腕時計のカレンダーの合わせ方

衞藤憲太郎

衞藤憲太郎

テーマ:よくある御質問

知っているようで知らない正しいカレンダー合わせ

通常日付時計の表示は31日周りとなっています。
小の月(2,4,6,9,11月)の場合は翌月の1日は日付修正が必要になりますので、電波時計などカレンダーを自動で調整してくれる機能がついていない時計の場合は年に5回 日付調整が必要になります。

基本的にはリュウズと呼ばれる3時方向についているネジを引き出し、回すことでカレンダー送りができますが、よくあるトラブルはちゃんとカレンダー合わせをしたのにも関わらず、半日日付が合わないという話です。

時計の日付は24時間で1日変更されるように作られています

時計の日付は24時間で1日変更されるように作られてる・・・というと当たり前なのですが、腕時計は12時間表示ですので今、針が指している時刻は午前なのか午後なのか 見ただけでは分かりません。
そこで ちょっと面倒ですが、カレンダー合わせは下記の要領になります。

(1)リュウズを1段引き出します。防水時計などのネジロックタイプのモデルはリュウズを手前に回して、ネジをゆるめ、
リュウズを1段引き出します。

(2) リュウズをまわして合わせたい日の前日の日付(曜日)にセットします。
  ※曜日表示がある場合:リュウズを手前にまわすごとに1日ずつ、また、奥にまわすごとに曜日が1曜日毎に和/英を繰り返しながら進みます。曜日の和/英はここ(前日の曜日)で選んでおきます。

(3) 秒針が12時の位置にきたら、リュウズを2段目まで引き出します。今日の日付/曜日になるまでリュウズをまわして針を進めてください。

(4) 日付は24時間で1日変更されるように設定されています。午前/午後を間違わないようにリュウズをまわして時刻を合わせます。
※クオーツ時計:構造上、分針を正しい時刻よりも 4~5分進めてから逆に戻すようにして時刻を合わせます
※機械式時計:分針を5~10分手前にしておき、そこからゆっくり進めて正しい時刻にあわせます。

(5) 時報と同時にリュウズを0段目まで押し込んで完了です。
※ネジロックタイプのモデルは、リュウズを押し付けながら右に止まるところまでねじ込んでください。
※日付・曜日修正のみの場合は、リュウズを1段引き出し正しい日付・曜日に修正するだけで大丈夫です。

カレンダー合わせ

ネジロックタイプの締め込み忘れにご注意

上記解説中で 「ネジロック式」と言う言葉が再三登場しますが、カレンダー修正後にネジロック式の時計の締め込みが甘く、湿気が入ってしまうケースが意外と多いようです。
時計本来の機能を守る為に、ネジロックはしっかり締めてからご使用ください

カレンダー修正をしてはいけない時間帯があります

過去のコラムでご説明させていただきましたが、これも知っておくと知らないのでは数年後に時計の健康寿命に影響してきます。下記コラムをご参考ください。
カレンダー修正禁止時間帯

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衞藤憲太郎
専門家

衞藤憲太郎(時計修理技能士)

株式会社ハナブサ

時計の寿命を延ばすビフォーケア(事前のケア)として「分解掃除を伴わない時計クリーニング」を提唱し10年。壊れていない時計のメンテナンスまで受付出来るのは、しっかりとした修理技術の裏付けと豊富な経験値が

衞藤憲太郎プロは九州朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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