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TEX 二井原

英検1級取得者によるオンライン個別指導のプロ

TEX 二井原(てっくすにいはら) / 英語講師

英語パーソナルジム HIET(ヒート)/ High Intensity English Training

コラム

英検1級リーディング:正解率 90%取った勉強法 【長文読解編】

2023年11月1日 公開 / 2023年12月2日更新

テーマ:英検

コラムカテゴリ:スクール・習い事


本記事は独学・国内学習による
英検1級保持者が書きました。


久しぶりに受験した英検1級の成績返却がありました。
ライティングが得点率88%でした。
これに関しての戦略は先日コラムに書きました。
今回はリーディング対策で僕が実戦した勉強法です。
問1の語彙問題に関しては改めてコラムに書きます。
ここでは問1語彙問題は脇に置いて
【長文読解問題】に話題を絞ります。



【 正解率90%にする勉強法3選 】


Ⅰ. 正答選択肢は対応段落の概念化・抽象化!

Ⅰ. 正答選択肢は対応する段落の概念化・抽象化!
英検1級(準1級)の長文内容一致問題では、
その難しさは必ずしも英文の難度に起因しません。
選択肢が高度に抽象化されているため、
読めていても答が決まらない。
という現象が頻繁に起きるはずです。
英検では本文の該当箇所を語句・構文レベルで
書き換えるような正答選択肢の作成ではありません。
該当パラグラフの内容を概念化・抽象化して
選択肢が作られています。
このため、TOEIC のようにキーワードを
素早くピックアップする情報処理能力は
英検では求められていないと言えます。
これを踏まえて、具体的に問題を解く際に注意するのは、

選択肢主導ではなく自分主導で問題を解いていく!

ということです。具体的に見てみましょう。

① 選択肢4つの上に設問(リード)を読む
② 疑問詞・質問の核を頭に刻む
③ パラグラフ全体を読む
④ 選択肢を見る前にパラグラフの趣旨を 概念化する
⑤ 概念化した意味内容に合うものを選択肢から選ぶ

なお、該当パラグラフ内のキーワードに注意します。
しばしば間違い選択肢で餌として出現するからです。
正答選択肢は高度に抽象化されているので、
具体的過ぎるものは正解になりにくいと言えます。
最後の長い長文に関しては、
僕の場合は試行錯誤のうえ、英文のパラグラフ2個か3個
読み始めてから設問の1個目を見るやり方で確立しました。


次に『空所補充問題』です。
僕は空所補充もパラグラフ全体の概念を自力抽出する問題と捉えています。

① 空所を含むパラグラフを最後まで読む
② パラグラフ全体の内容を概念化する
③ 選択肢は未だ見ない
④ パラグラフ内容の一貫性から空所に要求される意味内容を抽出する
⑤ ピタッと合わなくとも最も近い選択肢を選ぶ

内容一致・空所補充共に選択肢に頼る前に
自分で正解の意味内容を捉えることで、
間違い選択肢に釣られなくなります。
選択肢に頼らない解き方は
一見すると負荷が上がるので、
抵抗があるとは思います。
多くの生徒さんに試したのですが、
この解き方で正答率が例外無く上がります。
なお、本番でも選択肢に頼らないという解き方には
メンタルの強さも必要になります。
僕自身、時間的に切迫すると選択肢依存に陥ります。
一度過去問で試してください。
行ける!
となったら方法論として確立するまで実戦練習
を繰り返すだけです。

Ⅱ. 日々の学習で英文を音速理解に昇華する!

日々の英語学習で意識したのは、
目にした全ての英文を、
音速理解・脳内音速処理に引き上げる事です。
そのため、同じ英文を何回も読む事もあります。
ちなみに僕は英検1級対策として
音読はほとんどしていません。
英文を読む際、脳内音声化していることは
あると思いますが。
日々の学習環境のほとんどは
電車の中、マクドナルド、図書館、カフェなどです。
なので音読はできないですね。
ただ、音読が推奨される場合その目的は
「音速理解とそれに伴う母国語干渉の排除」
だと理解しています。
よって
「音読」は必須ではないが「音速理解」
は絶対条件と考えます。


Ⅲ. 英作文TOPICを網羅する洋書を読破する!

21 Lessons for the 21st Century:
'Truly mind-expanding... Ultra-topical' Guardian
by Yuval Noah Harari

日本語訳は次のタイトルです。
21 Lessons ; 21世紀の人類のための21の思考 (河出文庫)
by ユヴァル・ノア・ハラリ
英検ライティング・面接のトピックをこの本が
完全にカバーしています。
英検問題作成者のネタ本と言いたいのではありません。
社会が抱える現在及び未来の課題を包括しているのです。
その必然的結果として英検で的中すると考えます。
英検ライティングTOPICの観点から以下検証してください。


Part I:
The technological challenge
Disillusionment: the end of history has been postponed
Work:
when you grow up, you might not have a job
Liberty:
big data is watching you
Equality:
those who own the data own the future
Part II:
The political challenge
Community:
humans have bodies
Civilization:
there is just one civilization in the world
Nationalism:
global problems need global answers
Religion:
God now serves the nation
Immigration:
some cultures might be better than others
Part III:
Despair and hope
Terrorism:
don't panic
War:
never underestimate human stupidity
Humility:
you are not the center of the world
God:
don't take the name of God in vain
Secularism:
acknowledge your shadow
Part IV:
Truth
Ignorance:
you know less than you think
Justice:
our sense of justice might be out of date
Post-truth:
some fake news lasts forever
Science fiction:
the future is not what you see in the movies
Part V:
Resilience
Education:
change is the only constant
Meaning:
life is not a story
Meditation:
just observe.

