マイベストプロ神戸
TEX 二井原

英検1級取得者によるオンライン個別指導のプロ

TEX 二井原(てっくすにいはら) / 英語講師

英語パーソナルジム HIET(ヒート)/ High Intensity English Training

コラム

大学入試共通テストの重大な不公平

2023年10月4日 公開 / 2023年12月2日更新

テーマ:大学入試

コラムカテゴリ:スクール・習い事


本記事は独学・国内学習による
英検1級保持者が書きました。


今回は大学入試共通テストにおける

深刻な不公平の問題を考察します。

まず、2024年度の大学入試概況を各社が

出し始めています。

概要で言えば、

安全志向が高まる予想が一部覆され、

国公立の難関大学ではむしろチャレンジ志向の

トレンドになりそうです。

この背景には少子化が絡む私立大学の

露骨な定員確保が背景にあります。

この問題は近日中に掘り下げるつもりです。

関西圏の私立大学で話題になった事例を

1個だけ紹介しておきます。

京都外国語大学が2023年度入試で

業界をざわつかせました。

志願者の激減と一般入試比率です。

【志願者数】
2019年:5008名
2023年:1140名

一方、ライバルの関西外国語大学では、

2023年度は5705名となんとか持ちこたえています。

それ以上に激震が走ったのは、

京都外国語大学における一般入試入学率が

16%だったことです。

既に学力選別が不可能な状態に陥ったと考えます。

かつて、ノアム・チョムスキーが講演した

名門でした。

僕が受験生の頃は

関関同立に文学部英文学科は存在しても、

外国語学科が無かったために、

全国から英語の出来る生徒が押し寄せる

難関私大の一角だったのです。

僕と同世代の関西人は概ねこの認識です。

年内に推薦で生徒を囲うしかない状況で、

学力選別が出来ていないことで何が問題か。

多くの生徒の英語力が地に落ちている可能性

が高いということです。

これを書くかどうか迷いました。

京都外国語大学がどうのこうのという問題

ではなく、国のメチャクチャな政策による

必然的結果なのです。

減り続ける18歳人口は30年前から

問題視されてました。

その間、新しい大学だけでなく既存の大学の

新学部設置認可を乱発しまくってきたのです。

そのため、

2023年度「私立大学・短期大学等入学志願動向」

で 集計した600校のうち、

定員割れの大学は前年比37校増の320校でした。

定員割れしていない私立大学の多くも、

まともな学力選別ができない状況です。

中国を中心とした大量の留学生を受け入れ、

指定校合格を乱発して、

その場しのぎの延命処置をしているのです。

毎年、大手予備校が偏差値ランキングを発表します。

その偏差値には全く実態がありません。

詳細は改めてコラムのテーマとして述べます。

ひとまず、今回お伝えしたいこと。

私立大学の価値はこの3年間くらいで暴落します。

地方国公立でもよいからなるべく国公立を

目指すのが無難です。

私立大学卒の肩書は一生「チート感」が

漂う世の中になります。

これは避けれません。

ここから、

大学入試共通テストの闇に関して問題提起します。

運営する大学入試センターによると、

共通テストは高校の基礎学力を問う試験と謳っています。

また、全教科で平均得点が60点になることを目指しています。

あらゆる層の受験生の学力を高い精度で測定する目的から、

各問題の難易度には幅をもたせています。

つまり、簡単な問題から難問まで散りばめて、

全国平均を60%の正解率にするために、

問題作チームは苦心惨憺しているのです。

2023年度の平均得点は次のとおりです。

(受験者数 471,313人)
教科科目 2023平均得点
英語リーディング 5 3.81/ 100
英語リスニング 62.35 / 100
①数学Ⅰ 37.84 / 100
数学Ⅰ・数学A 55.65 / 100
②数学Ⅱ 37.65 / 100
数学Ⅱ・数学B 61.48/ 100
国語 105.74 / 200
①物理基礎 28.19/ 50
化学基礎 29.42/ 50
生物基礎 24.66/ 50
地学基礎 35.03/ 50
②物理 63.39/ 100
化学 54.01 / 100
生物 48.46/ 100
地学 49.85/ 100
世界史A 36.32/ 100
世界史B 58.43/ 100
日本史A 45.38 / 100
日本史B 59.75/ 100
地理A 55.19 / 100
地理B 60.46/ 100
公民現代社会 59.46/ 100
倫理 59.02/ 100
政治・経済 50.96/ 100
倫理,政治・経済 60.59/ 100


