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安東隆司(あんどうりゅうじ) / 投資顧問

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コラム

マンション修繕積立金、34.8%が資金不足。資材や物価高騰に上げ幅抑制で良いのか

2023年10月10日

テーマ:所長解説のおカネ学♫

コラムカテゴリ:住宅・建物

修繕積立金が計画より不足するマンションは34.8%ーー。
国土交通省が5年に1度実施するマンション総合調査の2018年度の結果です。
建物は古くなれば劣化が進みます。外壁の塗装を塗り直したり、屋根の防水工事のやり直し等が必要でしょう。
定期的な修繕を実施しないと、かえって大きな問題が発生することもあるわけです。


負担金の増額幅が大きすぎて支払いが困難になるケースが生じているため、引き上げ幅に一定の制限をかける。管理組合に計画的な積み立てを促す。

現在、多くのマンションで修繕のための積立金の増額幅が大きすぎて住民合意ができないトラブルが相次ぐ。

2001年に竣工したあるマンションでは計画当初に比べ、最終段階で積立金が5.3倍になる徴収計画をたてた。13年に管理組合の総会で値上げを決めようとしたところ、一部から強い反対を受けて断念。資金不足で修繕工事は延期された。

古いマンションほど修繕積立金などの滞納割合が高い。1969年以前に竣工したマンションのうち42.9%で滞納があった。2015年以降の物件よりも27.5ポイント高い。計画通り集金できなければ、修繕工事の遅延などが相次ぐ恐れがある。

10年以降に完成した築年数が浅い物件では6割強が増額積立だった。分譲時に当面の経費を少なく見せることができるためだ。建物の老朽化が相次げば影響は深刻だ。外壁の剥落や鉄筋の腐食が進むと居住環境を維持できず、周辺の安全も保てなくなる。

日本経済新聞 2023/10/09 『マンション修繕積立金の上げ幅抑制 国交省が指針、計画的徴収促す 3割超が資金不足』

販売者は住民の将来まで考えるのか?売りやすい方法を選ぶのか

マンションの販売者は、当面の経費が少なく見える方法である増額積立を採用しています。
販売者は売ることが仕事なので、将来そのマンションがどうなるかは、それぞれの購入者の責任なのです。
しかし、ギリギリの資金計画で購入を決めたパワーカップルなどは修繕の値上げに反対する場合が考えられます。
子どもを授かった結果、フルタイムで働くことが難しくなり、収入が減少してしまうことは、ライフプランを知っていれば「当たり前」のことです。
生活がギリギリならば、修繕積立金の増額に反対する立場も仕方ない部分はあるでしょう。
また、高齢化して収入が減少した年金生活者の場合でも、生活が豊かとは言えない場合に、修繕積立金の増額には反対するケースもあるでしょう。
ライフプランを良く検討せずに、「綺麗なマンションを手に入れたい!」という欲求が優先してしまうケースは悲劇となることもあるのです。
少々センセーショナルな言葉ですが実は
マンションは、所有者と運命共同体なのです。
しかし、販売者は販売に都合の悪いことは「わざわざ言わない」のです。

筆者は2009年にこのテーマを採り上げ、金融経済教育の重要性を発信していました。
社団法人 企業研究会の連載で、このテーマに切り込みました。
知らないと損をしてしまうことも世の中には多いのです。
様々な社会の仕組み、お金の流れを知ることは重要なのです。

********************

以下は2020年8月18日 公開 / 2020年9月7日更新の投稿の再掲です。
『投資家ファースト 社会的課題への取り組み(2)マンション運命共同体 【RIA JAPAN】』

弊社代表、安東隆司が「顧客本位のサービス」を求めて、
どのように取り組んで来たのかをお話させていただきます。
今回はその2回目です。

この記事の後に東日本大震災が発生したり、最近では豪雨で水害に合った
マンション(戸建て)もありました。
コロナ禍で収入が減少している世帯もあるでしょう。

実際に住宅を購入する時に相談する関係者はどんな人々でしょうか?
不動産会社(マンション分譲業者)、住宅ローンを貸付けする銀行などで
すが、いずれも販売者側です。
都合の悪い情報を、購入検討をしている見込み顧客にわざわざ伝える酔
狂な販売者はまずいないと考えるべきでしょう。

また、マンションの建て替えは出来るのか?も採り上げています。

マンション購入検討者には有益な情報です。
しかし、マンション販売業者・保有者には耳障りな情報だと思います・

投資家ファーストへ


<顧客本位を実現するには? 代表安東隆司の思考経緯 (2)>

・社)企業研究会連載 2009~2010
 知っておくと得する、パーソナル・ファイナンス
第2回 知っておいて損のない区分所有や管理についての知識【マンションについて】2009年11月号 

知っておいて損のない区分所有や管理についての知識【マンションについて】
【内容抜粋、データは全て当時です】
100戸のマンションを所有することは、他の99人と歩調を合わせなければならない「居住者運命共同体」では?
修繕積立金を上回る費用が発生した時はどうなるのでしょうか?100人それぞれに負担が必要ですが、リストラに遭遇してしまい、これ以上一銭も出せないという人がいたら?
耐震性に疑問があり補強が必要といった場合にはさらに大きな資金が必要です。
マンションの建替えは可能でしょうか?「現在のマンションが既存不適格」という理由が23.5%で最も多かったことは驚きです。容積率がオーバーしており、同じ大きさのものが建築できないということが推察されるからです。
住宅購入時の関係者である 不動産会社(マンション分譲業者)、住宅ローンを貸付する銀行などはいずれも販売者側です。わざわざ見込み顧客には伝えないと考えるべきです。
ギリギリでマイホームは手に入れたが、収入が減ってローンを返すのに困ってしまい希望した生活が成り立たないライフプランは失敗でしょう。
周りのみんながそうしている という理由は危険です。様々なおカネに対する知識を増やすことで、より良いライフデザインを描く一助になれば幸いです。
→PDFはこちらから
知っておいて損のない区分所有や管理についての知識 マンションについて

Business Reserch 2009.11掲載
一般社団法人 企業研究会連載原稿(当時の内容ですので現在とは異なります)
外資系プライベートバンク ディレクター(当時)
Ryuji ANDO All rights reserved.

連載時のデータはこちらから閲覧が可能です。
知っておいて損のない区分所有や管理についての知識【マンションについて】

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安東隆司(おカネ学株式会社 Reliable Investment Advisors Japan Co.,Ltd(英文名称 略称 RIA JAPAN))

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