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坂部智子

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坂部智子(さかべともこ)

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コラム

ベッドの上がり方

2011年5月21日

テーマ:福祉用具のこと

コラムカテゴリ:医療・病院

寝るとき、ベッドにどうやって上がっているか。
考えてやっている動作ではないので、意識してはいないけれど
まず、布団をめくって、後ろ向きに腰掛けて、
足を上げながら寝転がっていると思う。
(今は毎日布団なので、一人暮らし時の記憶を引っぱってみた)

介護保険福祉用具レンタルのモニタリング(委託業務)で訪問してよく目にするのが、
「ベッドに手を着いて、前向きに膝から上がる」という方法。

比較的小柄で、どちらかというとコロコロした体型の女性に多し。
変形性膝関節症などで、膝に痛みがある人もいるが、
痛くない方の膝から上がっているという。

先日訪問したAさん。
上述の、小柄でコロコロしたタイプ。
片方の膝に少し痛みがある。
かなり重度の認知症。(要介護4)

ベッドに膝から上り、そのままペタっとお尻をつけてしまうので、
お尻の下から 足が抜けずに、ジタバタしているとのこと。
ご家族が同居されているので、早いタイミングで 救出(?)されるらしいが。
家族としては、腰掛けてベッドに上がれるように、できるだけ誘導しているそうである。

ここで問題になるのが ベッドの高さ。
膝から上がろうとすると、ベッドは低めのほうが上がりやすい。
Aさんも 身長約145cmで、ベッド高さは35cmだった。
この高さだと、無意識に腰かけると ドシ~ンと座ることになる。

腰掛けて楽に立ち座りが出来る高さ・・・・に調節すると40cmほどとなった。
膝からは 上がりにくい。
が、慣れた動作なので、声かけや、手をひいて誘導しないと、
手をついて膝から上がろうとする。
膝から上がるには、危険・・・・・

ご家族に、様子を見ていただき、できるだけその都度、
必要な高さに調整していただくように今回はお伝えした。
(電動ベッドをレンタルされているので、高さ調節が可能)

慣れた動作を変える・・・ということは、けっこう困難である。
(母をみていてもそう思う。)

今回は、ベッドの上がり方について、ご家族からの相談だったけれど、
どうやってベッドに上がっているか・・・というのを、
家族が知らないケースも多い。
要介護度が低い場合は、知らないという方が多い。

ベッドの高さ調節機能を全く使ったことが無いというケースが多いことも
これまでのコラムで書いてきた。

用具を上手く活用するには、まず、そもそもの動作を知らないと。
その上で、何が不便で、不自由で、
だからどうしたいのか、どうなりたいのか。

じっくり、しっかり、みて、きくこと。
家族にも、無理のない範囲で、その意識を持っていただく。

ご家族も、ご利用者さんも、
「なかなか誰も そんなに きいてくれない」という。
「忙しそうで~・・・」と遠慮してはる。
(いや、そもそもケアプラン作成とは、そこからやろうと思うけど・・・)

ケアマネも業者も、滞在時間は 驚くほどわずか。
(さすがに、訪問回数は規定があるので、最低限は守られているだろうが)

表現は難しいけれど、
クレーマー的な相手に振り回されて 
そうでない人への対応の時間が削られているのだろうか。

介護保険財政の逼迫、制度の見直しなど、介護保険そのものに対する要望、課題は
山積みである。
何よりも現場が、時間がないことにがんじがらめなことが、一番の問題。

しかし、「時間は、つくるもの」
そう、その気があれば、わずかな時間でも見つけられる、聴けるのだ。

“とろい”と言われ続けて ン十年の私の実感。
生の声をたくさんきいて、伝えて行きます。 

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