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【小論文過去問から読み解こう】大学入試・看護学部小論文出題事例①~「時間への意識の変革」~

2013年5月10日 公開 / 2024年2月3日更新

テーマ:小論文の過去問について

コラムカテゴリ:スクール・習い事

オフィスカタリスト@大阪の角野裕美(カドノヒロミ)です( ..)φ

今日は、小論文過去問の中から、看護学部のものを取り上げてみます。
テーマは、「日本人の時間意識」について、です。


えっ?看護学部で、なぜこのようなテーマが出るの?と思われましたか?
もし、そう思われたのなら、よりテーマを深堀りしてみましょう。

確かに、医学部系看護学科なら、まずはなにより「医学や医療」に関することが問われると思いますよね?
「インフォームドコンセント」や「終末期医療」、「患者と看護師との関わり方」というのは、頻出のものであるのは事実です。
ただ、より俯瞰的に捉えると、医療の現場でなによりも相手とするのは、「人間、人」だということです。だからこそ、いろいろなことが目まぐるしく変容していく現代社会において、「人間、人」に関わってくる社会の「問題や考えるべき点」が問われるワケです(-"-)

……となると、今回のこのテーマが出されるというのも、うなずけるのではないでしょうか。「時間の意識」がどう変わってきているのかを考えさせることは、人の在り様を考えることだということ。






では、一緒に考えてみましょう。
そもそもは、「時間」という意識を持てるようになったのは、「時計」という物の発達であり普及からです。そこには、時間通りに放映されるテレビやラジオの普及もあるのではないでしょうか。
時間を持つ、ということは、それだけ時間に対する意識も高まるし、きちんとできていないことへの焦り、ひいては、“せっかち度を上げる”ことにもつながっていったのでしょう。

さらに進み、現代社会では、パソコンや携帯電話、スマートフォンという新しい機器が生活の中に入り込んだことで、時間への意識は変容しています。


皆さん、いかがですか?ご自分に照らし合わせてみてくださいね。
…そうです、「いつでも、どこででも」というモバイル(携帯できること)が当たり前となった今では、ちょっと電話が繋がらなかったり、インターネット回線が繋がらなかったりすると、意味なく!?イライラしたりしません?“せっかち度”も、めちゃくちゃ、上がってきていますよね?

メールではより顕著で、「私が送ったメールやのに…。返事、遅いッ!!!(-_-)/~~~!イライラするぅ~(;一_一)」といったことは、特に中高生の方が、「クイックレスポンス」にこだわることにつながっていますよね。「遅かったら、意味ないねん!とにかく、まずは、即レスやねんッ!!!」的な。

もちろん、モバイルだからこそ、「いつでも、どこででも」繋がるということなので、待ち合わせ時間や場所に寛容にはなってきています。
「ま、だいたいこれくらいの時間に、あの辺の場所でね。会われへんかったら、また連絡して~。」的な、ゆるゆるな感じです。
テレビ放送も、数十年!?前のように「その時に見ないと、もう見られへん!}というのではありません。録画を好きな時にし、予約も好きな時に出来る。モバイル機器にテレビアプリがあれば、もちろん見ることが出来…、といった、これまたゆるさ、です。
これらは、一見便利ではありますが、どんどんどんどん、時間に対する「厳密さ」ということは、なくなっていきそうで、心配です(^_^.)


これらとは逆に、こと公共交通の時間に対しては、とても厳しい観念を持っていますよね。
とある国では、列車の時刻表など必要ない、なぜならいつ電車が到着するのかなんて、決まっていないから、ということもあるようです。
しかしながら、日本人は違います。
電車の遅延が当たり前な外国人から見ると、時刻表通り、時間を守って正確に発着する電車を運行する日本は、素晴らしいということになります。
ただし、それを追い求め、合理的に効率的に物事を突き詰めることで、大きな事故へとつながった経験もあるわけです。
特に、生命にかかわる交通機関では、安全性が第一ということが、より求められているのは、ここからです。
ちなみに、だからこそ、そのような社会の安全を学問として取り組むべき学部学科が創設もされるわけ、です。社会の問題が反映されるということ、ですね。






ご自分も、現代の日本社会に生きる一人の人として、「時間への意識」がどうあるのか、考えてみませんか?
そして、それらが、いかに「人の在り方をかえていくのか」
看護学部を志望するのなら、「便利さだけではない、人への悪影響はないのだろうか?」をそして、「では、その問題点を、どうしていくと解決、あるいは望ましいものにできるのか?」というところまで、考えておきましょう。
それがそのまま、「小論文」や「面接での受け答え」に生かすことが出来ますよ。

このことは、また後日のコラムで…<m(__)m>
心を込めて…( ..)φ__hiromi KADONO

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https://twitter.com/hiromi_kadono

この記事を書いたプロ

角野裕美

小論文指導と自己表現・進路アドバイスの専門家

角野裕美(Office Catalyst(オフィス・カタリスト))

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