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伊藤馨

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伊藤馨(いとうかおる) / 一級建築士

伊藤建設株式会社

コラム

おすすめのウッドチップの大きさや選び方について

2017年12月29日

テーマ:ウッドチップ

コラムカテゴリ:住宅・建物

コラムキーワード: 家具 選び方

ウッドチップにはさまざまな木の種類による違いのほか、サイズの違いもあります。

ウッドチップの大きさ

ウッドチップの大きさは通常3~4cm程度。小さいもので1cm程度になります。
ドッグランやガーデニングのマルチングには、3~4cm程度のウッドチップが使われることが一般的です。

ただ、ドッグランの場合、チワワ、ミニチュアダックスなど小型犬には1cm程度のスモールサイズが適していると言われます。その際、スモールサイズのウッドチップはやや割高なため、通常サイズのウッドチップを下に敷き、その上にスモールサイズのものを敷くという方法をとることもあります。

ところで、ウッドチップを購入しようとすると「50リットル入り一袋○○円」という表示を見かけることがあります。ウッドチップ専門会社が「1リットル入り○○円から承ります」と案内を出していることもあります。なぜ、重さの単位「kg」や数量の「個」ではなく「リットル」なのでしょう。

その理由はウッドチップの形状が均一ではないことにあります。
もしサイコロのように均一であれば正確に個数で数えられます。しかしウッドチップの場合、そうはいきません。

また、「ウッドチップ○kg入り○円」という表示をしようとしてもこれにも問題があります。理由はやはりウッドチップの形状が均一ではないことによりますが、重さは一緒でもウッドチップの個数は違うということが出てくるからです。このため重さ・個数ではなくリットル方式が採用されることになるわけです。

ウッドチップには「厚み」が必要

しかし、このリットル方式は理にかなった表示方法なのです。つまり、ドッグランにしてもガーデニングにしても、単にウッドチップを地面に敷くのではなく、どのくらいの厚みで敷くかが問題になります。3cm程度の厚みでは犬たちの脚に負担がかかる、とか、雑草対策のために必要な厚みはどのくらいか、ということが問題になります。

面積の平方メートルではなく、厚みのある立方メートルが問題になるのです。そこで重さや個数ではなく、リットル単位のほうが実際に使う量をはかるうえでも有効になるわけです。

ウッドチップを敷く際の「厚み」の目安を見てみましょう。

ドッグランの場合、大型犬、中型犬に適した厚みは10cm程度と言われています。

大型犬、中型犬は体重がありますから、10cmくらいの厚みを持たせ、クッション性を確保する必要があるのです。また、地面を蹴る力も強いですから、このくらいの厚みがないと大型犬、中型犬が走り回ったあと、すぐ地肌が見えてくることも考えられます。

小型犬の場合は体重も軽く、地面を蹴る力も小さいですから、5cm程度が目安になります。

ガーデニングのマルチング材として使う場合、雑草防止のためには10cm程度の厚みが必要とされています。

庭のぬかるみがひどいという場合も、やはり10cm程度の厚みが必要でしょう。庭の美観のため、土が隠れる程度で良いという場合でも、5cm程度の厚みがほしいところです。

そのくらいの厚みにしたうえで水を撒くと、表面のチップが水を吸って重さを増し、ウッドチップ全体がなじんで落ち着きます。

使用量の計算方法

では、愛犬のために庭にドッグランを設けようとすれば、どのくらいのウッドチップが必要になるでしょう。その計算方法を見てみましょう。

まず、ドッグランの広さです。

縦10m、横5mのドッグランをお考えであれば、
(1)まず、その面積を求めます。→10m×5m=50平方メートル(50㎡)

小型犬なのでウッドチップの厚みは5cmくらいとすれば、
(2)その立方メートルは→面積50㎡×厚み0.05m=2.5立方メートル(2.5㎥)。

さて、「50リットル入り○○円」の袋ですが、これは立方メートルに直せば0.05㎥です。
(3)50リットル入りの袋がいくつ必要になるでしょう。→②2.5㎥÷③0.05㎥=50

縦10m、横5mのドッグランのためには「50リットル入り」の袋が50個必要になることになります。

木を最後まで・・・

私たち伊藤建設のウッドチップは、自社で原木を製材する過程で出る端材をもとにしていますが、実は端材が出るのは製材過程だけではありません。

当社の自慢の一つは家づくりの現場にいる職人がみな当社の社員という点です。腕のいい職人が何人もいますから、どっしりとした木のテーブル、造り付けの家具、ドア、椅子、なんでも作ります。するとそこからも端材が出ますし、鉋(カンナ)くず(カナガラとも言います)、鋸(ノコギリ)くずいろいろと出てきます。

そこで、鉋くずは養鶏場の下敷きに、鋸くずは牛舎の下敷きに、と、その処理に追われます。

木を愛する私たちとしては、木を最後まで何かの役に立てたいのです。青森ヒバ、杉の端材をウッドチップに加工しているのもそのためです。

お客さまのドッグランに青森ヒバのウッドチップを敷き、すがすがしい香りにうっとりしつつ、木を最後まで役立てることができてホッとすることもあります。

私たちのウッドチップは産直方式で販売しています。どうぞ、のぞいてみてください。

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伊藤馨

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