これを概観したうえで、共通テストは外国語の

中の選択肢として英語が入っています。

英語以外の昨年度の平均得点は次のとおりです。

フランス語 65.86
中国語 81.38
韓国語 79.25

これでも得点調整は実施されません。

大学は国民の税金で運営されています。

私学であっても、莫大な助成金が投入されています。

国家の将来の人材を育成するための神聖な場です。

実際に大学によって人生が大きく変わりますよね。

よって、文科省(国家)が管轄する共通テスト

は、どんなテストよりも公平性が担保されて

然るべきです。

にもかかわらず、このように韓国語と中国語

の得点優遇とも見える実態に関して、

僕たち講師仲間では毎年疑問の声が上がります。

さらに深刻な闇を指摘します。

共通テストの外国語で中国語・韓国語の受験者

の多くがそれぞれの言語を母語として

話すネイティブスピーカーであると言われています。

中国、韓国は世界有数の受験競争で有名ですよね。

日本とは比べ物にならないほど厳しい状況にあります。

その結果、自分の国で進学するよりも日本の大学の方が

有利になると考える受験生までいます。

実際、中国人向けの大学受験予備校もあります。

ここで、次のような反論があるかもしれません。

「英語の場合もネイティブスピーカーが受験できる

から中国語と韓国語に対する非難はフェアではない」

この種の議論は妥当性がありません。

前提となるのは、

大学入試で英語が課される意味なのです。

大学入試で英語が課される理由は、

① 英語が影響力を持つ国際言語だから

② 将来、ビジネスで役に立つ可能性が高いから

③ 日本の政策はアメリカとの関係を重視しているから

全部違います。

大学入試で英語が課される理由は、

学問が英語で運用されているからです。

そして、大学は学問を探求する場です。

よって、大学は英語で専門分野に関する

知見を深めるために、英語力は前提条件になるのです。

国公立の2次試験、難関私立大学の入試問題で、

アカデミックな内容の英文が出題される理由も

ここにあります。

ついでに「学術論文」に関しても確認しておきます。

「学術論文」「論文」とは英語で書かれた文献を指します。

日本語や中国語、韓国語で書かれた「学術論文」

は存在しません。

仮に存在したとしても、それには学問的価値が

無いのです。

なぜなら「論文」の内容は世界中の学者が

その内容を検証できることが絶対条件だからです。

これが世の中の仕組みです。

以上を踏まえて、

英語の能力を測定することを回避できる

仕組みにすること。

中国語や韓国語で共通テストを受験できるように

すること。

その平均得点を80%にすることにに対する

合理的理由はあるのでしょうか?

文科省に代わって説明できるという方は

ご連絡ください。

ただし、これに関しては責任者である

 森山 正仁 文部科学大臣

に説明責任があります。

[[https://www.mext.go.jp/b_menu/soshiki/daijin.htm]]

ご本人のホームページから

メールでこの件に関する見解をお聞きしようと

しましたが、あいにく電話番号だけで

メールは存在していませんでした。

今後、何らかの手段で一次情報である

デジタルデータでご回答いただくことができれば、

全国民にシェアします。

これを見た方で万一お知り合いの方が

おられたら、繋いでいただければ幸いです。

今後も英語学習の情報や体験談を発信していきます。

この記事を書いたプロ

TEX 二井原

英検1級取得者によるオンライン個別指導のプロ

TEX 二井原(英語パーソナルジム HIET(ヒート)/ High Intensity English Training)

Share

関連するコラム

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ神戸
  3. 兵庫の出産・子育て・教育
  4. 兵庫の大学受験・共通テスト(センター試験)
  5. TEX 二井原
  6. コラム一覧
  7. 大学入試共通テストの重大な不公平

© My Best Pro