マイベストプロ神戸
坂部智子

介護サービスのプロ

坂部智子(さかべともこ)

神戸・長田の宅配ショップ ともべぇ

コラム

歩けるとは

2013年2月20日

テーマ:仕事のはなし

コラムカテゴリ:医療・病院

素朴な疑問。
「歩ける」とは、いったいどのような状態をいうのだろうか。
何を考えることもなく、人や自転車や車をよけながら、
すたすたずんずん、あるいは小走りぐらいでも足を運べる状態・・・
だけでなく、加齢や様々な要因で、上述と比べると足元がおぼつかないようでも、「歩ける」とは、言う。

何を言いたいか、というと、
「車いす」を利用する理由というのは、まあ基本的には、「歩けない」から。
しかしこの「歩けない」というのも、同じぐらいにレベルは様々なのだ。

福祉用具を利用する目的で大切なのは、出来ないことを出来るように・・・だけでなく、
その人の、日常生活の“質”を向上させる・・・・ということ。
“生活の質”などというと、また小難しい話のようだけれど、
要は、その人にとって大切な日常のあれこれが、きちんと優先されている暮らし・・・とでも言おうか。

具体的な例として、
下肢筋力の低下で、一歩で進める距離が10センチの人がいる。
この人が10m先に行きたい場合。
パターンAは、何が何でも自分で歩きたい。「歩くこと」が優先事項なら、どれだけ時間がかかっても、自分で歩いてもらうだろう。転倒のリスクを減らすコトを多少は配慮しつつ。

しかし、パターンBは、10m先の着いたトコに何か目的がある場合。
この10mは、どうやって移動してもかまわない。車いすであろうが、なんでも。
着いた時にくたびれ果てていて、もう何をする気力も残っていないなら、意味がないから。

Aなのか、Bなのかは、人によって違うし、同じ人でも時と場合によって変わる。
変わって当たり前。

なのになんで福祉用具の導入目的とかいうとき、「歩く」と言えばずっと「歩くんでしょ!」やし、「歩かなかったら、歩けなくなる」とか(例のリハビリの罠…というやつ)、話が一面的になるのだろうか…

いろいろあるのだ。
正解はない。
だから、何より、人とは比べない。

ご本人も、関わる周りの人達も、いろいろあっていいと受け止める、そんな「介護」だったらなあ

必要なのは、素直な、正直な対話。
シンプル。
だからこそ、なかなか辿り着けないのだともわかる。
わかりすぎている。
でも、誰にも変わってはもらえないコト。当事者が向き合うコトでしか、辿り着けないトコロ。

相談を聴いて、聴いて、聴く中で、
正直な、素直な想いがポロっとでも出てきたらいいなあ…
いつも そう思ってる。



この記事を書いたプロ

坂部智子

介護サービスのプロ

坂部智子(神戸・長田の宅配ショップ ともべぇ)

Share

関連するコラム

坂部智子プロへの
お問い合わせ

マイベストプロを見た
と言うとスムーズです

お電話での
お問い合わせ
078-647-3152

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

坂部智子

神戸・長田の宅配ショップ ともべぇ

担当坂部智子(さかべともこ)

地図・アクセス

坂部智子プロのコンテンツ

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ神戸
  3. 兵庫の医療・病院
  4. 兵庫の介護・福祉
  5. 坂部智子
  6. コラム一覧
  7. 歩けるとは

© My Best Pro