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ゴルフにおけるプロとアマの差って何でしょう?

2018年7月10日 公開 / 2021年3月1日更新

テーマ:レッスン

コラムカテゴリ:スクール・習い事

ゴルフにおけるプロとアマの違いとは?
自分に何ができて何ができないか?を、良く分かっていますか?
それを分かっているか?分かっていないか?がプロとアマの違いです。

良く生徒さんから、『プロとアマの一番大きな違いって何ですか?』と訊かれます。
もちろんお金が絡むのがプロで・・・というのはあるのですが、それは置いておきましょう。
技術的なことで一番大きな違いは何か?といえば、『自分の技量で、できることとできないことの見極めの差』だと思います。
多くの生徒さんを見ていると、『それは無理じゃないかな?』という選択をされます。
もちろん生徒さんのレベルも千差万別ですから、これから述べるのは『100を切りたい』とか、『90を切りたいけど、まだ叶わない』というレベルの方を指してのことと思ってください。

例えば残り150ヤードで、前方80ヤード付近に高さ15メートルの樹があるとします。
このスタイミーになっている樹を避けて、グリーンに向かって打つ方法は幾つかあります。
フックで樹の右から廻す。スライスで樹の左から廻す。樹の上を超す。
すぐに思いつくのはこの3つくらいでしょうか。
このうち、フックとスライスには、球の高さをどうするか?も関係してきます。
樹の上を超すには、通常にはない高さのコントロールが必要です、
さてここで生徒さんの選択です。
たいていが、、この3つのどれかを選んでしまうんですよね。
でも、この樹のよけ方にはもう一つあるんです。
樹を避けて、枝に当たらない高さしか出ないクラブでグリーン手前の左右どちらかに逃げる。
つまり強引に2オンを狙うのではなく、確実に3オンでいくという逃げ方です。
上記の3つは、あくまでもグリーンを捉えるための方法です。
つまりバーディーを狙って、ダメでもパーは獲りたい。
そのレベルの選択なんですね。
先日の女子ツアーで、申ジエ選手がプレーオフで樹越えを選択し、樹に捕まりましたが、あれは『この1打!』というショットだからです。
もちろん申ジエ選手も、自分のパワーではギリギリだということは百も承知だったしょうが、あの場面では、そのショットを打たざるを得ないからこその選択でした。
優勝された鈴木愛選手は、既にグリーンに乗せていましたから、このホールで引き分けに持ち込むためにはどうしても打たざるを得ない1打だったのです。
つまり自分の技量を見極めたうえで、イチかバチかだけどやらざるを得ないシチュエーションだったのです。
しかし、100や90を切りたいレベルの方が、この3つのどれかを選ぶのはギャンブル的な要素が強いと言わざるを得ないでしょう。
右からフック。もしフックがかからなければプッシュアウトです。
左からスライス。もしスライスがかからなければ、単なる引っかけです。
樹の上を超す。もし高さが出ず、樹を越えなければ、根元に落ちて下手をすればアンプレヤブルです。
つまり曲げたり、極度に上げたり、逆に低く打とうとするというのは結構リスクを伴う技だということなんです。
極論してしまえば、『標準の高さで真っすぐ打つ』のが一番簡単なんですよ(笑)
ご自分の球の高さを把握していないと、上記の3つは打てないのです。
というより『それを選択してはいけない』のです。

