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加藤武範

医療と介護の架け橋になる、リハビリと介護支援の専門家

加藤武範(かとうたけのり) / ケアマネジャー

合同会社福寿想

コラム

認知症 施設入所 在宅 見極め

2023年6月10日

テーマ:認知症

コラムカテゴリ:医療・病院

独居で認知症のお父さんを引き取って、自宅で面倒をみていらっしゃる娘さんのお話です。
お父様は要介護2の認定をもらったばかりです。これから、デイサービスなどの介護サービスを利用するのか?施設に入所させるべきか?悩んでいらっしゃいます。
本人さんの気持ちも大切ではありますが、その選択の判断には家族の置かれている状況も大きく影響すると思います。

娘さん(日中仕事あり)は、ご主人が単身赴任中で、大学生と小6の息子さんと同居されています。そこに認知症のお父さんが一日中、布団で寝ている感じです。お風呂もひと月以上入れていない様でした。小6の息子さんが中学受験を目指しており、娘さんとしては、お父さんのことを早急に何とかしたいと考えている様子でした。
お父さんは、身体機能は問題ない様子でしたが、認知症はしっかりある印象です。当然、介護保険サービス利用には否定的でした。その場の会話はできますが、何度も同じ話をしたり、やれそうな事がやれなかったり、逆に大変だろうな…と感じました。 デイサービスやショートステイの利用について、娘さんにも話はしました。ただ、そもそも娘宅なので、ここでの生活をお父さんも含め、誰も望んでいない状況であり、デイやショートに慣れるようになるのも時間がかかります。

「デイの準備やらお迎え時間が何時だとか…今以上に、お父様に関わる時間が増えて、娘さんがイライラするのは目に見えています。そうこうしているうちに、息子さんが受験本番に突入しますよ…今からは中学受験を控える息子さんの為に、娘さんの時間を割くべきでは無いですか?お父様の気持ちも大事ですが、娘さん、その家族の生活を守る事が優先順位としては上だと感じます。僕個人の考えとしては、施設入所をお勧めします。但し、施設に入れば、当然、身体機能や認知機能は低下します。お金もかかります。マイナス要因も含めていろいろな要素を天秤にかけて頂き、あとはご家族で決めて頂く事になります。」 と、話をしてきました。

ケアマネというよりは、同じような認知症の母親の面倒をみてきた家族の意見としてアドバイスしてきました。うちの母親がロングショート利用するタイミングと同じくらいの雰囲気だな…と感じたからです。
施設入所希望するなら、ご家族で申し込みをし、その時、見学もする様に伝えました。

施設入所の選択は勇気のいる作業です。そして、どんな施設なのか、直接、施設を見て、職員の対応や雰囲気を肌で感じて欲しいと思います。

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