HOYAの最高級累進レンズ(インディヴィジュアル)の極・雅・望・紬は何が違う?①
『私はメガネが合わない。だから、コンタクトレンズしか使えない』という方が、
稀におられます。
もちろん、円錐角膜など、メガネやソフトコンタクトレンズでは、
どうしようもないこともありますが、
大抵の場合、その方が合わなかったというメガネを確認すると、
レンズの中心がズレていることがあります。
レンズの中心?
加工前のレンズは、丸い形をしており、大抵の場合、その中心点が『レンズの中心』となります。
ただ、見た目ではわかりにくく、たまに大きくズレている場合があるため、
単焦点レンズでも、レンズメーターで印点しないと、わかりにくいと思います。
また、累進レンズなどの丸レンズの場合は、印字されているマークでは、
1mm以下でズレている可能性も考慮し、刻印されている隠しマークで確認します。
印字されているマークはあくまでも目安としている専門店が多いのではないかなと。
これが加工した後になると、10mm以上ズレていたとしても、
見た目ではほとんどわからないです。
フレームの中心がレンズの中心?
フレームにレンズを合わせる場合、その人の瞳孔に、レンズの中心がくるように加工します。
これをアイポイントといいます。
このアイポイントは、レンズの横軸がPD(瞳孔間距離)、
縦軸が遠用・近用・遠近とレンズの種類によって変わります。
つまり、単純にフレーム枠の上下の中心が、レンズの中心というわけではないです。
レンズの中心がズレているとどうなるか?
レンズの中心がズレると、『プリズムの発生』『度数変化』『乱視軸の変化』
『ユレ・歪みの増大』など、様々な問題が発生します。
人によっては、『疲れやすい』『違和感がある』『気持ち悪い』などの問題です。
ただ、多少の型崩れでは、特に問題を感じない人が多いため、
単焦点レンズなら、掛けられない程ではないという人も多いと思います。
これが、遠近レンズなどの累進レンズでは、
中心が左右にズレるのは多少見にくい、多少疲れやすいくらいと思いますが、
上下にズレるとかなり気持ち悪くなります。
累進レンズが上下にズレた場合、なぜ気持ち悪くなるかというと、その設計が原因と思います。
累進レンズは累進帯長の範囲で度数が変化しており、ユレ・歪みが少なくなるように、
複雑に設計が入っています。
それが上下にズレると、左右での度数変化そのものに差がでたり、
プリズムが発生したりと、問題が生じるということになります。
これは、左右の加入度(老眼の度数)を変えた場合も、
同様の問題が発生します。
レンズの中心を正確に合わせるために
加工は正確に行わないといけないため、レンズメーターを使って、印点を行います。
印点した後は、それを目印にキャップをつけ、加工機にてフレームに合わせるように切削します。
これらの工程で、印点・キャップ・切削の3回は中心からズレる可能性があります。
眼鏡作成技能士の多くが、印点の精度を気にするのは、切削が終わった時点で、
0.25mm~0.1mm以下でズレを抑えたいためであり、
ここまでの精度でメガネを作製すれば、型崩れなどで多少ズレたとしても、
誤差の範囲として、そこまで違和感は少ないと思います。
実際に、0.1mm以下のズレで作製する人が多いのではないかなと。
まとめ
・レンズの中心がズレているかは見た目ではわからない
・型崩れが起こると、中心がズレるので、早めに直した方がよい
・累進レンズで気持ち悪くなる場合、購入した眼鏡店で再確認してもらう
次は、『アジア最大級の眼鏡展示会iOFT』について