マイベストプロ愛知
鈴木敏広

長く愛される住まい作りにこだわる一級建築士

鈴木敏広(すずきとしひろ) / 一級建築士

まちの大工さん 鈴木工務店

コラム

集成材の疑問⑦~余談 下限5%について

2016年4月19日 公開 / 2016年5月9日更新

テーマ:集成材

コラムカテゴリ:住宅・建物

今回は、余談で無垢材の強度についてです。

最近は、集成材が当たり前のように使われるようになったため耳にしませんが、集成材で作ることが流行り出した頃、集成材で建てている業者が
「集成材の方が無垢材よりも強い」
と宣伝していました。2に書いたように集成材は、強度を決めて作っていますから、本物の木より強くも弱くも作れるというのが本当です。

では、本物の木の強度はどのように決められているのでしょうか?

下の図を見てください。材料実験をすると図のように真ん中が高く両端が低い形になります(このような形を正規分布と言います)。学校のテストでも出来る人と出来ない人が少なく平均点に近い人が多く、普通は同じような形になり、一番高いところあたりが平均値になるわけです。

木材の基準強度は、平均値で決められているのではなく、下限から5%の値(図の矢印のところ)で決まっています。下から5%の値が基準、つまり残り95%は基準強度以上ということになります。下限5%で決められている理由は、節や割れなどがあるため安全率を大きく考えているからです。

集成材が本当の木材よりも強度があると宣伝していた業者が、木材の強度のどこを基準にしているのか分かりませんが、もしも、国が決めている基準強度の1.5倍ならその強度はそれほどでもないことになります。

集成材7

次回は「集成材の疑問⑧~土台は集成材ではなかった」です

---------1955年以来の信頼と実績--------------
      まちの大工さん 鈴木工務店
TEL : 0532-32-4265 FAX : 0532-32-4251
E-mail : machino-daikusan@h3.dion.ne.jp
◆住まいに関することは何でもお気軽にご相談下さい
---------------------------------------------

この記事を書いたプロ

鈴木敏広

長く愛される住まい作りにこだわる一級建築士

鈴木敏広(まちの大工さん 鈴木工務店)

Share

関連するコラム

鈴木敏広プロへの
お問い合わせ

マイベストプロを見た
と言うとスムーズです

お電話での
お問い合わせ
0532-32-4265

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

鈴木敏広

まちの大工さん 鈴木工務店

担当鈴木敏広(すずきとしひろ)

地図・アクセス

鈴木敏広プロのコンテンツ

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ愛知
  3. 愛知の住宅・建物
  4. 愛知の注文住宅・住宅設計
  5. 鈴木敏広
  6. コラム一覧
  7. 集成材の疑問⑦~余談 下限5%について

© My Best Pro