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並木将央

成熟社会へのビジネスシフトをサポートするコンサルタント

並木将央(なみきまさお) / 経営コンサルタント

株式会社ロードフロンティア

コラム

副業の始め方 稼げるようになるまで

2024年5月2日

コラムカテゴリ:ビジネス

本業以外の仕事で収入を得ることを副業といいます。副業を認めている企業は少ないですが、働き方の変化といった理由から副業を行っている人は増加傾向にあります。副業を行う際、守らなければならない義務や注意点も存在します。本記事では、協業忌避にひっかからないように副業の始める方法、副業で稼げるようになるまでのポイントを解説します。

副業の現状

現在、企業が従業員に対する副業に対する対応を見てみると、副業を許容する割合は全体の3割です。副業や兼業を認めていない企業の割合が多いということがわかります。利益相反や情報漏洩を懸念、社員の長時間労働・過重労働への懸念などが理由として挙げられます。本業に専念してもらうためというのが一番の理由でしょう。


広報誌「ファイナンス」 (mof.go.jp)


その一方で、収入を増やすためという理由だけでなく、自分の活躍の場を広げるために副業を行う人も、年々増加傾向にあります。その背景には、日本型雇用形態の変容が、要因の1つとして挙げられます。従来、労働者は1つの企業で長く務めるのが一般的でした。しかし、最近では、グローバル化やデジタル化による働き方の変化や、高齢化による賃金カーブのフラット化だけではなく、企業がジョブ型雇用を取り入れる動きがみられています。そのような理由から、労働者は副業を通じて、収入の多様化、キャリア形成に積極的になっている傾向にあります。

企業の利益を守るための義務

副業や兼業を希望する人が増加する一方で、企業は自社の営業秘密漏洩や専門的な技術、顧客情報の流出があった場合、企業の利益に大きな影響があります。このような利益相反や情報漏洩を防ぐため、従業員は企業に属しながら副業や兼業をする場合、競業忌避義務があります。競業忌避義務とは、競争企業への転職や競合する企業の設立など、企業の利益を損ねるような競業行為は行わないという義務です。また、この兼業忌避義務に違反した場合、企業から懲戒処分や損害賠償を請求される場合もあります。
しかし、自分の本業の業務内容のスキルを活かした副業をすることで、より多くの収入を得られ、キャリアアップにつながるのも事実です。

競業忌避義務を守りながらの副業

どのようにすれば、競業忌避義務を守りながら、自分の仕事のスキルを活かした副業ができるのでしょうか?それは、自分が企業で行っている仕事を分析し、要素分解することです。要素分解することによって、自分の会社にしかできないスキルと、どこの業界にも使うことができるスキルに切り分けることができます。そして、どこの業界にも使うことができるスキルのみを使って、副業します。そうすれば、競業忌避義務を守りながら、副業を行うことができます。例を参考に、自分の仕事を要素分解するとは、どういうことなのか理解していきましょう。

Aさんは、B社で本業としてデータ解析を行っています。
Aさんが副業で、B社で行っているデータの分析の技術を教えた場合、B社の技術が外部に流出してしまい、競合忌避義務を破ることになります。

ここで、B社の要素と一般的な要素に切り分けます。B社の要素としては、データ解析の方法やデータ解析を行う際に必要な人脈、ノウハウなどが挙げられます。B社の要素以外が一般的な要素です。例えば、Excelをはじめとする多くの人が使用している技術は、一般的な要素に当たります。

一般的な要素であるExcelに着目し、Excelの先生をするということを副業にするなら、会社の技術を外部に流出する恐れがなく、競業忌避義務を守りながら、副業を行うことができます。

このように、まず自分が持っている技術を要素分解し、会社が持っている技術と一般的に使える要素と一般的に使える要素に分けます。Aさんの例では、B社の要素として会社が持っている技術は、データの分析の技術、一般的に使える要素はExcelの技術となります。その後、一般的な要素について磨きをかけ、副業とすることで、競業忌避義務を守りながらかつ、自分のスキルを活かした副業を行うことができます。

仕事の探し方

副業によって、自分の技術をお客様に売る方法はいくつかありますが、着手しやすいクラウドソーシングを紹介します。クラウドソーシングとは、企業がインターネット上で不特定多数に業務を発注する業務形態です。日本でもクラウドソーシングの利用者数は増え続けています。クラウドソーシングのサイトでは、クラウドワークス、ココナラ、ランサーズなどが有名です。さまざまな特徴があるので、ご自身の技術が一番求められやすいサイトを選ぶようにしましょう。

引き受けることのできる仕事としては、以下のような仕事があります。
例) WEBデザイン、写真、動画撮影、編集、プログラミング、翻訳、アンケート、口コミ投稿など

<メリット>

  • 多くの仕事を簡単に受注することができる
  • 報酬の支払いシステムが確立しているため、報酬未払いのトラブルも発生しにくい
  • 時間と場所を機にせず働くことができる


<デメリット>

  • 仕事単価が比較的安価なものが多いため、収入につながりにくい
  • 社会的信用が得にくいため、銀行の融資が受けにくい
  • 企業から仕事を直接もらうことが難しい


クラウドソーシングの他にも、知り合いの会社に自分で技術を売りに行くのもおすすめです。もちろん、弊社(株式会社ロードフロンティア)でも副業を始める人も応援しております。副業ができない業種の人も、スキルアップのために、ボランティアとして弊社には多く所属しています。ビジネスを立ち上げたい人や、ビジネスを通して自己実現したい人が集まる会社である弊社を利用することも考えてみてください。

副業で稼げるようになるまでのポイント

自分の技術を売る際には、最初は一般的なニーズや意見に合わせてアプローチしましょう。しかし、それだけでは無難な選択にとどまってしまいます。副業として提供する技術は、本当に必要とされるものでなければなりません。お客様からのフィードバックや改善点は、真摯に改善しましょう。

より稼げるようになるためには「このような技術があったら助かる」「こういうことはできる?」と聞かれたときがチャンスです。意見を取り入れ、彼らのニーズに合った技術を提供していけば、代わりのいない唯一無二の存在となっていけます。副業で稼げるようになるには、一歩先の話をされたときに対応できるかどうかがポイントです。

そのためには、お客様への納品後のヒアリング時に「はい」や「いいえ」のみで答えられる定量調査よりも、より相手の求めていることが聞き出せるように、個々の意見を尊重した定性調査をしていくと効果的です。そのときに「何を求めていますか?」とストレートに聞いても、成熟社会では消費者自身も迷子が多いので、求めていることは出てこないでしょう。やんわりと関係を続けながら、相手の隠れたニーズを見つけていけるようになるのが理想です。そうすれば、副業だけで食べていけるくらい、稼げるようになります。



まとめ

副業を行う際には、競業忌避の義務を守りながら、自分の会社でやっているスキルを活かしていきましょう。そのためには、企業で行っている仕事を要素分解し、どの業界においても使うことのできる技術を抽出すると良いです。副業を始める際には一般的な需要に合わせつつも、徐々にお客様の声を取り入れ、技術を発展させて、提供することが重要です。お客様が何を求めているのかに合わせて、どんどん進化・発展させていくと稼げるようになれます。

この記事を書いたプロ

並木将央

成熟社会へのビジネスシフトをサポートするコンサルタント

並木将央(株式会社ロードフロンティア)

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