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長島武

証券マン歴38年の独立系FP、CFP資格も持つ資産運用のプロ

長島武(ながしまたけし) / ファイナンシャル・プランナー

長島FP事務所

コラム

投資の基本を深堀、リスク.リターン相関係数

2024年3月2日

コラムカテゴリ:お金・保険

GPIF 基本ポートフォリオの公表資料より

GPIF
リスク.リターンは期間によって違います。1年、3年、5年、10年というように、資料を作成した会社の意図がわかりますね。「シャープレシオ」一つとっても過去3年で見ると1を超えると優秀な投資信託と判断するのに(普通は、0.5~1)、2を超えるような投資信託が続出してますね。やはり、アベノミクス前、リーマンショックまで入る20年以上の期間で見るのが、一番信頼性が増すのでないでしょうか。上の二つの表は、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による期待リターン・リスク。相関係数です。基本ポートフォリオ公表資料2020年4月1日からの抜粋です。
復習になりますが、期待リターンを中心に標準偏差(リスク)が左右にきます。
・国内株式の場合、期待リターン5.6% 標準偏差23.14%
マイナスの場合-17.54%      プラスの場合28.74%
この間に入る確率が68.2%ですね。

・国内債券の場合、期待リターン0.7% 標準偏差2.56%
マイナスの場合ー1.86%       プラスの場合3.26%
この間に入る確率が68.2%ですね。
・国内株式と国内債券の相関係数はー0.158になっていますね。相関係数というのは、-1~1の間になります。-1なら全てリスクヘッジになっていることを意味しており、1ならリスクヘッジどころか、同じ動きをしており、0なら無関係の動きということになりますね。想定期間25年でGPIFが作成しているので参考になると思いますね。

余談ですが標準偏差2の場合は、標準偏差1*2になります。国内株式の場合だと23.14%*2=46.28% この数字が期待リターン5.6%を中心にして左右対称になり、この間に入る確率が95.4%になります。同じように標準偏差3の場合は、標準偏差1*3=23.14%*3=69.42% この数字が期待リターン5.6%の左右対称になり、この間に入る確率が99.7%になりますね。よく、投資信託の欄にでてくる標準偏差(リスク)は、標準偏差1が使われています。言葉は、難しいですが、確率論で標準偏差が決まれば、標準偏差2も標準偏差3も決まりますから、期待リターンから左右対称、わかりやすいのです。ここでは、標準偏差1を標準偏差としていきますね。
ここで国内株と国内債券だけでポートフォリオ設定する場合を考えてみます。
     リターン  標準偏差(リスク)
株式   5%    20%
債券   1%    5%
株と債券 相関係数をー0.5  と仮定します。

株式と債券だけのポートフォリオ
P2の列を見て下さい。少し小さく見にくいですが、
国内株式20、国内債券80の比率です。
       リターン1.8% 標準偏差(リスク)4%
マイナス2.2%       プラス5.8%
この間に入る確率が68.2%ですね。シャープレシオを見ると
どの比率の組み合わせよりも高いのがわかりますね。
始めて投資をする人は、投資割合を10%変えることで、期待リターンもリスクも、変わるのがわかります。シャープレシオも当然見て、割合を決めていくのです。運用資産額、今後のライフイベント、そして自分自身の考え方、「気持ちですかね」、組み合わせは、いくつもありますね。実際は、外国株や外国債券、REIT、金もあります。廻りに流されることなく、人からヒントはもらっても、自分自身で考えて投資商品の割合を決めるのが、良いですね。次は、オルカン(全米株式)を深堀してみます。
     

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