防曇コートのレンズの特徴
たまに『レンズはメーカーで削ってるんですよね?』と聞かれることがあります。
もちろん、一部のレンズや加工はメーカーでないと削れないものもありますが、
ほとんどの場合、眼鏡店で削っています。
店舗で削っていないと思われる理由
店舗で削っていないと思われる理由は、レンズを都度発注にしていることもあるのかなと。
当店みたいに、在庫レンズを持たない店舗は、都度レンズを発注しています。
常備レンズを使わない理由は、レンズの種類が狭まってしまうため、
お客様に合ったレンズを提案できないことがあるのが一番大きい理由かなと。
また、格安レンズであっても、一店舗で全ての度数を揃えるには、
相当な在庫費用がかかります。
遠視・近視・乱視・プリズム・加入度・レンズの種類などから
計算してみるとわかると思いますが、全て在庫で考えると、
現実的ではない費用が算出される場合もあります。
店舗で削ると、どのくらい時間がかかる?
特殊な物でなければ、加工機があるので、レンズさえあれば10分かからないと思います。
例えば、適当に作って良いのなら、トレーサー・キャッパー・加工機の
稼働時間なので、5分くらいかなと。
ただ、眼鏡専門店では、かなり集中してレンズの中心を測定します。
それこそ、0.1mm、感覚的にズレていることすら気にしている眼鏡店も多いのではないかと。
ここまで集中して正確に作ろうとする理由は、
工程を経るごとに、誤差が増える可能性があることにあります。
最初に1mmのズレを許した場合、0.5mm単位で測定しているPDに対して、
最終的に何mmズレてしまうのかと。
そのため、今の時代は機械が削るので、10分程度かかります。
ただ、想定外のことがあるので、その場でお渡しする場合も、
20分もらっているところがほとんどではないかなと。
また、時間がかかるので、実際にはやらないだろうけど、
眼鏡専門店では大抵の方は、手刷り機を使って丸生地から作れる人も
多いのではないかなと。
メーカーで削ってもらうことはある?
特殊なレンズ以外はあまりないと思います。
メーカーで削ってもらうと、加工賃がかかります。
また、フレームを送ってメーカーにレンズを入れてもらうことも可能ですが、
その場合は、送料がさらにかかるので、お客様の費用負担が大きくなると思います。
もしくは、眼鏡店が負担するのか。
その費用を眼鏡店で持つのか、販売価格に反映するのかを考えると、
店で削った方が良いという結論になると思います。
そのため、基本的にはメーカーから送られてきた丸生地の状態から、店舗で削ることとなります。
もちろん、加工機がない店や、技術的に難しい場合は、
メーカーで削ってもらうこともあると思います。
メーカーで削られる特殊なレンズ?
眼鏡店の技術の問題ではなく、メーカーで削らないといけないレンズはあります。
individualなどのフルオーダーのレンズ、レンズを薄くするためのメッツ加工、
段カット加工などは、技術の有無にかかわらず、メーカー委託となります。
製造段階から加工しないといけないレンズや、店舗にある加工機では対応できない加工の場合、
メーカーに委託するしかないです。
まとめ
基本的にレンズは店舗で削っていると思います。
ただ、特殊な加工やindividualなど、技術の有無ではなく、
メーカーで削らないと作れないレンズはあります。
次回は、『PD0~∞?どこで削っても関係ない乱視』