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TEX 二井原

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TEX 二井原(てっくすにいはら) / 英語講師

英語パーソナルジム HIET(ヒート)/ High Intensity English Training

コラム

旺文社ターゲットシリーズ 英検1級 改定

2023年9月13日 公開 / 2023年12月2日更新

テーマ:英検

コラムカテゴリ:スクール・習い事


本記事は独学・国内学習による
英検1級保持者が書きました。


旺文社の英検1級 ターゲットシリーズ3部作の

問題集が改定しました。

英検1級対策の教材は極めて限られています。

英検1級受験者のほぼ全員が演習問題をすべき問題が無いと感じているはずです。

また、かなりでかい書店でなければ準1級までしか販売していないはずです。

ちなみに、英検1級の過去問は旺文社が独占販売しているので、

過去に遡って中古をネットで買う場合でも値段が高騰しています。

この事実上「独占販売」に対してもいずれツッコミを入れますが、

今回は旺文社、英検分野別ターゲット3部作の改定があったので、

実際に問題を解いたうえで忖度抜きの率直感想を述べてみます。

英検1級単語・熟語問題 改訂版


問題は刷新されていました。いいですねぇー。

この英検1級語彙問題の対策本はレベルがずいぶん上がりました。

改定前のものは、正解選択肢以外の語句の日本語が巻末に掲載されており、

コロケーションの解説もほとんどなかったので、

受験者はJapan Timesの完全制覇に頼らざるをえない状況でした。

今回の改定では、田中亜由美先生の筆が冴えわたります。

英語を本当に分かっている人のエレガントでシャープな解説です。

何度でも噛みしめたくなる1冊。

1級保持者にとってもやる間違いなく価値がある問題集でしょう。

星100個です。

ちなみに田中亜由美先生と言えば、

英検1級 リスニング問題完全制覇 Japan Times社の著者でもあり、

この本も素晴らしかったです。

完全制覇では、巻末に先生の顔写真が掲載されています。

とても美しい方で、その意味からもやる気が上がらないはずはありません。

田中先生の輝かしい経歴は次のとおりです。

田中 亜由美 (たなか あゆみ)

上智大学外国語学部比較文化学科卒業。

ペンシルベニア州立テンプル大学大学院教育学修士課程TESOL専攻。

大企業や大学にて役員秘書、通訳などを経験。

1997年より、語学学校および官公庁、企業、大学にて、

TOEIC、TOEFL、英検、英会話などの指導経験を積む。

高度な英語力に裏打ちされた歯切れよく明快かつテンポのよい授業で、

初級レベルから上級レベルまで幅広く、

英語力アップを手助けしてくれる。

保有資格TOEIC990点(全問正解)

英検1級、通訳案内士国家資格

英検1級リーディング問題 改訂版


こちらも素材の英文が刷新されていました。

改定前の英文のいくつかは時代に合わなくなっていたのですが、こちらは安心です。

解説は最小限ですが、英検1級の受験者にとってはうるさい解説よりもむしろ

学習効果が上がるでしょう。

語彙リストをもう少し強化してもよかったかもしれません。

また、空所補充の解答根拠というか、

微妙な間違い選択肢の根拠が薄い場合が少々ありました。

最後の模試に英文のダウンロード音声がありますが、

わざわざ模試の英文のみに音声を限定する意図は図りかねますね。

難度は実際のものよりも易しいので、

受験者は留意したほうが良いと思います。

Japan Timesの英検1級リーディング問題完全制覇は逆に本番よりも難度が高いので、

旺文社のものを先にやるべきですね。

気になるというか、不要な構成になっている点として、

空所補充、内容一致で共に「ウォーミングアップ」と称して

実際の形式を反映しない短い英文が掲載されています。

これが英検1級受験者にとっては不要なのです。

この本を購入した目的は、英検1級の問題演習をするためです。

2級レベルの問題を掲載するのではなく、1級のレベル、形式を守って欲しいのです。

たとえ2級レベルから実力養成が必要な受験者がいたとしても、

この1冊で1級合格レベルに引き上げることは不可能です。

であれば、いったい何の目的でこのような構成にするのでしょうか。

旧版の悪しき構成を安直に引き継いだことに関しては本当に残念です。

旺文社の社内プロジェクトでの作成はよくブレてしまいます。

専門家か大学の先生を主筆に据えて、責任の主体を明確にすべきなのです。

出る順パス単の大胆過ぎる改悪に比べるとぜんぜんましなので、

問題の取捨選択をしたうえで活用するべき本です。

星、3つです。

英検1級リスニング問題 改訂版


旧版で聴いたことがある問題が混じってはいました。

問題の種類を分析したうえで、体系的に配置していることから

対策書としてのレベルは上がったと感じました。

問題の難度ですが、パート2に関してのみ本場よりやや難。

残りのパートは本番レベルを踏襲していると思います。

癖のあるナレーターがいないので、聴きやすい音源で学習効率が高くなります。

語彙レベルに関してですが、

単語は2級までの基礎的語彙でほとんどカバーできてしまうので、

語彙リストに関しては難語に絞ったほうが良いと思いました。

しかし、ここで注意です。

熟語の頻度とレベルが高いですね。

Japan Timesのリスニング完全制覇と比べても明らかな特徴と感じました。

これには誠実な作成意図を感じます。

巻末の重要表現リストでも熟語、フレーズの再掲になっています。

僕自身も実際のネイティブの会話では、フレーズのやりとりが多くて、

ついていけなくなることが多いです。

英検1級受験者は皆、単語を1万5千語レベルとかそれ以上に覚えて、

ゴリゴリ単語マッチョになるのですが、

口語的なフレーズ、句動詞にまでは手が回らないですよね。

そのような方よりに対する啓発と理解しました。

星、4つです。

参考になればうれしいです。



今後も英語学習のお役立ち情報を発信していきます。

[[http://mbp-japan.com/hyogo/english-work-out/]]

この記事を書いたプロ

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