コラム
太平洋の奇跡
2011年2月18日
太平洋の奇跡
~フォックスと呼ばれた男~ を観た。
あんなふうに 亡くなった人達がたくさんいた。
あんなふうに 戦った人達がたくさんいた。
あんなふうに 生き抜いた人達がいた。
今から65年ほど前。
たまたま 生まれた時代が ほんの少し違ったというだけ。
本当に、ほんの少ししか違わない。
それだけで、全く違った人生を生きた人達。
映画館には、60代、70代と思われる方(特に男性)がとても多かった。
開演前、「兄がサイパンで戦死して~」と話す声が聞こえてきたりもした。
この映画の原作者はアメリカ人。
日本人が、あまりにも何も知らないことを疑問に思い、
この実話を伝えるべく出版し、映画化への道を模索していたそう。
私も、知らない。
知らないではイケナイと思いながら。
仕事で出会う方達から
戦争体験を聞くことがよくある。
シベリア抑留されていたという方
英語を話せた叔父が、スパイ容疑で日本軍に殺されたという方。
満州から引き揚げてきた方
・・・・・他にもたくさんたくさん。
映画を見ても話を聞いても、本当には決してわかることは無い。
それでも、今のこの暮らしが当り前ではないこと
決して忘れてはいけない、そのことだけは、痛切に思った。
わかりやすい勧善懲悪のような、
絶対的な悪をやっつけるための正義の戦いが、戦争なのではない。
何のために戦うのか。
「軍国主義教育」だけがつくりあげたものではない、
その当時の日本人の心の在り方、魂の共鳴。
いいとか悪いとかではなくて。
映画にはアメリカ側の視点も織り込まれている。
日本人の在り方を理解し、
なんとか戦いをやめて、投降させようと奔走するアメリカ軍の大尉がいる。
すごいことだと思った。
そう、どんな時も、どんな状況でも、
人そのものの在り方なのだとも感じた。
(もちろんそれを上回る状況ではあるけれど。)
終わって、出口で
「もう意味わからん~って感じ」
「わけわからんで眠かった」・・・というきゃぴきゃぴした話し声が聞こえた。
なんともいえない感情が 沸き起こった。
今を生きている者の責任。
深く、刺さる。
関連するコラム
- 天使の~間取り 2010-07-28
- 映画 「ペコロスの 母に会いに行く」 2013-11-23
- 干物女 2010-07-12
- シアワセの秘訣 2016-05-13
- 苦しみとともに 2013-12-18
コラムのテーマ一覧
カテゴリから記事を探す
坂部智子プロへの
お問い合わせ
マイベストプロを見た
と言うとスムーズです
勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。