1 幻滅――先送りにされた「歴史の終わり」
2 雇用――あなたが大人になったときには、仕事がないかもしれない
3 自由――ビッグデータがあなたを見守っている
4 平等――データを制する者が未来を制する
5 コミュニティ――人間には身体がある
6 文明――世界にはたった一つの文明しかない
7 ナショナリズム――グローバルな問題はグローバルな答えを必要とする
8 宗教――今や神は国家に仕える
9 移民――文化にも良し悪しがあるかもしれない
10 テロ――パニックを起こすな
11 戦争――人間の愚かさをけっして過小評価してはならない
12 謙虚さ――あなたは世界の中心ではない
13 神――神の名をみだりに唱えてはならない
14 世俗主義――自らの陰の面を認めよ
15 無知――あなたは自分で思っているほど多くを知らない
16 正義――私たちの正義感は時代後れかもしれない
17 ポスト・トゥルース――いつまでも消えないフェイクニュースもある
18 SF――未来は映画で目にするものとは違う
19 教育――変化だけが唯一不変
20 意味――人生は物語ではない
21 瞑想――ひたすら観察せよ

この筆者は難解な語彙、技巧を凝らした言い回しを避けて、
平易な英語に高度な内容を落とし込む天才です。
英検準1級の英語力で心地よく読めます。
参考までに僕の実践したこの本の読み方を紹介します。

① 辞書は使わず、不明語は類推しながらどんどん読む
② 21のテーマは分断せず「1日1テーマ」で必ず読み切る
③ 読み終わった直後にそのテーマに関して脳内ライティング
④ 2次面接を想定して脳内1人ツッコミ、1人返答
⑤ 翌日に間髪入れずにオーディオブックで音声確認
⑥ amazon のコメントを用いて一人脳内ディベートを実施

ちなみに、オーディオブックの音源は違法
だと思いますが、youtube に落ちていました。
この本で人類が抱える課題に優しい英語で
深く考察しておくと2次面接のインタラクション
で差が生じます。
試験管の予期せぬ角度から深い理解に根差した
適格なレスポンスが可能になるのです。
典型的な教材模範回答でうんざりしている
試験管の表情にある種の緊張感を走るのです。
その瞬間に、
下手くそ英語の僕が試験管を精神的に
飲み込む感じになりました。
結果、2回目質問がより本質的に成ります。
そして、
質問が本質的に成れば成るほど
僕にとって有利になります。
なぜか。
Youtube などの発信では教材を軸とした
対策が一般的です。
21 Lessons for the 21st Century のような
深い洞察とは次元がまるで違うのです。
この本を読んでいる時点で
本質を捉えた問題意識が喚起されています。
その問題意識を超える質問は問われないので、
英語力の問題を棚上げすれば
「物足りない」
というのが本音です。
無論、英検の試験は英語力測定が目的です。
英語力が不要だと申しておりません。
自分の英語力を証明するために
「知識が必要だ!」
と言いたいのです。
僕自身は始めて英検1級ライティング・
2次面接の問題にアタックした際に
これを痛感したのです。
脳が無重力を彷徨うばかりで、
何も降って来ませんでした。
次の日はショックで寝込みました。
あまりの英語力の無さを受け入れられない。
でも全く話せない。

英語は今も下手くそですが、
本質的に現在、未来の社会が直面する課題に対して
向き合う経験が僕を試験で有利な立場にしてくれます。
それがなければ、
自分の拙い英語を引き出すことが出来ないのです。

そして、
対策教材の模範答案には
「被り問題」
が発生していると考えます。
特に2次面接で社会問題の解決策を問われた場合、
「受験生の返答被り」
が高い確率で発生しているのではないでしょうか。
あなたが必至で暗記しているそのフレーズは、
英検1級受験生が皆使っている
「あの本」
の模範回答ですよね。
ブロガー、Youtuber 達も実際に使った
「あの本」
ですよね。
それって受験生の発言内容がダダカブリ 。。。
試験管からは壮大な茶番劇
と見えるのではないでしょうか。
これがキチンと指摘されることが
僕の知る限り無いために、
問題提起しておきます。
最後まで読んで頂いて有難うございます。
今後も英語学習に関わる情報、体験談を発信していきます。

この記事を書いたプロ

TEX 二井原

英検1級取得者によるオンライン個別指導のプロ

TEX 二井原(英語パーソナルジム HIET(ヒート)/ High Intensity English Training)

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