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コラム

源泉かけ流し温泉のメリット

2020年5月12日

テーマ:温泉の効果・効能

コラムカテゴリ:美容・健康

「温泉はやっぱり、源泉かけ流しがいい」というセリフ、誰もが耳にしたことがあるのではないでしょうか。源泉かけ流しの温泉はとてもぜいたくな「良い温泉」というイメージがあります。

ここでは源泉かけ流しの意味やメリット、反対に、お湯を循環させるからこその良さをお伝えします。

源泉かけ流しとは?

そもそも源泉とは、地面から自然と湧いてきた温泉と、地面に穴を掘った先から水圧で湧き上がってくる温泉、そして地面に穴を掘って温泉を探り当て、それを吸い上げる温泉の3種類があります。

この源泉を浴槽に入れ、自然と浴槽からあふれたお湯を再利用することなく、常に新しい温泉が浴槽に注がれ続けているのが「源泉かけ流し」です。反対に、温泉水をろ過したり消毒したりして再利用しているのが循環ろ過となります。

2005年の温泉法の改訂後は、温泉水を循環させている場合、必ずその旨と理由を掲示することになりました。

源泉かけ流しをしている温泉は、それ自体がアピールポイントとなるため「源泉かけ流し」と掲示してあることが多いです。今まで「そんなところまで気を付けて見ていなかった!」という人は、ぜひ温泉に行ったら注意して掲示物を確認してみてください。

ただし、「かけ流し」だけの表記の場合は、それが温泉水でない可能性もあります。ただのお湯をかけ流ししている場合もあるのです。「源泉かけ流し」なのか、ただの「かけ流し」なのかにも注目してみると、新しい発見がありそうです。

源泉かけ流しの定義

源泉かけ流しの一般的な定義は以下のようになります。

〇湧きだした新しい温泉を常に浴槽に注いでいること
〇注がれた分の湯が浴槽からあふれていること
〇あふれたお湯はそのまま流し、再利用しないこと
〇浴槽内でお湯を循環ろ過させていないこと

ところが、日本にはいくつもの温泉に関する団体があり、実は団体ごとに見ていくと細かい定義が少しずつ違っています。

というのも、湧きだした温泉の温度が熱すぎる場合、入浴するのに適した温度になるように水を加えて温度を調節する「加水」をしたり、反対に温泉の温度が低すぎるために加熱して浴槽に注いだりするケースも珍しくないのですが、この「加水」や「加熱」を「源泉かけ流し」に含めっていいのかという問題があるのです。

日本温泉協会では、「加温は良いけれど加水は源泉かけ流しではない」としていますし、日本源泉かけ流し協会では「加温と温泉を適切な温度にするための加水は認めるけれど、湯量の不足を補うための加水は認めない」としています。

九州の有名な温泉地である別府市は、「温泉施設所在地にある源泉から引いた温泉をそのまま使用していること」という基準があって、「どの団体の定義をもとに判断するか」で違ってくるのです。

基本的な考え方として、湧きだしたままの新鮮な温泉水が成分を損なわずに浴槽に注がれてあふれ、そのお湯が再利用されていない状態が源泉かけ流しです。ただし、気持ちよく温泉につかれるように、温泉水を冷やしたり温めたりしていることもある、と受け止めるといいのではないでしょうか。

温泉イメージ

源泉かけ流しのメリットやデメリット、特徴

源泉かけ流しの最大のメリットは、なんといっても濃度の高さです。単純温泉以外の温泉では、泉質ならではの色やにおい、肌触りを体感できます。

どうせ入るなら、常に新しい温泉水が注入されている源泉かけ流しがいいと誰もが考えるのではないでしょうか。それも、欲を言えば源泉100%なら理想的ですが、「源泉かけ流し」はあっても、「源泉100%かけ流し」というのはなかなか見かけません。また、かけ流しではなく「循環ろ過している温泉もあるのはなぜだろう」と疑問を感じる人もいるのではないでしょうか。

先ほどの「加水・加温」の話になりますが、源泉が高温だった場合、そのままの温度のお湯をどんどん浴槽に注ぐと、浴槽内が熱くなりすぎてしまいます。

それなら、浴槽内が熱くなりすぎない程度に少しずつ「源泉100%」でかけ流しをすればいいかというと、単純にそうはいかない場合もあります。というのも。注がれる湯の量が少ないと、あふれるお湯の量も少なくなります。もし多くの人が入浴する浴槽だった場合、浴槽内に汚れがたまりやすくなり不衛生です。

それなら、もっと加水をして新しい新鮮なお湯がどんどん浴槽に入ってくるほうが、利用する人も気持ちよくお風呂に入れるでしょう。さらに言えば、浴槽内のお湯を常に清潔に保つことを目的に循環ろ過し、かけ流しと併用している温泉もあります。

浴槽や施設の広さ、利用する人の多さ、源泉の温度を考え、多くの人が気持ちよく入浴できるように考えて循環・ろ過していないケースもあるため、単純に「源泉100%かけ流し」「源泉かけ流し」が最高と言い切ることはできないのです。

どの温泉もできるだけ源泉の品質を保ちつつ、快適に楽しめるように考えて工夫しています。ゆっくり温泉につかりながら「この温泉が源泉と循環ろ過を併用しているのは、お客さんが多い人気の温泉だからなのかな」なんて考えるのも楽しいかもしれません。

山梨県のラドン温泉「湯~とぴあ」

この記事を書いたプロ

早川善輝

湯治のプロ

早川善輝(ラドン温泉ホテル 湯~とぴあ)

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