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身寄りのない孤独死の葬儀はどのように行われる?

2017年8月29日

テーマ:孤独死と特殊清掃

コラムカテゴリ:くらし

コラムキーワード: お墓退職 手続き

身寄りがない方の孤独死で、ご遺体の腐敗が進行している場合、葬儀を行わず火葬だけを行う場合があります。

火葬後、引き取る人がいないお骨については、自治体が保管することがあります。
保管期間は5年程度であることが多く、保管期間が過ぎたお骨は合葬施設に埋葬されます。

ただ、ご自分が生きているうちに葬儀や死後の手続きについて依頼できる死後事務委任契約を結べば、死亡届の提出をはじめ、戸籍関係、勤務先企業・機関の退職、病院・医療施設の退院・退所、葬儀・火葬、埋葬・散骨などを行ってもらえます。
また、生前に契約できる永代供養墓もあり、合葬された後に半永久的に供養や管理が行なわれます。

永代供養墓は、公営、民営、寺院墓地などが経営しており、利用料金を支払った後は、管理費は必要ないことが多いです。

孤独死でご遺体が発見されてから葬儀までの流れ

一人暮らし世帯が増え、孤独死についてもニュースなどで話題なることが多くなりました。

孤独死については明確に定義されておりませんが、誰にも看取られずに自宅で亡くなった場合を孤独死と呼んでいます。

自宅でひとりで亡くなってしまった場合と病院で亡くなられた場合とでは、葬儀までの流れが異なるのでご紹介します。

孤独死の場合の多くは、遺体を発見した人の通報で駆けつけた警察によって死亡の確認、現場もしくは警察署で、検死が行なわれ死因が特定されます。

その後、亡くなられた方のご遺族に警察から連絡が届き、ご遺族がご遺体の確認を行い、葬儀社などに葬儀を依頼します。

なお、ご遺体が発見されるまでに時間がかかり腐敗が進んでいる場合は、衛生上の観点から火葬を行ったあとに葬儀をすることになります。

注意していただきたい点として、発見した方はご遺体に触れないようにしてください。
季節によっては腐敗の進行が速く、ご遺体に触れると感染症を引き起こす恐れがあります。

孤独死して身寄りがない場合の葬儀やお骨の行方

身寄りがない方が孤独死した場合は、死亡地の自治体によって火葬がとり行われることになります。

火葬後、引き取り手がいないお骨を自治体が保管することがありますが、期間は5年程度であることが多いようです。そして、保管期間が過ぎたお骨は合葬されます。

自治体が火葬などに必要な費用を一旦立て替え、亡くなられた方に遺産がある場合、これらの費用に充当し、それでも費用が足りない場合は自治体が負担します。

死後の葬儀などを家族以外に依頼する方法

身寄りのない方は、自分が亡くなったあと、葬儀などで迷惑をかけるのは申し訳ないと思うかもしれません。

ご自分が生きているうちに、葬儀や死後の手続きについて依頼できる死後事務委任契約があり、弁護士、司法書士、行政書士と契約することができます。

この契約で実施してもらえる主な内容は、死亡届の提出をはじめ、戸籍関係、勤務先企業・機関の退職、病院・医療施設の退院・退所、葬儀・火葬、埋葬・散骨、公共サービス等の解約・精算、住民税や固定資産税の納税といった手続きです。

さらに、不動産契約の解約から住居の引渡し、遺品整理、メールアカウントなどの削除、友人や知人への死亡通知、死亡した場合の遺体引取りや搬送なども行ってもらえる場合があります。

費用はかかりますが、これらを滞りなく行ってもらえることは安心感につながるのではないでしょうか。

孤独死して身寄りがいない場合の永代供養墓

お骨が納められた後に、半永久的に供養や管理が行なわれる永代供養墓。
生前に契約できる永代供養墓では、宗旨や宗派を問わずに受け入れてくれることが多いです。
また永代供養墓は一式料金を支払った後は、基本的に管理費などを収める必要ありません(生前に契約した場合は、存命中管理費が必要な場合もあります)。

春・秋のお彼岸とお盆に合同法要が行なわれることが多いですが、毎月行う墓地もあります。

さまざまなタイプがある永代供養墓

永代供養墓には個別安置タイプ、集合タイプ、合祀タイプなどさまざまな永代供養墓があります。

個別安置タイプは、骨壺にいれたままのお骨を個別の場所に安置します。
集合タイプは、骨壺にいれたままのお骨を他の人と同じ安置所などに納めます。
合祀タイプは、共同墓にお骨をあけ合祀します。

また、墓標の立てる方法によっても、単独墓タイプ、納骨堂タイプ、納骨塔タイプ、樹木葬タイプに分かれます。

単独墓タイプは従来のお墓とあまり変わらず、単独の墓石を建てます。
永代供養墓に抵抗がある方に適していますが、ある程度の期間、供養した後に合祀し、墓石は撤去することが多いです。

納骨堂タイプは、室内に設置された納骨堂に骨壺にいれたままのお骨を安置します。こちらも一定期間のあと、ほかのお骨と一緒に合祀されることが一般的です。

納骨塔タイプは、記念碑や塔などのモニュメントを建てて、その下に骨壺にいれたままのお骨を収蔵したり、骨壺からお骨を出して合祀したりします。

樹木葬タイプは、樹木を墓標として植えて、お骨を骨壺にいれたまま埋蔵したり、お骨をそのまま埋蔵したりします。

この記事を書いたプロ

香川滋

遺品整理・空家整理・ごみ屋敷などの片付けのプロ

香川滋(こころテラス)

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