応じて実情に合った勘定科目を設定し、根拠が不明瞭な雑費を極力入れない」ということをルール化しておきましょう。

税務署の調査官によって見解が異なることもあるのが、経費の問題。
まずはしっかりとした根拠を持って仕訳することが大事です。
経費を正しい勘定科目に入れることを念頭に置き、決算や確定申告に備えておきましょう。

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