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建設会社 / 元請け、下請け / 工事代金の回収 / 経営コンサルタント / 再生実務

2011年9月27日

コラムカテゴリ:ビジネス

コラムキーワード: 退職 手続き

先日、久しぶりに以前の顧問先に訪問をした。
売り上げ増につながるような情報をゲットしたのでの紹介をすることに・・・

1年ぶりに訪問をして・・・
社長が元気にしていることにホッとした。
知り合った3年前には、「もうダメだ!」そう蒼い顔していたのだが・・・

商品を紹介しようとパンフレットを取りだして説明を始めようとしたら、
社長が資金繰り表と工事受注明細表と契約書を取りだしてきて、
延々と会社の現状説明と悩みと問題点を話し始めた。

経営者は誰かに話をしたいものである、誰かに話を聞いてもらいたいものである、
見栄もプライドもなく話せる人には・・・
それだけ孤独な部分を抱えて社長業をしているのである。

3年前にサブの金融機関に紹介をされて入った時には、
売り上げは3億をきり、2期連続の営業赤字の状況であった。
金融機関にリスケ中に業績を改善をさせてほしいという依頼であった。

2年をかけて、売り上げは4億円以上、営業利益は1千万円程度になった。
利益が出たら、メイン銀行から元金返済の話が・・・
そこで社長と銀行の話の行き違いがあり、経営コンサルタントを排除することになり、
私の経営コンサルタント期間が終了をすることになった案件である。

サブの金融機関からの紹介で入って、倒産回避、企業再建、事業再生の道筋が見えてきたら、
メインバンクが元金の回収を急ぐあまりいろんな難癖をつけてきたので、
一つ一つウソや間違いや言いくるめようとすることを社長に抗弁手法をアドバイスをしていたら、
それがメインさんとしては面白くなかったらしいのである。

申し訳ないが、銀行の支店の行員さんである。
再生事例の案件数も違えば、修羅場の数も違うのである。
銀行ができるいろんな対応手法も、はるかに私の方が知識が多いと思われる。

歯が立たない、邪魔になると感じたら、何を言うかと思ったら、
経営コンサルタントに支払っている費用を銀行に返済するようにと・・・
オイオイ!ではあるが・・・

銀行員はプライドが高い。
自行以外の情報が顧客に入ることを望まない銀行員が多いことも事実である。
銀行のためになって顧客のためにならない、それに腹を立て憤りを覚え、
銀行を退職した銀行員さんも数多く知っている。
そういう方との交流は多いのであるが・・・

私は顧問先のためになることなら何でもいいと思う。
だから、会社の方向性も見えてきていたので、顧問契約を快く解除することにした。

社長が最後まで・・・
「こんな汚い条件で経営コンサルタントを排除しようとするなんて・・・」
「銀行員が売り上げをあげてくれる指導をするわけでなく、利益の出し方を指導するわけでもなく、
孤独な悩みを聞いてくれたわけではなく、これから誰を頼ればいいのですか?」
そう言っていただけたことに、関与して良かったと・・・

その後も・・・
電話での相談は何度となく対応してはいたのだが、1年ぶりの再会である。

今度は工事代金が回収できない。
元請けと口約束で工事を請負い完成したら、約束しただけの工事代金をいただけない。
不思議に思うかもしれないが、田舎の土建屋ではよくある光景である。

バカな経営コンサルタント事務所の先生は・・・
「工事の請負契約書を交わすようにしましょう!」
それが答えになってしまうのですが。。。

相手は田舎の公共工事を中心に受注する元請け100%建設会社である。
いつも大きな声で大風呂敷の話を語り、893を知っていることをいつも自慢な社長、
それで同業者を威嚇して受注している昭和時代の経営手法の会社である。

話は大きいがケチ、いつも支払いは汚い、約束通りは支払わない、
そんな古い小金持ち土建屋オーナーのパターンである。

よくある経営者からのお悩み相談である。
解決方法には3種類くらいの方法がありますと説明をして・・・
・政治家を使って役所に圧力。
・弁護士を使って業者に圧力。
・県の紛争協議会を利用して回収。
内容は長くなるので除くが・・・
これらの手法で相手の建設会社は白旗の完全降服である。

会社は生きている、だからこの3種類の中でベターな答えを選ぶ。

893のことも社長さんは気になる様子なので・・・
その社会の人間が動く根拠を説明。
・カネになる時。
・自分のメンツにかかわる時。
・親分や兄貴分の指示が出た時。
今回はこれらのどれにも該当しないので、何もおきないことを社長に説明。

答えとして、アドバイスとして、・・・
「そんな時には警察に行けばいいんですよ!」
そう答える方もいるかもしれないが、それは現場での実務の答えではない、机上の空論である。

社長に明るい笑顔が出た。
「すいません、どうしても来月末の資金繰り上、その工事代金が必要だったので・・・」
「電話をして相談をしようと思っていたところに、ちょうど会社に来られる話があったので・・・」
「銀行にも事情を説明したら、以前のコンサルタントの先生に相談したみたら? そう言われたんです。」

オイオイである。
「後の会社の経営指導は当行で行いますので・・・」
そう私に言った銀行員が・・・
相談の答えが言えないようなことのなったなら、こんな発言をしたらしい。
社長もだが、私も少し不快感を覚えたのは当然でしょう。。。

資金繰りとこの相談、これで3時間。
商品の紹介は5分、中身を見ることよりも、今は大切なことがある。
工事代金の回収である、フットワーク軽く即座に動けるようになった社長に成長の跡がうかがえた。

しかし、である。
最後に社長から・・・
「うまく先方の社長と話ができなかったり、弁護士さんや政治家に会う時には、
お忙しいでしょうが都合で一緒に行ってくれませんか?」
うーん、この気の弱さには成長の様子がうかがえない。

それでも・・・
今の社長は大きくなっている。
会社の経営内容も良くなっている。

久しぶりの再会でした。。。


HP:DSKプランニング 
     http://www.dsk-p.jp/

この記事を書いたプロ

網師本大地

現場第一主義を貫く中小企業再生のプロ

網師本大地(DSKプランニング)

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