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コラム
片流れ屋根の家が増える理由⑨~パラペット屋根の雨漏り
2017年7月25日
⑤に書いたパラペットのある片流れの屋根は、数十年経つと必ず傷んで雨漏りになる場所があります。
下の絵を見てください。壁が屋根より立ち上がり囲まれているため、パラペットの中に入った雨が外へ流れることはありません。大雨、台風などで大量の雨が降るとその全ては水下に流れます。水下で水の流れが悪くなりそこに風が吹くと立ち上がりに向かって行き、風と共に水が上に上がる(中に入る)ようになります。
日本ではこのような状況が一年間に何度もあるため、雨は徐々に侵入し、屋根とパラペットの立ち上がりを傷めるのです。徐々に侵入できる理由は、どんな材料も太陽に当たることなどで伸び縮みし、長い間に材料が変形してスキ間ができ、そのスキ間から水が侵入し傷んでいくのです。
また、天端の笠木は多くの場合金属で包みますが、作ることができる長さも限られているため必ず継ぎ目ができます。その継ぎ目も徐々に変形し雨が入ります。
屋根の勾配がきつければ雨が水の流れは悪くならないのですが、勾配がきついとパラペットの高さが高くなるとため、勾配が緩いのがほとんどです。ですから、雨水が水下に溜まるようになるのです。
今まで何軒かのパラペット屋根の雨漏りを修理してきましたが、ほとんどの場合下地まで傷んでいることが多く、大掛かりな修理になります。パラペット屋根の家は、雨風が逃げない形になっているため雨漏りすると深刻なのです。
次回は、片流れ屋根の家が増える理由②~屋根裏の利用 です。
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