『葛根湯』寒い冬こそ知っておきたい・もっとも日本で有名な漢方薬について③
それって「春バテ?」
春は様々な環境変化や「春の5K」と言われる自然環境などの影響により自律神経がみだれる、ということを前回のコラムでご紹介しました。
自律神経の乱れ=うつ、パニック、不眠じゃない
自律神経が乱れることで様々な身体の不調がおこります。。自律神経=不眠・うつ・パニックではありません。自律神経失調というとどうしても精神疾患のようなイメージがありますが、自律神経の乱れはどんな人、赤ちゃんでも、お年寄りで起こるもっとも身近なカラダのトラブルです。
体温を調節するのも自律神経。これが乱れると、暑くもないし、とくに緊張するようなことが無くても汗が止まらなくなっったり、顔が火照ったりします。いわゆるホットフラッシュのような状態です。
もっとも身近な症状は胃腸のトラブルかも?
もっと身近な症状は胃腸かもしれません。食事をした後は通常、副交感神経系が優位になり、胃が収縮して消化促進をしてくれるのですが、これが失調すると胃がちゃんと動かずに消化不良になったり胃もたれになったり、胃酸過多になったりします。さらに消化系以上にわかりやすいのがお通じかもしれません。
☆緊張すると下痢・ 出かけると便秘になることありませんか?
腸はある意味昔から『腸脳一体』と言われるぐらい感情や身体の状態と密接につながっています。昔から『断腸の思い』『腑に落ちる』『腸が煮えくり返る』などという表現があるぐらい、腸の働きとメンタルの状態はつながっていると昔の人も考えたのでしょう。
人間は基本的に『頑張る神経』が優位な時は活発に活動したら、戦ったり、狩りをしたりするため、排泄活動は控えめになります。逆に『癒やしの神経』が優位な時には安全でのんびりした状態なので、排泄等が安心して行えるため、胃腸の動きは活発になります。
そのリズムが乱れると胃腸の調子が崩れてしまうのです。ストレスを受けやすい方が最初に胃腸の調子を崩してしまうのはこのような理由からです。
~自律神経失調症の主な症状~
頭痛、めまい、ふらつき、不眠、呼 吸困難、せき、息切れ、肩こり、腰 痛、食欲不振、動悸、倦怠感、便 秘、下痢、手足の冷え・しびれ・・・・。このように、自律神経失 調症の症状は、全身に多岐にわ たります。
☆検査ではわかりにくい症状が特徴☆
このような症状がありながら、自律神経の乱れから来る症状の特徴は、病院で検査をしてもあまり目立った異常が見られないということです。身体の器官(内臓や目、鼻、耳、などの感覚器官)の病気ではなくて、正常な体の器官を正常に動かせていない状態なのです。
次回はそんな春バテ=自律神経の乱れの漢方的対策をお伝えしたいと思います。
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