【いつから始める?お箸使い&お箸の持ち方】お箸伝承のプロが解説する4つのポイント
そろそろ我が子にお箸を渡してみようかな・・・
そんな風に思った時にまず直面するのがその選び方だと思います。
ただお箸は案外種類が多いもの。
素材一つとっても、杉やヒノキ、竹でできているものや、プラスチック製やアルミ製、カーボン素材のお箸もあります。
形も、全体が丸かったり、持ち手が四角く箸先だけ丸いもの、、多角形のものや、持ち手に凹凸がついていたり、箸先に滑り止め加工が施されていたりするもの、矯正箸など様々です。
色や柄の種類も豊富で、特にキャラクターもののお箸は、子どもだけではなく、「少しでもお箸に親しんで欲しい!」という親心をがっちりと掴みますよね。
私のお箸教室では、普段お使いのお箸をお持ちいただきます。
その際、「100円ショップで買ったものなのですが・・・」「プラスチックのお箸なのですが・・・」と恥ずかしそうに仰る方が少なくありませんが、それは全く問題ではありません。
お箸は高価なお箸を扱えば扱いやすいという訳でも、木製でなければ邪道という訳でもありませんから。
ここではお箸選びの主なポイントを挙げております。
このコラムがお子さまのお箸選びのご参考になりましたら幸いです。
手に合った長さのお箸を
お箸の長さを気にしたことはありますか?
実はお箸は、大人ですら、長さが1cm合わないだけで、使い勝手が悪くなるものです。
子どもの成長はめざましいものですよね。
靴も、洋服も、シーズン毎...いえいえ、数ヶ月単位での買い替えを要することも珍しくありません。
それなのに「フォークやスプーン、お箸は何年も同じものを使わせている・・・」そのような親御さんは少なくありません。
お箸は上のお箸を「てこの原理」で扱うことがポイントです。
よって、指先から箸先までの距離が長ければ長いほど、指先の力を要しますし、反対に距離が短すぎると、中指が挟まり、箸先を閉じることができなくなってしまったり、クロス箸になりやすくなります。
また、箸頭から1/3のところを支点として持つのが正しい位置ですが、長いお箸の場合、箸先までの距離を調整するため、お箸の真ん中あたりを持ちがちです。
もともとお箸は箸頭から1/3のところに重心が来るように作ってあるものですから、当然支点の場所がズレれば、その分、太い箸頭の重さが幼い手の負担となります。
扱いやすいワケがないのです。
ファースト箸選びの時はもちろんのこと、指の力が弱いお子さまには特に、靴や洋服の買い替えに合わせて、是非、お箸の長さも時折見直してあげてください。
※注意※
「ひとあたはん」を図る時には、角のある箱などに手を当てて、親指の付け根をしっかりと90度に保って計測してください。この時のほんの数ミリの誤差が使いづらいお箸の長さを導く元となります。
適切な重さとカタチ
指の力がついていない子どもでも容易に扱うためには、とにかく軽いことが一番。
そして、丸型ではなく、多角形(三角~五角形)のお箸がお薦めです。
丸型に凹凸がついた削り箸も悪くありませんが、角箸は、人差し指や親指の先で面を捉えることを実感しやすいというメリットがあります。
また薬指での固定も、角のある方が滑りにくく、伝統的なお箸使いが自然に身に付きやすいのです。
※所謂“矯正箸”"練習箸"と言われる、丸い穴に指を通したりできるお箸のメリット、デメリットなどは、別途コラムをご参考ください。
何より“お気に入り”が一番!
お箸は毎日扱う食器です。
大人だって、お気に入りは前のめりに使いたくなりますよね。
長さやカタチが手に合っているか、使いやすそうかを親が判断してあげることは大切ですが、色や柄といった最終決定は是非、お子さま自身にさせてあげてください。
時には絵柄に話しかけたりしながら、お気に入りのお箸と共に、楽しくお箸に親しんでくれるはずです。
いかがでしたか。
ちなみに上記のポイントはお子さまのお箸選びだけではなく、大人のお箸選びにも通じます。
お子さまと一緒に、ご自身のお箸も是非見直してみてください。
― 一緒に探して選んだお箸を一緒に使う ー
子どもにとってはそんなステップも大切なスパイスですよ。