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高齢者だけじゃない!? 20代、30代の孤独死の原因は?

2017年9月5日

テーマ:孤独死と特殊清掃

コラムカテゴリ:くらし

孤独死は高齢者だけの問題ではありません。
核家族化が進んだ結果、20代、30代の単身世帯においても孤独死が発生しています。
共通する原因は、「ネットワークの希薄さ」や「不規則な食生活」にあると言われています。

生活が便利になり、一人暮らしが何不自由なくできるようになった結果、孤独死が増えていると言えます。
孤独死を防ぐために、民間会社による見守りサービスや地域における声掛け活動が活発になっています。
20代、30代若者においても、これらの防止策を利用することや自らが地域に関わり合いを持つような行動をとることが求められています。

孤独死は高齢者だけではない

高齢化社会と核家族化が進み、一人暮らしの高齢者の孤独死が社会現象として注目されるようになっています。
孤独死は、一人暮らしの人が自宅にいる間に死亡し、長期間経った後発見されることですが、このような事例は高齢者に限らず、20代、30代の単身世帯でも発生しています。

東京23区内では、20代男女では毎年150件前後、30代男女においては毎年100件弱の孤独死が発生していると言われています。

若年層における孤独死は、本人が家の外で働いていれば、職場で気づいてもらいやすいのですが、無職である場合、そのほかひとりで仕事をしている個人事業主や在宅でネットを通じて仕事をしている人など、日常生活で第三者との接点がほとんどない場合は、長期間気づいてもらえないことが多くなります。

孤独死は、単に「人が死んだ」ということで片付けられる問題ではありません。
特に何年も発見されずに放置されていた場合は、遺体が腐乱し、家の中は悪臭や害虫が大量に発生しています。
この世とも思えない状況で発見されたという現実は、近隣住民へ計り知れない精神的ダメージを与えることになります。
また遠方に暮らし、生前ほとんど連絡をとっていなかった遺族にとっては、その事後処理のために時間やコストをかけることになります。

疎遠になっている状況などでなくても、20代、30代であればまだ若いため、ご家族・ご親族にとっては「便りのないのは良い便り」ではないですが、元気で忙しくしているものと思っている場合もあり、ひとりで亡くなったという事実は、あまりにショックが大きいと言えるでしょう。

孤独死を防ぐためのシステムや地域における見守り活動など、さまざまな対策が取られているものの、20代や30代であっても本人、そしてご家族なども、「ひとりで亡くなってしまう」といった危機感を持っておいてほしいと思います。

若者の孤独死の原因は「ネットワークの希薄さ」「不規則な生活」

20代、30代の若者でも孤独死が増加している一番の原因は、「ネットワークの希薄さ」と「不規則な生活」にあると言われています。

生活が便利になり、欲しいものはいつでもどこにいても手に入るようになりました。
スマホで注文すれば、外に買い物に出る必要もなく、衣食住に困ることなく生活することができます。
インターネットが普及しているので、24時間好きな番組を見て過ごしお腹が空けば宅配の食事をとれば、外出しなくても快適に日常を過ごすことも可能です。

このような環境の中で、もともと「人付き合いが苦手」「周囲の人との人間関係がわずらわしい」「外に出たくない」といった人たちは、どんどん社会との接点を失っていきます。
大都市にある賃貸マンションやアパートでは、「隣の人と話をしたことがない」「隣に誰が住んでいるのかわからない」ということも珍しいことではなくなってきています。

昔によくあった「世話好きのおばちゃん」もいなくなり、誰がどこで何をしているのかわからないのがあたりまえの日常となっています。

在宅の仕事で、ある程度の経済力がある1人暮らしの人なら、「好きな時に好きなものを食べる」という「不規則な生活」になりがちです。また、運動不足になると、栄養バランスが崩れて高血圧や肥満となり、ある日突然倒れてしまうこともあり得ます。

高齢者においては孤独死を防ぐ対策が積極的にとられるようになってきましたが、20代、30代の若い世代については、個人の責任として周囲からの働きかけがないままになっています。

孤独死を自分自身で防ぐには

孤独死が問題視されるようになってから、高齢者における孤独死を防ぐため、民間会社による見守りシステムやサービスの普及、地域においては互いの見守り活動といった形でさまざまな対策が取られるようになってきました。

これらは、高齢者だけでなく、20代、30代の若者にも同様に利用することが可能なものとなっています。

民間会社が提供している「見守りサービス」には、ドアの開閉が長期間されていない、照明がつかないといった異変をメールを通じて遠方に住む家族に知らせる仕組みなどがあります。

また急に体調に異変を感じたときに、救急車を呼ぶのに迷ったらタクシー会社が提供している緊急サービスを利用することもできます。

登録制となっており、緊急時にタクシー会社にスマホを使って連絡すれば、GPS機能を利用し、通報者の居場所を特定して、近くにいるタクシーがかけつけるシステムです。
このシステムはスマホを携帯していれば、外出先でも利用できるメリットがあります。

また住んでいる地域の自治会が互いに見守り、声をかけ合うようなボランティア活動を行っています。
自治会主催の老人会や遠足といった行事に積極的に出席して、自分の存在をアピールし、何かあった時には互いに自宅まで様子を見に来てもらえるような関係づくりを自分からしておくことも大切です。

20代、30代の人たちは、まずご近所の人を見かけたら、自分から積極的に挨拶をして気軽に雑談できるような関係を築いておきましょう。

この記事を書いたプロ

香川滋

遺品整理・空家整理・ごみ屋敷などの片付けのプロ

香川滋(こころテラス)

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