マイベストプロ大阪
辻村登志子

シニア世代の起業を支援する会計の専門家

辻村登志子(つじむらとしこ) / 税理士

辻村会計事務所

コラム

【IT企業】ゲームソフト販売の税務

2016年12月14日

コラムカテゴリ:ビジネス

IT企業などで行われているゲームソフトの開発・販売は、様々な課金システムが存在し、収益認識基準も課金システムごとに異なります。

その為、税務処理においても、企業の担当者などがなかなか判断し辛い傾向にあるようです。

今回のコラムでは、IT企業の担当者から相談を寄せられる、パッケージ型のゲームソフト販売と、インターネットによるゲームソフト販売の、税務処理における収益認識方法についてご説明したいと思います。

パッケージ型のゲームソフト販売の収益確認

税務処理で大切なポイントは、開発作業のどこまでを売上げとして計上出来るのかという「収益認識」をしっかり行うことです。

パッケージ型のゲームソフトは、市場販売目的のソフトウェア取引に該当します。

ゲームソフトの場合、ゲームソフトの種類、販売日、流通形態などによって収益認識の基準が異なります。

パッケージ型のゲームソフトでは、「出荷基準」または「検収基準」で認識されるのが一般的です。
出荷基準で収益認識する場合には、自社が商品を出荷した時に売上げを計上します。例えば、ゲームソフトを倉庫から出した時や、納品先の指定の場合に商品を搬入した時などで計上します。

検収基準で収益認識をする場合には、取引先が納品したゲームソフトの品質や数量などを検収して、その確認の通知を受け取った時に売上げを計上します。

尚、ゲームソフトの開発を受注制作で行っている場合には、検収基準で収益認識されるのが一般的です。

インターネットによるゲームソフト販売の収益認識

インターネットを通じてゲームソフト販売するケースは、市場販売目的のソフトウェア取引に該当します。

インターネット上のサーバーに制作したソフトウェアをアップロードし、それをユーザーがダウンロードすることで課金される仕組みです。収益認識については、手段や課金のタイミングによって異なります。

◆アプリケーションの購入による課金の場合
ユーザーがアプリをダウンロードした時点で課金され、そこで収益認識が行われます。

◆定額課金の場合
定額課金の場合は、一回限りになるアプリケーション購入による課金とは異なり、月額使用料の支払いなどにより、定期的な収益を見込めるのがメリットです。収益認識の基準については、バンダイナムコホールディングスのように会計基準を開示している企業がある為、そこで確認出来ます。

◆アイテム販売による課金の場合
アイテムの販売による課金は、運営会社のサーバーにアイテムを取得した時点の情報が記録されることで、収益が認識される仕組みです。また、オンラインゲームでは、アイテムをダウンロードして課金が完了した時点で、収益の認識が行われます。

他に、広告収入やロイヤリティ収入など、ゲームソフト販売に絡む収益認識には様々な基準が付随する為、それらの判断についてはIT企業の税務に強い税理士にご相談することをお薦めします。

この記事を書いたプロ

辻村登志子

シニア世代の起業を支援する会計の専門家

辻村登志子(辻村会計事務所)

Share

辻村登志子プロのコンテンツ

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ大阪
  3. 大阪の法律関連
  4. 大阪の申請代行
  5. 辻村登志子
  6. コラム一覧
  7. 【IT企業】ゲームソフト販売の税務

© My Best Pro