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コラム
江戸時代作品 修復 Before After
2023年7月25日
作家 狩野即誉 (江戸中期画家、生没年不詳)
2023年初め頃お客様が店に直接掛軸を持って来られた。
作品を広げてみると全体的にひどく傷んでおり湿度が高い所
もしくは雨漏りなどで水没してしまったのか白カビが発生していた。
作品には以前修理した形跡があることからお客様の先代の頃から
修理するほど愛着を持って大切に扱われていたことが伺える。
お客様曰く「幼い頃から見てきた掛軸で両親が大切にしていたものだから
直しておきたい」との思いで修理することを決心したそう。
修復期間は最低でも半年間は頂きたいとお伝えさせて頂いた。
修復作業に関しては長くなるので割愛させて頂くが
絵具の滲み具合を調べ必要な箇所へ滲み止を行い
水を使用して汚れを出していく。
しっかり汚れを出したあとは薬品を使いシミ抜きを行う。
無理はせず弱めの濃度で行った。
強いシミなどは完全に取り除くことは出来なかったが汚れが抜け
全体的に絵の雰囲気が明るくなった。
江戸時代の古い作品ということで古めかしく重厚な雰囲気を意識して
裂地を取り合わせた。
これから先50年以上再び大事に掛けて鑑賞して頂けると
修復した側としても大変喜ばしいことである。
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