マイベストプロ神戸
TEX 二井原

英検1級取得者によるオンライン個別指導のプロ

TEX 二井原(てっくすにいはら) / 英語講師

英語パーソナルジム HIET(ヒート)/ High Intensity English Training

コラム

英検1級 は読解問題の比重が軽すぎる

2023年10月10日 公開 / 2023年12月2日更新

テーマ:英検

コラムカテゴリ:スクール・習い事


本記事は独学・国内学習による
英検1級保持者が書きました。


今回は久しぶりの英検受験で感じたことを書きます。

英検1級の解答速報で採点をしました。

問1語彙問題:20 / 25
長文空所補充:6 / 6
長文内容一致:9 / 10

リスニングは問題に形跡を残さなかったので、自己採点不可。

ライティングはこのコラムで公開してきた

テンプレを用いて強引に答案作成しました。

弱点の語彙力は語彙問題に特化した問題集で準備しました。

ただし、単語集を丁寧に潰す時間を捻出できませんでした。

忙しかったというのは言い訳です。

僕にとって単語集は苦痛そのものなのです。

英検は投下した労力に比例した結果が出る。

あたりまえを痛感した次第です。

さて、

英検協会に訴えたいことがあります。

英検1級は読解問題の比重が軽すぎる


ということです。

これは語彙問題の比重の高さに起因します。

現状の英検1級は読解問題を必ずしも攻略する必要が無い

配点になっています。

この事は英検1級の価値を棄損しているのでは。

とにかく単語集をガリガリと暗記する。

例えば「英単熟語EX」と「究極の英単語4」のマル覚えに徹する。

これで満点かそれに準じる得点になりますよね。

僕には能力的にも気力的にもムリですが 。。。

ライティングは万能テンプレートを用いて合格ラインの

スレスレを狙い撃つ。

僕はこのコラムで、英検1級ライティングにおいて、

全ての問題の類題化

が可能であることを実証してきました。

つまり、本当の勝負を避ける戦略をとる。

リスニングは形式対応力が大きく関わるので、

英検に特化した対策を軸に据える。

そのうえで、読解問題は5割の正解で良いとわりきる。

このように考える受験生は少なからず存在します。

これで1次試験は突破できるからです。

英検1級の真の価値は読解能力である論


英検1級の真の価値は読解能力にあるのではないのか。

英検1級における長文読解の厳しさは、

内容一致では正答選択肢の作成哲学にあります。

それは TOEIC のパート7とは作問思想が根本的に異なります。

本文の該当箇所から単語・構文レベルの

書き換えで正答選択肢を作ったりしません。

英検1級の場合は、

該当段落を高度に概念化する

という出題者の信念・設計思想が貫かれています。

その結果、キーワードをピックアップする

ような読み方とは相容れません。

単なる「情報処理能力」の測定テストとは

一線を画するホンモノの読解力測定なのです。

同じことは空所補充問題にも言えます。

英検1級の問題では、

コロケーションやフレーズの知識で

瞬時に正解が決まることはありません。

ブランクが出現する段落全体の内容を

吟味、咀嚼したうえで、選択肢に頼るのではなく、

自分主導でその空所に必然的に要求される言語内容を想起する。

このような深い文章理解能力が試されているのです。

文章に対する本質的な向き合い方を

意識的、または無意識に出来る人はほとんど間違えません。

内容に関しては、

神羅万象をリアルに捉えた文章である事が特徴的です。

今回の長文では、スペイン人による先住民への残虐行為

が生々しく描写されていました。

単に「歴史」という頻出ジャンルで捉えるのではなく、

英検1級が常に迫ろうとしている独自視点を意識したいのです。

「歴史的事象の通説」に対する文献主義による「史実の再構築」

更には、

アングロサクソンの残虐性に対する直視

歴史系は常にこの根底テーマに向かうと言っても過言ではない。

歴史教科書的でない視点を英検1級の文章は問題提起します。

ゆえに、

英検1級の真の価値は読解問題にあるのです。

リニューアルで読解問題が減る


先日、英検協会がリニューアルを発表しました。

英文英語要約が追加されますが、これは暗記では対応できません。

どんな英文が出題されるかを予想出来ないためです。

暗記偏重の是正処置という見方も出来ます。

個人的にも支持します。

でも、

この変更に伴い押し出される形で読解問題が減るとのこと。

これにより、英検1級合格のための一般的戦略として

読解問題に投下する労力を減らすことになります。

結果、英検1級の証である「ホンモノの読解力」

を習得することなく英検1級ホルダーになる人が産出されるでしょう。

「トレードオフ」原理に異議を唱えても不毛でしょう。

でも。切ない気持ちになるのは僕だけでしょうか。

今後も英語学習の情報や体験談を発信していきます。

この記事を書いたプロ

TEX 二井原

英検1級取得者によるオンライン個別指導のプロ

TEX 二井原(英語パーソナルジム HIET(ヒート)/ High Intensity English Training)

Share

関連するコラム

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ神戸
  3. 兵庫の出産・子育て・教育
  4. 兵庫の大学受験・共通テスト(センター試験)
  5. TEX 二井原
  6. コラム一覧
  7. 英検1級 は読解問題の比重が軽すぎる

© My Best Pro