月経リズムの変化でなぜ不調が起こるのか?〜①〜【山梨 漢方 婦人科 さわたや】
みなさん、ちゃんと毎日部屋の換気はしていますか?
そろそろ花粉症も心配な時期ですが、空気の入れ替わりがないとよどみが生まれて、気分的にもスッキリしませんので、定期的に窓をあけて空気の入れ替えをしましょうね。
空気清浄機や換気も良いのですが外気がもっている独特のエネルギーはすごく大切です。
新型コロナウイルスによる影響で気分も停滞しがちなので定期的な空気の入れ替えで、身体的にも、気分的にも気持ちを切り替えましょうね。
3月に入り気温も上がってきました。ウイルスは『低温・乾燥』が大好きなので少しづつ気温が上がってきて、湿度も上がってくる春が近づいてくれば来るほど終焉が近づきますので、春が早く来ることを願って負けずに頑張りましょうね!
さて、気温が2月末から上昇してきて、春が近づく時期になると毎年増えるご相談があります。
それは『イライラしたりくよくよしたりする』『目が疲れる』などの相談です。
今年も例外なく大勢の方がこのような症状で相談にいらっしゃいます。
なぜでしょうか?
実は春は中医学では『肝』と言う場所が非常に弱りやすい時期なので。
この春先の今だからこそお伝えしたいことがありますので、今回は
〜最近なんかイライラする・目が疲れやすい『それって春と肝のせいかも?』〜
というテーマでお届けします。
まず春と肝のつながりをお伝えする前に中医学では五臓と言われる5つの内臓のような働きを持つ場所と、5つの季節、など様々な物がつながっていると考えられています。
陰陽五行説などと言われますが、コラムでこれをお伝えしようとすると何回の連載になるかわかりませんので(笑)
超簡単に説明すると
カラダを支える5つの五臓は
肝・心・脾(胃)・肺・腎
の5つです。それぞれ見覚えがあると思いますが、今回のテーマの肝であれば現代の生理学的な肝臓が持っている働きはもちろんですが、それ以外にも様々な働きを持っていると中医学では考えます。
この五臓の中でも今回の主役はもちろん『肝』です。
肝は
季節は『春』
カラダの器官では『目』
感情では『怒り』
カラダから出る液体は『涙』
栄養を供給する場所は『筋』
そして色は『青(緑)」
が当てはまると中医学では考えます。
これ以外にももっともっとたくさんありますが、今日の話と関係深いところだけ紹介をさせてもらいました。
簡単にこの肝の働きをまとめると肝臓の働きを含めて、自律神経系、運動神経系、視覚などをコントロールする場所と考えておくとわかりやすいかもしれません。
肝に関しては中医学ではこんな風に言われます。
『肝は目につながっていて、その華は爪にある。
肝は筋肉や筋の働きをつかさどっている。肝は血を蔵している。肝は疏泄(心の状態や食べたものの消化吸収、気や血の流れがスムーズになるような働き)をつかさどる』
と言われています。
中医学的だとちょっとむずかしいと思いますがいろいろなところがつながっていて面白いと思います。
さて、それではなんで春に目が疲れやすいのか?情緒が不安定になるか?
を中医学的に、そしてカラダの仕組み、生理学的にも見てみましょう。
☆春は自律神経が乱れやすい
春はもともと5月病があったりするぐらい昔から『春は情緒がおかしくなりやすい』なんて言われています。
その理由は春は自律神経が乱れやすい季節だからです。
なぜ春に自律神経が乱れやすいのでしょうか?
1つ目は気温変化が激しいこと。
僕らのカラダには体温調節中枢という機能がついており『暑い』『寒い』というのをカラダで感じてコントロールをしていますが、春特有の三寒四温の気候で変動が激しく体温をコントロールする自律神経に乱れが出やすいのです。
2つ目は気圧の変化が激しいこと
2つ目はさきほどの気温とも関係がありますが気圧の変化が激しいことです。
春の嵐、春一番、など春は天候が乱れやすいことでも有名です。雨が降ったり晴れたりと高気圧と低気圧が入り混じり気圧変化が激しいので、自律神経が乱れてしまうのです。
『気圧で自律神経が変化?なぜ?』と思う方もいるでしょう。
その理由は晴れの天気を作ってくれる高気圧の時は動物は『餌取り行動』と言って活動的にカラダをしてくれる交感神経が優位になります。
逆に雨の時の低気圧は雨が降っているからゆっくりカラダを休ませようとする副交感神経が優位になります。
これが立ち代わり、入れ替わりで天候変化とともにやってきますから自律神経が乱れやすくなります。
自律神経が乱れたら情緒が不安定になるのも仕方ないですし、何より血管の拡張と収縮も自律神経が行っていますから筋肉で支えられて、レンズを大きくしたり縮めたりするときにも筋肉を使い、
カラダの中で唯一外にむき出しの器官である目は沢山の酸素と潤いが必要なので、血液の流れが悪くなってしまったらアウトですよね。。。
ここで出てくるのが中医学の『肝』と『春』です。
肝は疏泄と言って情緒や体の動きもコントロールする、とお伝えしましたよね。まさに自律神経ですよね。
また、血が溜まっていてその流れも自律神経が大きな影響を及ぼします。
なので、肝は目に繋がり、筋、感情は怒り、液体は涙とすべてつながってきませんか?
ここに現代のライフスタイルで春の3月、4月、5月は生活習慣が変わる時期でストレスも多い時期なので、季節的な負荷と環境的な負荷が重なって加速度的に春は『肝』の弱りが出やすいのです。
☆春の養生法
◆ゆっくりをテーマに
春は時期的にも気ぜわしい季節です。キーワードはストレス過多の人と同じく
『ゆっくり』です。
気温も上がってきたので朝は少し早めに起きて慌ただしい朝をゆっくり過ごせるように早寝早起きを心がけましょう。
イライラしたらゆっくり喋り、ゆっくり食べて、ゆっくりあるきましょう。
◆服装や髪型はゆったり緩やかに
冬は寒さでたくさん来たり、締め付けるような服装が多かったと思いますが春はできるだけ緩やかな服装で締め付けないようにしたり、髪の毛もあまりきつく縛らないでゆったりした髪型で気分も緩やかに過ごしましょう。
◆血を増やす食材を
普段から貧血気味の方や生理前、生理中など血液が必要な時期にカラダの不調を起こしやすい方は血液をたっぷりにするタンパク質、お肉、お魚、大豆製品、クコの実、ナツメなどを積極的に取りましょう。
◆食べるアロマ〜香りの良い食材や味付けを
爽やかな香りは気持ちを安定させてくれます。アロマテラピーの食べる版ではありませんが、レモンやみかんなどの柑橘類を食材としてつかたり、味付けや香り付けで使ったりして酸味をきかせた料理を食べましょう。
今年の春はいつも以上に養生をしておきましょうね。過ごしやすい春の時期を元気に笑顔をで過ごしましょうね。
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