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伊藤宏樹

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伊藤宏樹(いとうひろき) / 薬剤師

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コラム

流産や中絶後の体調不良や不妊症は水子の霊ではなく「瘀血(おけつ)」が原因では?

2017年5月2日 公開 / 2023年9月4日更新

テーマ:漢方相談

コラムカテゴリ:医療・病院

いつもコラムをご覧くださり誠にありがとうございます。
石川県白山市みずほ 「漢方専門 福の樹薬局」 薬剤師の伊藤です。

「水子の霊」ってご存知ですか?生まれてくることが出来ずに体内で命を落としたり落とさざるえなかったりしてしまった胎児の霊ことを云います。「水子供養」ってお寺などで見かけますよね。

「水子供養をしないと祟りが起こりますよ!」とか、「その病気の原因には水子の霊がついています」なんて言われると目に見えない分、不安になったり細かいアクシデントまで「やっぱり水子の霊かも・・・・」って思ってしまうかもしれませんよね。

もちろん供養は大切なのかもしれませんが、一番大切なことは自分の身体と心を大事にすることが一番の供養なんだと思っています。それが、この世に生きて出られなかった霊への償いなんだと・・・

さて、一般的に水子の霊が憑くとこのような体調不良が生じやすいといわれています。
・だるさ
・眠気や不眠
・頭痛やめまい
・肩こりや背中のこわばり
・うつ症状
・自律神経失調症
・腰痛
・不妊症(婦人科疾患)
などが代表的なのではないでしょうか?
生理痛

私は霊を信じないわけではありません(むしろ信じている方です)が、これらの症状をすべて「水子の霊」に丸投げするのは水子の霊に失礼だと思っています。

漢方の考え方


 流産や中絶などで堕胎を行うと、多かれ少なかれ処置部に傷や残骸が残ります。本来は次の月経で洗い流されて新しい細胞が修復していくのですが、堕胎したことでのストレスや食生活の乱れが原因により、それに伴う血行不良が生じると子宮内の自浄作用が低下して、いつまでも傷や残骸が残ってしまい慢性的な小さい炎症を引き起こしてしまいます。これを漢方では「瘀血(おけつ)」と考えます。これがその人の弱い部分に生じると病気が発生すると考えます。
 この症状が堕胎後すぐに出る方も見えますが、20年30年後に出る場合もあります。このような場合「堕胎」が原因とは思いつかないですし、病院での検査では異常は見つからないので「霊の仕業」と考えてしまうのではないのでしょうか?
うつ症状

400年以上前に書かれた漢方の医書「万病回春(まんびょうかいしゅん)」にはすでにこれらによって引き起こされる症状の治し方が書かれています。日本では豊臣秀吉がまだ生きていた頃ですね。
漢方ではこれらの原因を「瘀血(おけつ)」と捉えて、症状と体質に合った漢方薬を用います。場合によっては鍼や灸により刺激することで血流を良くする場合もあります。

「瘀血」が治っていく際に一時的な不正出血や血の塊を排出する場合がありますが、これらは子宮が浄化される兆候でもありますのでびっくりして中止せずにその後も2~3回の生理の状態を見てみると良いですよ。
その後の生理できれいな出血があって体調も良くなっているのであれば漢方治療も卒業できると思います。
子宝希望の場合は妊娠しても服用できる「安胎薬」という種類の漢方薬がありますので、これによりお腹の中の赤ちゃんとお母さんの身体を守ることが出来ますよ。
マタニティ

その他にも血虚(血の働きの不足)や気滞(気の滞り)、水毒(体液の滞り)なども複雑に絡んでいることがありますのでこれらを見極めたうえで適切な漢方薬を選ぶ必要があります。

漢方相談をご希望される方はお気軽に漢方専門 福の樹薬局へお問い合わせください。(ご予約にご協力ください)
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