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谷光高

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谷光高(たにみつたか) / ゴルフ場経営者

新有馬開発株式会社(有馬カンツリー倶楽部)

コラム

ゴルフコースにある様々な形状のバンカー

2015年1月7日 公開 / 2019年1月2日更新

テーマ:ゴルフコースの管理や設計などの知識

コラムカテゴリ:趣味

前回は、ゴルフコースの設計上、パッティンググリーンの様々な形状によっての名称をご紹介しましたが、知らない名前ばかりでしたし、初めて知る形状もありました。

次に興味が湧いたのはバンカー。
バンカーの形にも、芝床(ソッド)を積み上げて壁にしているバンカーや、枕木を使ったバンカー、池とつなげた通称「渚バンカー」 、そして「アリソン・バンカー」など、いろいろあることを思い出しました。

このなかで「アリソン・バンカー(ALISON’S BUNKER)」という呼び名は、「深いバンカー」の代名詞として定着していますが、これは形状や種類のことではなく、日本でのみ通用するプレーヤー視点でいうところの「深いバンカー」の総称のようです。

ちなみに「アリソン・バンカー」の「アリソン」とは、イギリス人ゴルフコース設計家のチャールズ・ヒュー・アリソンのことです。アリソンは1930年に来日し、当時建設中だった静岡県の川名ホテルゴルフコース(富士コース)の全面改修を手がけたのち、兵庫県の名門廣野ゴルフ倶楽部を設計したことで有名です。

アリソンの設計した川奈ホテルゴルフコースのバンカーが非常に深く、アゴがせり出していて難しかったこと、また、その後設計された多くのコースでこのバンカーのスタイルが模倣されたことから、敬愛と畏怖を込めて、深いバンカーのことを「アリソン・バンカー」と呼ぶようになったそうです。

「アリソン・バンカー」はさておき、各種バンカーの形状と名称について、今回も「ゴルフコース好奇心」(マサ・ニシジマ著)という書籍から紹介していきます。
バンカ種類

グラスフェースド・バンカー(GRASS FACED BUNKER)

壁の半分以上に芝を貼り付ける手法で、多くのコースで見られます。砂をせり上げていない分、凸凹のない地形ではプレールートからはっきり確認できない例が多いバンカーです。

サンドフェースド・バンカー(SAND FACED BUNKER)

バンカー斜面に砂がせり上がり、エッジは芝で覆われる形状のバンカー。林間地や高地にあるコースでは、起伏の凸凹を利用したクロスバンカー(フェアウェイバンカー)としてもよく用いられています。コース設計においては、「バンカーの古典的スタイル」と考えられています。

バルクヘッデッド(枕木)・バンカー(BULKHEADED BUNKER)

イギリスのリンクスコースで、バンカーの壁の風化を防ぐ意味で鉄道の枕木(バルクヘッデッド)が用いられ、この名称となりました。

ポット・バンカー(POT BUNKER)

スコットランドのリンクス地帯において、動物が掘った穴が風雨により自然に大きくなっていったバンカーのことを指し、ポットのような形状をしていることからこの名称がつきました。現代はグラスフェースド系が多く見られますが、バンカーの砂面がフラットではないのが特徴です。

ソッドウォール・バンカー(SOD WALL BUNKER)

バンカーの壁に芝土(ソッド)を重ねたスタイル。バンカーの風化を防ぐ手段として造られました。イギリスやアイルランドのオールドリンクスには必ず見られるバンカーで、リンクスコースに相応しい風貌と言われています。現在でも、あえてこの手法でバンカーをつくるコースもありますが、作業には大変な手間と時間が掛かります。
バンカー

ベースボールグラブ・サンドトラップ(BASEBALL GLOVE SANDS TRAP)

野球のグローブのような形をしたサンドトラップ。アメリカから生まれた形状です。
アメリカではバンカーのことをサンドトラップ(砂の罠)と呼ばれることもありますが、スコットランドをはじめとするイギリスでは決してこの呼び方はしません。
バンカーの名の由来

ビーチ・バンカー(BEACH BUNKER)

水際に造られ、日本では「渚バンカー」と呼ばれることが多いバンカー。ティーやプレーゾーンから美観を見せるために配置されています。グリーンと池の水際との境界線に配置し、果敢に攻めるアプローチショットの救済処置、またはペナルティーの一つとしているコースも多いのが特徴です。

グラス・バンカー(GRASS BUNKER)

リンクスコースの砂丘の窪みにできた深いラフ、またはバンカーであったものを埋めてラフにしたもので、正式にはバンカーと呼びには相応しくありません。バンカーとはいえ、ルール上はラフと同じ扱いなので、ソールしても違反にはなりません。

ハモック・バンカー(HUMMOCK BUNKER)

バンカー内に芝のマウンド(ハモック)が点在するスタイルで、リンクスコースの砂丘斜面にある自然の形を真似て造られ、人工的な美観要素が強いバンカーとなっています。
バンカー
日本のゴルフ場にもその地形や造られた年代、または設計家の意向によって、様々なバンカーの形状が存在します。
ゴルファーにとってバンカーは、誰しも大嫌いなハザードですが、それぞれのバンカーの特徴を楽しむゆとりも持ちたいものですね。
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