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酷暑と線路と機械式時計と・・・

2015年8月8日

テーマ:時計メンテナンスの知識

コラムカテゴリ:くらし

線路

暑さで金属は伸び縮みするので・・・

「暑さ」の話はもう聞き飽きたと言われそうですが・・・
例えば 線路。
金属は暑さで伸びてしまうので 伸びることを前提に線路と線路の間に隙間を作っています。
情緒豊かな ガタンゴトンガタンゴトン という 列車の音はその隙間を通過する時の音。

暑さを考慮して作った隙間以上に 金属が伸びてしまったら 線路が波打つおそれがあるため、鉄道会社では連日レールの温度を測るなど点検作業に追われているのだとか、安全を守る為の努力に頭が下がります。

機械式時計も暑さの影響を受けます

機械式時計の場合も 温度変化によって精度に影響が出てきます。機械式時計の精度に大切な役目のヒゲゼンマイ。
これは人間の髪の毛位の細さの金属を巻いた 大切な部品です。暑さの中ではヒゲゼンマイが伸びてしまい 遅れがちになってしまいます。(逆に寒い時は進みがちになります)

ヒゲゼンマイ

機械式時計を楽しむコツは 機械の特性を知ることからだと思います。
定期的なメンテナンスをしているにも関わらず、「最近 少し遅れがちになってきたな」と感じたら 暑さの中 少し伸びたヒゲゼンマイが頑張っているのだと愛しんであげてください。

線路は散水して温度を下げることもあるそうですが、時計の場合は水・湿気は大敵!水を扱う時はこまめに腕から外す・汗をかいたら裏蓋周りを拭き上げるなど、時計に対する心遣いが時計の寿命を長くしてくれます。

この記事を書いたプロ

衞藤憲太郎

時計修理、修復とビフォーケアのプロ

衞藤憲太郎(株式会社ハナブサ)

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