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伊藤馨

新築から住宅の相談まで、快適な住まいづくりのプロ

伊藤馨(いとうかおる) / 一級建築士

伊藤建設株式会社

コラム

ドッグランでウッドチップが使われる理由

2016年11月16日

コラムカテゴリ:住宅・建物

ドッグランは、90年代初頭ニューヨーク市の公園内で増え続ける犯罪への対策に愛犬と一緒に公園内を散策する運動が始まり、その防犯運動に参加してくれたワンちゃんたちのご褒美として与えられたノーリードで遊びまわれる施設です。

その後、アメリカの愛犬家を中心に愛犬を自由に遊ばせ、運動不足やストレスを解消するための施設として広がったドックランは日本でも浸透していきました。最近はウッドチップを敷き詰めたドッグランを作るケースが増えています。

ドッグランの維持や運営に貢献するウッドチップ

大型犬・小型犬を問わず、ドッグランを走り回るワンちゃんは地面を強く蹴って走ります。そうすると芝生のドッグランは芝生がはがれ、土がえぐれて底に水がたまりぬかるみができたりします。

土を補充して芝生を植えなおしても、ワンちゃんが走り回る場所なのでいたちごっこになります。しかし、ウッドチップを十分な厚みで敷き詰めたドッグランなら地面を蹴ってもウッドチップが動くだけで、地面にほとんど影響がありません。

雨の直後でも土に脚が直接触れないため、軽く拭くだけで十分なことも飼い主にとって時間と手間がとられずにすみます。

暑い夏場の場合、炎天下は避けたほうがよいですが、日差しによる照り返しを抑えられるので、ワンちゃんを暑さから守ってくれる点も優れた点です。打ち水をしてやれば、気化熱で気温が下がり、さらに効果的な暑さ対策になります。

脚の保護にも効果的なウッドチップのドッグラン

愛犬家のご自宅でも、ウッドチップを敷き詰めたドックランを作るケースが増えてきています。ワンちゃんの脚の保護に、ウッドチップが効果的なことも大きいかもしれません。

ワンちゃんも高齢化していますので、足腰が弱って散歩が苦手になる場合もあります。小型犬を中心に骨格的に脚の弱い犬種もいます。こうしたワンちゃんには硬いアスファルトやフローリングなどの滑る床はよくないといわれています。

人間でも長く硬い床にいると膝や腰が痛くなるなどしますが、ワンちゃんの場合は脱臼するケースもあるそうです。ウッドチップはやわらかく弾力性に優れているため、ワンちゃんの脚に無理がない状態で運動できます。

また、競走馬のトレーニング場にウッドチップを敷き詰めたコースを使用しているところもあります。ウッドチップは、何億円もする競走馬たちのトレーニングに使われるほど、脚にやさしいということなのでしょう。

消臭効果もあるウッドチップでドッグランも快適に利用できる

ドッグランはワンちゃんたちの社交場でもあるので、おしっこは避けられません。時間がたつと雑菌が増え、悪臭の元になります。おしっこをする場所は偏ってくるため、消毒液を何度まいてもニオイはほとんど取れないことが多いようです。

ウッドチップは土との相互作用で分解され、分解過程で雑菌も含めて土壌を改善しながら土へと還っていきます。減ったウッドチップは上から新しく補充すればいいだけです。ウッドチップのドッグランは木のいい香りなので、ワンちゃんも喜ぶのではないでしょうか。

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