材種は何でもいいのか⑬~昔の家は床下の風が抜けていた
①で書いたように合板は床下地、壁の耐力壁、野地板として使われています。これほど使われるようになった理由の一つは⑤に書いた95年の阪神大震災からです。阪神大震災の時に2x4工法の家の被害が少なかったことから、壁に合板を張ることが普及したのです。
阪神の地震で在来工法(柱梁で骨組みを作る日本の家の作り方)の家がたくさん倒れた理由は耐震基準が低い家がたくさんあったことなどいろいろな理由があります。戦後10年以内に建てられた家(耐震基準は低い)ならば95年には築40年以上となり、導入されて20年ぐらいしか経っていない2x4工法の家と倒壊した数の比較をしても意味はないと私は思います。それでも合板で作られた2x4工法の家は被害が少ないので、合板は地震に有効だと分かりました。
阪神大震災の後、国は木造住宅の実物大実験をして、木造住宅の耐震性能を確かめました。また、別に耐力壁の実験を個々に行い、耐力壁の強度を新たに決めました。合板による面材の耐力が筋交いに比べ強度が高いことはこのころ分かったことです。
数々の実験で分かったことは、耐力壁は筋交いより面材のほうが有効なこと、バランスよく配置すること、柱の接合部を補強すること、そして床が弱いと耐力壁にかかった力が分散しないため(分散しないと地震力が集中してしまう)、弱いところから壊れてしまうことも分かりました。
以上のことから、地震などの災害に強い住宅を作るため壁の耐力壁として合板を張り、水平剛性(水平剛性のことは(コラム;大きな屋根の家⑫ 参照))を高めるため床や屋根の野地板に合板を使用するようになったのです。
次回は、『合板の使われ方⑩~耐震等級と合板 』です。
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