さて上記のシチュエーションで、右は隣のホールでOB。
左は比較的広いですが、グリーン手前に高さのある深いバンカーがあり、しかもピンまでは距離がある。
そんなロケーションを考えて下さい。
私が思っているのは、三木よかわカントリー倶楽部の中コース、6番ホール(右グリーン)です。
ここの右バンカーの先にボールがあり、残りが150ヤード。
スタイミーになっている樹までが80ヤード。
樹の高さが約15メートル。
このホールを廻られた経験のある方なら、具体的なイメージが浮かぶと思います。
さて、ここで私ならどうするか?といえば、樹の上を超すを選びます。
普通なら、打ち上げを入れても150ヤードですから7番アイアンですが、樹の上を超すという特別な高さを要するショットになります。
そうすると、7番では高さで距離を喰われて届かないので6番アイアンで打つことになりますが、通常の6番の高さで打ったのでは樹のてっぺんに捕まるのです。
距離的には7番だが、高く上げるため7番では届かない。
その高さを出しながら、届かせるには6番アイアンが必要。
つまり普段通りのスウィングでは、届かないか樹に捕まるのです。
だから6番で通常以上の高さを出して打つ技術が必要なのです。
ではなぜ左からスライスで廻すを選ばないのか?といえば、この中コース6番ホールは、セカンド以降が打ち上げになっており、低く出る球ではバンカーに捕まるからです。
低く左に打ち出し、右に曲げるローフェードは私の得意技ですが、ここでは危険が大きいので避けます。

このように、私は自分の球の高さを把握していますから、6番アイアンで樹を超えるショットが選択できますし、ローフェードは得意ですが高さが出ませんから、バンカーに捕まる可能性が大きいので選択しません。
できることとできないことの見極めとは、具体的に言えばこのようなことです。
ではどうすればいいのでしょうか?
樹がスタイミーになっているということは、いわばハザードに入ったようなものだと思ってください。
池に入ったら、1打の罰を付加してプレーしますよね?
同じで、無理にグリーンを狙うのではなく、1打左右に逃げて3打目でグリーンを狙う。
このホールなら、広い左サイドに出して正面からグリーンを狙ういます。
そうすれば、上手く寄ってくれればパーが拾えるかもしれませんし、3オン2パットのボギーなら十分狙えるはずです。
寄せワンを取りたい方のためのアプローチ講座でも言いましたが、無理をしないというのが1番です。
上記の私が選んだ『樹の上を超える』ショットも、得意とはいえ高さの面で難のあるローフェードよりも『安全策』を選んだ結果なのです。
何らかの難しいシチュエーションを前にして、『自分の技量で、ギリギリなんとかなる』は、そのシチュエーションから受けるプレッシャーなどを考えれば『無理な選択』である場合がほとんどだと思ってください。
通常でもギリギリなんとかなる程度なら、難しい場面では実力を十全に発揮することはほとんど不可能です。
そこで無理な選択をして失敗すると、今度はさらにそれを取り返そうとしてさらに無理なショットに挑戦し、ドツボにはまる。
そんな経験は、みんなしてきていると思います。
まるで博打で負けた時と同じですね?(笑)
次で取り返そう! 次はきっと勝てる! その悪循環で借金がかさんでゆく。
ゴルフの場合、お金の借金ではなくオーバーパーの数が増えてゆくということになります。
難しいシチュエーションを前にしたら、逃げるのは恥ずかしいことではありません。
どのルートが一番安全か?を、考えてプレーすることが借金を増やさない近道です。

まとめ
自分の中で『これはできる』は疑ってかかりましょう。
『当たり前のようにできること』が『何とかできること』とし、『ちょっと難しい』は『ほとんど無理!』と脳内変換しましょう。
『ギリギリいける!』は『まず100%無理!』で、やってしまえば借金地獄の入り口です。
1つの負けは素直に認め、安全に脱出できるルートを探してください。
借金は複利で利息がかさんできますよ(笑)

自分には何ができて何ができないのか?
これを自分で見極めるのは、大変難しいです。
プロに習い、レッスンでスウィングの癖と技量を確認してもらった上で、一緒にラウンドしてもらって『ここはこの選択がいいでしょうね』と見極めてもらいましょう。
オーシャンゴルフアカデミーでは、通常のレッスンの後にですが、ラウンドレッスンも行っております。
一度気軽にご相談くださいね。

この記事を書いたプロ

深田洋史

ゴルフレッスン&クラフトのプロ

深田洋史(Craftsman Golf Shop Ocean CLUB)

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