『葛根湯』寒い冬こそ知っておきたい・もっとも日本で有名な漢方薬について③
漢方タイプ別スキンケアということで、タイプ別にオススメの生薬や方剤、食材などをご紹介しております。
前回の『気虚』に引き続き今回は『気滞』タイプのご紹介です。
前回の『気虚』が気が足りなくて肌の調子を崩してしまうタイプだとすると、今回の『気滞』は気は十分にあるのですが、それを有効に使うことができない、カラダの中を巡らせることができないタイプと言えるでしょう。
スキンケア以外でもストレス社会の現代はこの『気』に関連する症状が非常に多く見られます。ここで注意したいのが、『気虚』と『気滞』で使う薬を間違えることです。
すでに『気』が十分ある人に気を補う薬を使ってしまったらどうでしょう?また、気がない人に気をグルグル巡らせる薬を使ったらどうなるでしょう?溢れ出たり、オーバーヒートしたりしてしまいそうですよね。そういう間違いをしないためにもぜひ、きちんと専門の知識のあるところで漢方薬を選ぶことをお勧めします。
さて、ちょっと脱線してしまいましたが今日は『気滞』タイプのスキンケアです。
~ストレスなどで気の巡りが良くない方『気滞』タイプ~
『気滞』とは前述の通り、ストレスや疲労、過緊張など様々な理由により『気』のめぐりが悪くなっている状態です。
『気滞』の方の主な症状は・・・・
・月経前に過食してしまう
・胸がつまる、ため息がでやすい
・イライラや欝っぽい感じなど、情緒が不安定な時がある
・ガスやゲップが多い
・便秘しやすい
などの症状が挙げられます。感覚としてはカラダの中で何かが詰まっていたり、張っていたり、押し付けられたりしているような感覚をうける症状が出ることが多いようです。
このような『気滞』タイプの方に出やすいお肌のトラブルは・・・
☆肌の状態が不安定になる
☆しみなどのトラブルがおきやすい
☆混合肌(顔の部分により油っぽいところがあったり、乾燥したりする所がある)
このような症状の方が多く見られます。
このような方にオススメの生薬は『理気』と言わる気の巡りを改善する生薬です。『理気』で滞りがちな気の巡りを流してあげるようなイメージですね。
香附子や陳皮、柴胡や菊花などがオススメの生薬の代表です。
方剤としては『逍遥散』や『四逆散』などが代表的なところでしょう。
生活上の注意点や養生方法はアロマテラピー、ぬるめのお風呂にゆっくり入る、ゆったりとしたリズムでの運動をすることなどがおすすめです。
食養生では、セロリや柑橘系のものを積極的にとったり、ジャスミンティーなどのハーブティー、陳皮茶や菊花茶などのオリエンタルハーブティーなどを上手に使うと良いでしょう。
次回は漢方理論の中心となる『気・血・津液』の中から『血』のバランスが崩れているタイプ、その第一弾として血液不足の方の『血虚』タイプについてご紹介いたします。