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コラム

ハイスペックなクラブでも、振り切れないとマイナスになる場合があります

ゴルフクラブ

2018年7月6日 / 2018年9月21日更新

飛び系アイアンで打ったら、本当に飛ぶの?
自分に合っていなかったら、どんなに飛ぶと噂のクラブでも却ってマイナスになることもありますよ。

Mさんは御年76歳。155センチほどの小柄な男性です。
特にスポーツ歴はなく、お仕事もデスクワークばかりとのことで、筋力がある方ではありません。
うちの生徒さんのお知り合いで、現役をリタイアしたのでまたゴルフを復活させたいとのことでご来店になりました。
(以下私は私。Mは生徒さんです)

M『先生、わし飛ばんのですわ。なんとかもっと飛ばしたいんですけどなぁ。』
私『クラブを拝見してもいいですか?』
M『どうぞ、どうぞ。』
見せて頂くと、某有名メーカーのいわゆる飛び系アイアンです。
スペック的には、7番アイアンのロフトが30度。長さは37インチ。
シャフトの重量が59グラムのRフレックスです。
普通なら5番アイアン並みに飛ぶはずのスペックです。
私『Mさん、これで飛ばないんですか?』
M『まぁブランクが長かったゆうのもあるとは思いますけどな。それにしても最新の『飛ぶ』いうアイアンを買ぅたわりには全然なんですわ。』
Mさんにウォーミングアップしてもらってから、シミュレーターで打って頂きました。
どのクラブでも結構ですと申し上げたら、7番でとおっしゃったので7番アイアンです。
私『平均してキャリーが80ヤードでランが25ヤードの105ですか・・・確かに飛んでいませんね。』
実際105ヤードが悪いのか?といえば、相対的なものですから、一概には言えません。
しかし、あまりにもキャリー対ランがきつすぎます。
私『スピン量が少なすぎますね?』
M『え?スピンが少なかったらよぅ飛ぶんちゃいますのか?』
私『はい、確かに多すぎるスピン量は、ボールが高く上がってしまって距離が出ません。しかし、極端に少ないと、却って球に浮力がつかずドロップしてしまうんですよ。』
M『へぇ!本にはスピン量が少ないほどよぅ飛ぶって書いてありましたけどな。違うんでっか?』
私『ケースバイケースですね。ドライバーだってスピン量が少なすぎると、却って飛ばないですよ。』
M『ふぅん。そうなんかなぁ?』
紹介頂いた生徒さんからの情報では、Mさんは研究者肌の方で、気になることは自分でもとことん調べないと気が済まない気性だそうです。
その生徒さん曰く『頑固で自説を曲げないところがありますし、懐疑的で気になったらとことん質問してきますのでね、先生にご迷惑をおかけしないか?とも思ったんですが、きっと先生なら彼を上手くしてくださるだろうと思ってご紹介しました。』とのことでした。
実は私、こんな頑固で懐疑的な方って嫌いじゃありません(笑)
そういう方ほど、自分が納得できる答えを出してくれたら、『うん!よし!』となられる方が多いからです。
またそういう方の質問に、充分にお答えできないようではレッスンのプロとしても、クラブのプロとしても情けないではないですか(笑)
そこで私は一つの賭けに出ました。
もし私の見立てが間違っていたら、私は信用を落としますし、『あの先生、偉そうに言うても何も知らんで!』と言われかねません。
私『Mさん。チョッとこっちを打ってみてください。』
私は店の試打クラブをお渡ししました。
M『ちょっと短いですな?』
私『はい。それにロフトも寝ています。クラブの詳細については、打たれてからご説明しますね。』
M『そうでっか。ほな打ってみますわ。』
Mさん、5発ほど打たれました。
M『なんでんのこれ?! さっきよりよぅ飛んでますやんか?!』
平均で、キャリーが100ヤード。ランが15ヤードでトータル115ヤード。
MAXでは、キャリーだけで120飛んだのもありました。
私『このクラブですが、ロフトは36度。お持ちのクラブより1番手半寝ています。長さも半インチ短いです。そしてシャフト重量は44グラムのR2フレックスです。』
M『そんなん飛ばへんはずですやん。なんで最新のクラブより飛びますのんや?』
Mさん、訳が分からないという顔で呆れています。
私『このクラブには魔法の粉がかけてあります。』
M『え? なんですて?』
私『いや、冗談です。すみません(笑) 実は先ほどとスピン量を比べてみて頂きたいんですが。』
私は先ほど打たれたデータと、今のデータを紙に書いたものをお見せしました。
M『後からの方が1800回転も多いですな。』
私『そうなんです。スピン量が増えたおかげで、浮力が持続でき、滞空時間の長い球になったんですね。だからキャリーが伸びました。』
M『これはロフトだけの問題ですかな?』
私『いえ、Mさんのクラブのシャフトは、Mさんには少し長すぎて振り切れなかったんですね。長いのでアップライト過ぎ、Mさんの身長では芯に当てるのが難しいというのもあります。またRではありますが、Mさんには少し硬かったですし重過ぎました。だからしなり切らない上に、戻りが速すぎてインパクトの瞬間に、パチン!と弾いてしまってコンタクトの時間が短すぎて、スピン量が充分には出なかったのでしょう。こちらのクラブは、ロフトも寝ていますから元々の上がり方が高いですし、短いし15グラム軽いので振り切れました。ライ角が合っていたこともある上に、フレックスも軟らかいのでしなりが十分に活かせました。』
M『不思議じゃなぁ? ロフトが立っていて、長い方が飛ぶというのは納得できるけど、短くて寝ている方が現実には飛ぶんやから。』
私『要は市販品というのは、『最大多数の最大幸福を求めている』ということなんです。』
M『ベンサムやったかな?(笑)』
私『良くご存知ですね。はい、ジェレミ・ベンサムが功利主義を謳った中での言葉だと記憶しています。間違っていたらすみません(笑)』
M『つまり、個々人にはそれぞれに合ったクラブがあるが、市販品は一番売れそうなところをターゲットにしとる。だからわしには合わんかった。そういうことか?』
さすがに学究肌の方です。理解が早い!
私『その通りです。確かにこのクラブは従来のスペックよりも飛ぶように設計されています。しかし、Mさんの場合は『ロフトが立ちすぎ』、『長過ぎ』、『重過ぎ』、『硬すぎ』の4重苦で、逆に飛距離を落としていました。』
M『ロフトが立っとるから飛ぶと思たけど、逆に球を上げるだけのパワーがないと飛ばへんいうことやな。それと振り切れるスペックが大事やっちゅうことか。』
私『おっしゃる通りです。振り切れなければ、どれほど飛ぶように考えられたクラブを使っても、そのポテンシャルを発揮することはできません。聞かれたことはありませんか?ドライバーよりフェアウェイウッドの方が良く飛ぶ方の話を。』
M『そりゃわしのことや!(笑) わし、ドライバーより5番ウッドの方良ぅ飛びまんねん。』
思わず顔を見合わせて、笑ってしまいました。


まとめ
飛び系のクラブだからといって、自分に合わないスペックの場合却って飛ばないこともある。
振り切れる長さ、重さ、硬さでないと、飛ばない。
ロフトが立っていると、いくら低重心化して球を上げやすくなっているといっても、パワー不足だとドロップする危険がある。
自分の体力や技量が、最大公約数にあるのかどうかの判断が必要です。
それらをきちんと調べ、間違いないクラブ選びをするためには、以前のコラム『10万本試打できますか?』をご参照ください。

オーシャンゴルフアカデミーでは、クラブの診断もやっております。
スウィングだけでなく、クラブ選びにもご利用くださいね。

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