震災　／　破産　or　廃業　／　経営相談　／　復興への企業再生アシスト

昨日の夜遅くにTELが鳴った。
よくあることだが、10時も過ぎていたと思う。

65歳の社長夫人である。
建設関係の工場を経営されていたらしい。

今度の震災で事務所も工場も倒壊したらしい。
両親を心配をしていた娘さんから、私のHPとブログを教えてもらい、TELしてきたらしい。

相談内容は・・・
子どもは娘さんばかりで後継者はいない。
金融機関への工場建設時の返済が半分以上残っている。
モラトリアム法に基づく返済猶予を受けている。

社長と奥さんは避難所で1週間を過ごした。
今は娘さんのところに一時避難をしている。
できることなら、元の場所に帰って夫婦で暮らしたい。

いろんな答えがあるであろう。
机上の空論の経営コンサルタントは、これから復興の建設特需があります。
工場を新設して再開しましょう、そんなアドバイスもあるかもしれない。

詐欺のような経営コンサルタントは会社分割を勧めるかもしれない。
今では化石のような再生手法を・・・

私の答えは・・・
社長も奥さんも65歳という年齢を考えれば再建は難しいでしょう。
後継者もいない中で、再建の意欲もないでしょう。

会社の破産と自己破産の費用はあるのか？
夫婦ともに年金の支給は受けているのか？
住む場所や家はあるのか？

個人資産を現金化できるものは何があるのか？
元の場所で暮らすなら、近所の取引先でどんな会社があるのか？
次回の金利の返済、手形の大きな決済はいつになるのか？　いつまで手形が決済できるのか？

一つ一つの質問に奥さんが答える。
その一つ一つにアドバイスをしていく。

奥さんの不安が消えていく。
奥さんがホッとしたのか、電話の向こうですすり泣く声が聞こえる。

どうも・・・
どこかの商工会の中小企業診断士の相談員に相談をしたらしい。
こんな融資制度がある、こんな返済猶予の制度がある、そんな答えであったらしい。
これからは建設需要が高まります。復興の特需が始まりますから頑張りなさいと・・・

確かにごもっともである。
立派な答えである。
それで娘さんに教えてもらって、駄目もとで電話をかけてきた様子。

奥さんに・・・
「世の中に死んで責任を取らなければならないことは一つもありませんよ。。。」
「そう社長さんに伝えてください。。。」
その言葉に安心をしたようで、奥さんは元気な声で主人に伝えますと・・・

1時間弱の電話であったが・・・
元気を取り戻して、また二人で生きていこう、そう思っていただけたようなので安心した。

震災で困っている中小企業はたくさんあるであろう。
どこの経営コンサルタントも無料相談などと言ってはいるが、どこまで本気なんでろうか？？？
単なる客集めだけの経営コンサルタント会社もあり腹が立つ。

ボランティアや被災地の中小企業に無料の経営相談？？？
潰れていく会社に最後までカネを取るような経営コンサルタント会社がボランティア＆無料相談？？？
いろんな人がいます。　本当に気をつけていただきたいと思います。

再生や再建や改善や販促が経営コンサルタントの仕事ではない。
破産や廃業の現場も知りながら、中小企業の社長に何が一番ベターなのか？
それが答えてあげられることが大切なことだと思う。

再生実務家も医者も同じ。
どんな神の手のようなテクニックを持っていようと助からない命（会社）もある。
本人（会社）の事情で延命をしないことが答えである時もある。

静かに・・・
廃業と破産を進めていく。
これ以上、迷惑の度合いを大きくしないために・・・

それも・・・
経営者にとっての、大切な大切な経営判断である。



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しかし、不思議である。
どんな検索キーワードで私にたどりつくのか？

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