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将来孤独死になる可能性がある人が準備しておくべきこと

2017年9月4日

テーマ:孤独死と特殊清掃

コラムカテゴリ:くらし

コラムキーワード: 退職 手続き

将来孤独死の可能性が高いのは、単身世帯の男性に多く、生前から誰にも看取られずに亡くなってしまう、といった状態に陥らないように準備しておく必要があります。

自分の異変を第三者に知らせるシステムの利用だけでなく、若いころから積極的に人と関わり合いを持つことでコミュニケーションを深めて、定年退職後も、自分の近くで異変に気づいたら見に来てくれるような人を作っておくべきです。

生涯独身で身寄りがないまま一生を終える場合、「死後事務委任契約」を司法書士や行政書士と結んでおけば、自分の死後の後片付けを代行してもらえます。

次は自分かも? 意外と多い孤独死予備軍とは

生活が豊かで便利になった結果、人が暮らすのに不自由がない時代となりました。
人生の価値観も多様化しています。
昔のように、社会に出て収入を得るようになると結婚をして家庭を持つ以外にも、一人で自由に生きることを選ぶ人も増えています。

結婚したとしても両親や親戚づきあいは昔ほど密に行われることはなく、一旦遠く離れた場所で暮らすことになれば、何年も顔を合わさないことも珍しいことではなくなりました。

人の助けをさほど借りなくてもある程度生活が送れるようになった現在、わずらわしい人との関わり合いを嫌い、あえて一人暮らしを楽しむ人も増えています。

このような社会において、誰にも看取られないまま自宅で死亡し長期間経ってから発見される「孤独死」の発生件数が増えています。

孤独死は公的な定義がないことから、毎年どれぐらいの孤独死が発生しているかといった統計も存在していません。
孤独死の現状がわかるデータには、東京都監察医務院が公開している統計がありますが、都内23区限定で2014年度に1人暮らしの死者が5,980人となっています。
男性が4,083人、女性が1,897人となっており、孤独死の7割を男性が占めていること、男性よりも女性に孤独死が多いことがわかります。
そして40代に入ると、その傾向が女性の3倍以上になることがわかりました。

こんな人が孤独死しやすい

男性に孤独死が起こりやすい要因には、次のような現状が考えられています。

男性の場合、生涯独身で単身世帯だと生活が不規則になりがちです。
職場と家の往復で近所づきあいがほとんどない、親と遠く離れて長年会うこともないし特に助けてもらう必要もないので連絡していない、洗濯、掃除、料理などは必要以外はやらないというような生活を長年続けていると、知らず知らずのうちに社会との接点が無くなっていきます。

仕事をしていれば、突然の無断欠勤で孤独死が発見されやすいのですが、定年退職し無職となれば、自分の異変に気付いてくれる人はほとんどいなくなってしまいます。

孤独死するリスクを減らすためにできることは人との接点

自分が孤独死をしないために自ら準備できることは何でしょうか?

孤独死は、最終的には誰かに発見されることでわかります。
自分を見つけてもらえる「人」とのつながりを、日頃から持っておくよう意識しなければなりません。

特に定年退職後は、毎日の自分の行動を把握してくれている他者はいなくなります。
遠く離れた肉親や知人に、自分の異変を知らせるような有料のシステムを利用する人も増えています。
これらは、例えば電気を使わない状態が長く続いている、玄関のドアが何日も開閉されないといった状況をメールなどで第三者に連絡する仕組みです。

このようなツール以外に、マンションやアパートに住んでいるなら、両隣の人と普段から挨拶などを交わし、旅行の土産などを交換しあう、不在の時はゴミ出しを頼めるような関係を作っておく、といった努力が必要です。

また定年退職後なら、文化教室や老人会などの集まりに参加し、自分の存在を積極的にアピールして、互いに何かあった時は自宅まで来てもらうような約束を交わしておく、こういった人脈づくりが求められます。

人とのつながりは重要です。
これらの関係を作るには、自分のコミュニケーション能力を普段から高めるための努力をして、社会性を身につけておかなければなりません。

仕事を辞めた時から、すぐに色々なアクションが起こせるように、学生時代、または就職した時から、クラブやサークルに所属して人と交流する、職場の同僚と協力して仕事を進めていく、というような努力を続けていくことが、社会からの孤立化を防ぐことにつながるのではないでしょうか。

おひとり様向け もしもの時の「死後事務委任契約」

孤独死をしないように若い時から準備をしていたとしても、生涯独身で身寄りがない状況に陥ってしまうこともあります。
いくら仲の良い友人であっても、自分の死後の処理を頼むことは「気がひけてしまう」という方も多いでしょう。

このような人たちのために、「死後事務委任契約」サービスがあります。
「死後事務委任契約」とは、主に司法書士、行政書士が対応しているもので、自分が亡くなった後の事後処理をする代理権を第三者に与え、遺体の引き取りや葬儀や埋葬、家族や親族(そのほか関係者)に亡くなったことを連絡、その他の死後の事務処理を委託することです。
ほかにも、委託内容には、自宅の退去や明け渡し、賃貸住宅なら敷金などの精算事務、遺品整理、未払い費用の支払い、相続人への遺品、相続財産の引継ぎ事務などがあります。

この記事を書いたプロ

香川滋

遺品整理・空家整理・ごみ屋敷などの片付けのプロ

香川滋(こころテラス)

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