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深田倍生

ITと企業経営両方の知識を持ち、企業のIT化を支援するプロ

深田倍生(ふかだますお) / ITコーディネーター

株式会社テクノプロジェクト

コラム

Z世代の特徴と吸収したい2つの事

2022年6月21日

テーマ:人材

コラムカテゴリ:ビジネス

 カテゴリー「人材」は、人材育成・開発や自己啓発等、人の成長や能力発揮等に関する話題を取り上げます。人材育成で重要とされる要素のひとつは明確な目標です。会社が求める人材や自分がなりたい姿等が明確でなければ、何が課題なのかも分かりませんし、課題が分からなければ、どのような方法でその課題を克服して良いかも分かりません。その上、結果が出るまでに時間が掛かってしまうというのも、人材育成が難しいと言われる理由のひとつかも知れません。人の成長や能力発揮等に関して問題意識のある方の参考になれば良いなと思っています。

Z世代とは

 インターネットを調べると色々と出てきますが、Z世代とは、1990年代半ば~2000年代に生まれた世代だそうです。 生まれた時点でインターネットが普及していて、当たり前のようにそれらを使ってきたことから「デジタルネイティブ世代」とも言われているようです。2010年代後半から20年代にかけて社会に進出することから、これからの社会の中心的な存在となって、消費動向に大きく影響を与える世代とされているそうです。
 私の所属する会社では、そろそろ2022年度入社の新人の方たちが集合教育を終え、各部署に配属されてOJTが始まる時期になります。人生のベテランの方たちは、ついつい「今どきの若者は…」と口走ってしまいそうですが、その深層心理には、羨望とかやっかみもあるんだろうと、おじさん世代の私は自己分析するわけです。

Z世代の特徴

私が所属する部署にもZ世代がいるので、当人を横目で見ながら、Z世代の特徴として一般的に言われていることを整理してみましょう。

(1)従来のメディア(マスメディア)を避ける傾向

 Z世代は情報リテラシーが高く、当たり前のようにインターネットから情報収集を行っています。その反面、テレビや新聞などは「興味がない情報が含まれている」とか「情報を押し付けられている」と考える人も多く、自分から欲しい情報を得ることができるWeb媒体の利用が中心になっています。Web媒体といっても、いわゆるWebサイトだけではなく、YouTubeやTwitterなどのSNSからも積極的に情報収集をしています。さまざまなWeb媒体を駆使しつつ、自分にとって必要な情報であるかを見極めながら情報に触れています。Web媒体から得られる情報には、フェイクニュースのようなものも混じっているため、「どの情報を信じるのか」を強く意識して、情報を収集しているようです。

(2)社会問題への関心が強い

 物心がついた頃に東日本大震災を経験したり、リーマンショックの影響を受けているZ世代は、社会問題への関心が強いと言われています。また、環境問題などの社会的な取り組みが広がっていることもあり、SDGsに関心を持つ人も多く見られます。消費の観点からも、環境に配慮して商品を購入する傾向があり「エシカル消費(消費者それぞれが各自にとっての社会的課題の解決を考慮したり、そうした課題に取り組む事業者を応援しながら消費活動を行うこと)」の意識が高いのも特徴のひとつです。また、インターネットやSNSの普及で、個人でも手軽に問題提起が可能になったことで、社会問題について発信する若者も増えています。Z世代は、環境や貧困などの社会問題を他人事と考えず、自分の問題として捉えて行動できる世代とも言われています。

(3)多様性・共感性を重視

 Z世代は、SNSなどでさまざまな価値観を持つ人と接する機会が多いため、多様性を重視する傾向があるそうです。もっとも、街中で外国の人を目にすることも増え、例えば学校で自分と異なる国籍等の背景を持つクラスメートがいることを違和感なく受け容れています。多様性を重視するというよりも、そのような環境が当たり前と感じているのかも知れません。また、共感性を重視する傾向もあります。例えば、商品購入の際に「自分の価値観と合うか」とか「商品やサービスを紹介する人に共感できるか」という点も重視します。

Z世代から取り入れたい事

今どきの若者であるZ世代から私自身が取り入れたい事などを挙げたいと思います。

(1)物事の本質を捉えようとする姿勢

 私の身近にいるZ世代から感じることを少し書いてみたいと思います。例えば、何かの手順(事務手続き等でもよいです)を説明すると、身近なZ世代は「なぜそうなっているのか」とか「何のためなのか」とか「こちらの方法が良いのではないか」と質問や提案をしてくれます。私は「そういうものなのだから手順に従って進めれば良い」と言いつつも、自分の言っていることは間違っているのではないかと、ふと考えることがあります。恐らく身近なZ世代は、物事の本質を捉え、改善の必要性を提案しているのです。コンサルタントに求められる能力・スキルは色々とありますが、そのひとつに「問題の本質を見極める問題発見スキルとその問題に対して適切な解決の方向性を見いだす力」があります。問題の本質の見極めと問題発見については、Z世代が得意とするところであり、我々が磨きたい能力だと思います。問題に対する適切な解決の方向性を見いだすためには、経験を積んだり、事例を学んだりする必要はあるかも知れませんが。

(2)タムパ(タイパ)

 Z世代の能力というか、特徴を示す言葉に「タムパ」があるそうです(この略語に苦虫を噛み潰したような顔にならないでください)。タムパとは、タイムパフォーマンスのことで、それに費やす時間に対してどれほどの満足感が得られるかを指しています。例えば、全自動洗濯機や食洗機は、お金を払って時間を買うようなイメージであり、タムパが高いと考えられます(私個人は、タムパと時短の区別はつきませんが)。「時は金なり」ということわざは、時間を無駄に使うことを古くから戒めていますが、タムパは、必ずしも無駄に使っていない時間をさらに短縮しようとするものだと思います。仮にお金を人件費(コスト)と考えれば、無駄な作業や時間を排除しようという考え方につながると思います。上記の(1)と少し似ているところもありますが、Z世代は、ある手順を変更すると短時間で完了するというアプローチで業務改善の提案ができるのではないかと考えます。

まとめ

 今回は、Z世代への憧れに近い気持ちで書いてみました。とは言っても、Z世代だけで全てに対応できるとは限りません。世代を越えて色々な能力を持つ人が力を合わせ、チームワークで課題解決する必要があると考えます。これから各部署に配属されるZ世代の若者の活躍と組織がZ世代の能力を最大限に引き出して、事業目標達成に向かって歩んでいく姿を目に浮かべながら、自分も頑張ろうと気を引き締めているところです。

この記事を書いたプロ

深田倍生

ITと企業経営両方の知識を持ち、企業のIT化を支援するプロ

深田倍生(株式会社テクノプロジェクト)

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