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コラム
木造にこだわる理由11~熱を伝えにくい
2015年9月15日
木に触っても冷たく感じませんが、鉄などの金属は触ると冷たく感じます。
これは皮膚の表面温度が低くなるためです。熱は高い方から低い方へ流れますが、その速さが早いほどつめたく感じます。この熱の伝わりやすさを熱伝導率で表しますが、数字が大きいほど熱を伝えやすく、
小さいほど伝えにくいことになります。
その速さは水を1.0とした場合、空気0.04、木材0.4、ガラス1.4、コンクリート2.4、花崗岩6.6、鉄106となります。木材に対して鉄は26倍、コンクリートは6倍のスピードで熱を伝えます。熱を伝えにくいということは、
断熱性があることになります。木材の熱伝導率が低い理由は、簡単に言うとストローを束ねたような構造になっているため、熱が伝わりにくいからです。
(下の針葉樹の写真参照。針葉樹は90%以上、仮道管でできています。)
コンクリートは、温まりにくく冷めにくい材料で、一度温まれば持続時間は長く続きます。
コンクリートの建物は、24時間使用するような建物や気候が厳しく年中暖房が必要な場合には非常に有効ですが、日本のように気候が複雑で、暖冷房を入れたり入れなかったりする気候には不向きです。逆に鉄は、熱伝導率が高く、温まり易く冷たくなりやすいため、柱の外側に断熱材を張り、家をすっぽりと断熱材で囲わなければなりません。木やコンクリートと違い、鉄骨は□とかH型、C型などの部材を使います。
鉄骨造では、隙間なく断熱工事をすることは大変難しくなります。
建築の構造材としては、木造住宅は構造材の木そのものに断熱性があることになります。柱の間に断熱材を入れても断熱工事ができますが、コンクリートや鉄の住宅では、そのような事は出来ないのです。
次回は、『木造にこだわる理由12~触ってもいい』です。
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