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春藤泰之

接遇向上に取り組む歯科治療のプロ

春藤泰之(しゅんどうやすゆき) / 歯科医

医療法人社団春藤歯科医院

コラム

治らない肩こり首こりの意外な原因はTCH(歯列接触癖)かもしれません

2015年9月1日

コラムカテゴリ:医療・病院

歯のトラブルTCH(歯列接触癖)って何ですか?


顎関節症患者の70~80%が、TCH(歯列接触癖)を持っていると言われています。
TCHとは、上下の歯を接触させてしまう癖のことを言います。

人はリラックスした状態の時、上下の歯は当たることはなく、1~3mmの隙間(安静空隙)が空いています。
そして、唇は閉じており、舌は上顎の粘膜に触れていて、鼻呼吸をしています。
1日の中で、上下の歯が接触する時間は17.5分とされていますが、それが20分以上になるとTCHを持っていることになります。

TCHを持っているとどんな問題があるのでしょうか。



人は、上下の歯の接触時間が長くなるほど、歯の表面にある歯根膜と呼ばれる神経を圧迫し、血流障害を起こしやすくなります。
それにより、知覚過敏症状が現れ、歯周組織がダメージを受ければ、歯並びや噛みあわせの不具合などが出てきます。
放置すれば、歯周病が悪化することもありますし、顎関節が圧迫され血流障害が起こり、肩こりや首こり、顎の痛み、頭痛、腕の痺れ、歯痛などさまざまなトラブルを引き起こす原因となります。

TCHは日中のこんなことから起こっています


上下の歯を当てる癖と言うと、夜寝ている間の歯ぎしりやくいしばりが思い浮かびますが、TCHは昼間の起きている間、色々な活動をしている中で起こっています。

料理をしている時、スマホやゲームに没頭している時、楽器を演奏している時、つい「くっ」と口に力が入っていませんか。
また、うつ伏せになって上体を起こしテレビを見たり、本を読む動作もTCHが起こりやすい姿勢です。

TCHは、同じ姿勢や動作を続けることで、常態化しやすくなります。
普段私たちが何気なくしていることが、肩こりや首こり、頭痛、腰痛などが慢性化する原因になってしまうなんてびっくりですよね。

TCHの対処法は本人の自覚と正しい舌の位置をキープすること
肩こりや首のこりが治らない時は、TCHの対処法を実践してみましょう。
方法はとても簡単で、自分で意識して上下の歯をくっつけないようにすることと、舌を上顎の粘膜に軽くつけた状態にすることです。

パソコンやキッチンの目のつくところに「歯を離してリラックス」というようなメモ書きを貼って置きます。

メモ書きは、5分以上動かずにいる場所全てに貼り付けます。
メモに気づいたら息を吐いて体の力を抜き、上下の歯を離して舌も力を抜くといった動作を続けることで、だんだんとTCHが改善されていきます。

夜寝る時も、同じように脱力するように意識します。
枕が無いほうが頭が上を向くので、歯が離れやすくなります。
上手く行かない時は、マウスピースを装着します。

歯並びのトラブルや顎関節症の治療、TCHかどうかの診断も当院にお気軽にお問い合わせ下さい。

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