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ラドン温泉は安全!危険でない理由

2020年8月12日 公開 / 2020年8月13日更新

テーマ:ラドン温泉の効果・効能

コラムカテゴリ:美容・健康

ラドンは、ラジウムが壊変(かいへん)してできた放射性元素ですが、地中から漏れ出るなど、空気中、水中と自然界のいたるところに気体として存在します。

地上に出るまでに微量になるとはいえ、放射能であることには変わりありません。そしてラドン温泉は、ラドンを人工的につくるものなので、自然界より多くの放射能が出てきます。ラドン温泉は安全なのかどうか、放射能の安全性についてご紹介します。

温泉イメージ

健康に被害が出る被ばく量

広島・長崎の原爆投下、福島第一原発事故など、放射能の恐ろしさは私たち日本人の記憶に刷り込まれています。
特に、原発事故当初は日本の至る所で高濃度の放射線が計測されて、「〇ミリシーベルト」などの放射線の単位が毎日のように報道されるなど、放射能に対する恐怖心が高まりました。

放射線を受けたときの体への影響の度合いを示す単位は、「Sv(=シーベルト)」で表されます。また、ある作用が起こるか起こらないかの境目の数値を「しきい値」といいますが、人体がしきい値を超えた放射線を受けると以下のような障害が起こります。

【急性障害(数週間以内に症状が出る)】
・骨髄障害、胃腸管障害、中枢神経障害などの急性放射線障害
・皮膚紅斑、脱毛、不妊など

【胎児発生障害】
・胎児の障害、精神遅滞など

【晩発障害(数カ月~数年以上経過後に症状が出る)】
・白内障、緑内障
・白血病、がん

被ばくした臓器によって健康に影響を及ぼすような放射線の種類や量が違うので、各障害について「しきい値が〇Sv」と一概に言えませんが、一般的に、累積被ばく量が100mSv(ミリシーベルト)以上だと発がんの危険性があるといいます。

200~500mSvだと1.19倍、500~1,000mSvだと1.4倍、1,000~2,000mSvでは1.8倍と、被ばくしなかった人より発がんのリスクが高くなります。

しかしながら発がん性については、被ばくから数カ月から数年以上も後に発病する晩発障害であることに加え、遺伝的要因や食事・生活習慣による要因など、他にも原因があると考えられるために、放射線によるものという断定が難しくなっています。

「しきい値」に関して日本政府では、境界値より低い線量の被ばくであれば健康に影響を及ぼさないとする「しきい値仮説」を採用しています。

他方、どんなに微量であっても健康に影響があるとする仮説、微量の被ばくはさまざまな細胞を活性化させて健康にいい影響を与えるという「ホルミシス仮説」があります。

ラドン温泉はこの「ホルミシス仮説」のもとで、安全性の検証やラドン療法の研究がされています。

温泉と猿

日常生活における被ばく量

一般の人が日常的に受けても問題ない程度の人工放射線の被ばく量は、医療を除いて、法令で1年間に1mSv以下と決められています。この数値を1時間に被ばくする量に換算すると、0.114μS(マイクロシーベルト)になります(放射線に関係のある仕事の従事者は1年間で50 mSv以下)。

ただし、自然界からの放射線や医療からの放射線も含めると、日本人の1年間の被ばく量の平均は5.98 mSvです。自然界や宇宙などから受ける放射線は、そのうちの2.1 mSvにもなります。普通に生活していても、常に放射線を浴びているということです。

そして、岩石や土などの自然界からの放射線の量の半分は、ラドンやトロンの放射線によるものです。ラドンなどは気体で存在するので、ラジウム温泉などの放射能泉と比べるとはるかに微量ですが、呼吸するたびに空気中に漂っているラドンなどを日々吸い込んでいることになります。

ラドン温泉での被ばく量

ラジウム温泉と呼ばれている天然温泉の、ラドン・トロンを含む放射能泉で受ける被ばく量は、1時間に0.3~0.5μSと言われています。最もラドン含有量の高いところで13μSにも達します。
この値は法で定められた被ばく限度の100倍以上ですが、これほどの量の放射線を何時間も何年も被ばくし続けるわけではありませんから、健康被害に至ることは考えにくいでしょう。

一方、人工的にラドンを発生させるラドン温泉は、被ばくの安全性を考えているので、1年間に毎日入浴したとしても400μSです。またラドン温泉は、ラドン以外の放射能元素のある放射能泉とは違い、純粋なラドンのみを発生させて人体に影響の少ないα線しか出しません。

さらに、体内に入ったラドンの生物学的半減期(ラドンでいられる時間)は約40分で、ほとんどが尿や呼気などから排出され、約180分後には体内から消えてしまいます。温泉の利用時間自体がそんなに長くないことを考えると、ラドンによる被ばくで健康に悪い影響を及ぼすという可能性は少ないと言えます。
呼吸や食事による被ばくはラドン温泉による被ばくの最低でも12000倍以上の被ばくを受けているのです。

「ホルミシス仮説」によると、微線量の被ばくであれば健康に対して安全であること以上に、いい効果が期待できるとしています。

実際にヨーロッパでは、ラドンの消炎・鎮痛効果に注目してラドンを使った治療が行われています。日本でも、温浴中の放射線の影響を最小限に抑えながら、ラドンを効果的に健康に役立てる研究がされ、ラドン温泉が開発されました。
現在放射線療法においては【アルファ線療法】と呼ばれラドンの他、人工的に造られるアルファ線核種を利用した医療が毎日行われているのです。

この記事を書いたプロ

早川善輝

湯治のプロ

早川善輝(ラドン温泉ホテル 湯~とぴあ)

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