太陽光発電について⑫~火力発電の代わりにはならない

鈴木敏広

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テーマ:住宅の設備

再生可能エネルギーを火力発電の代わり、代替エネルギーにするというおかしなことを言っている人がいます。確か2024年の自民党の総裁選に立候補した人の中にも、火力発電を再生可能エネルギーに変えないといけないといっている候補者がいました。全く科学的な考えがない人と思いました。

太陽光パネルは太陽が出ていないと発電しません。雨降りや夜も発電しません。それに困ったことは、一日の内に晴れたり曇ったり雨が降る日は発電したり発電しなかったりして発電量が安定しません。このような不安定な発電でどうして火力発電の代わりになるのでしょうか。火力発電のように発電量を調整できないのです。再生可能エネルギーで発電量を調整できるのはバイオマスとか地熱発電ですが設備に費用が掛かり、太陽光のように簡単に設置できません。

電池で充電すればという方もいるかと思いますが、現在の家庭用電池の能力では補助程度で一日の電気量をまかなえません。巨大な電池設備を作ってそこに充電すればよいですが、その設備費用と場所が必要です。あとは電池の性能が良くなることしかありません。太陽光パネルと電池をセットで開発すれよかったですが、補助金を出してパネルの設置が先をいっているのが現状です。

電気というエネルギーがなぜこれだけ普及したかは、何より必要なときに必要な量を使えるからです。ですから、安定した発電量をまかなえる設備でないと代わりにはなりません。

太陽が出たら、風が吹いたら発電では代替エネルギーになるはずがないのです。
CO2を出さない、環境にいいといった聞こえのいい言葉で勘違いしてはいけないのです。

太陽光発電⑬

次回は、『太陽光発電について⑬~二重設備(火力発電の代わりにはならない2)』です。


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木造住宅からマンション、市の施設まで建築業界の最前線で培った経験を生かし、安心、安全、快適で長く暮らせる住環境を提案。大工経験から現場の声を大切にする家づくりは職人にも施主にも好評。リピート率も高い。

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