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バルコニーのない家⑦~バルコニーがない方が地震には有利

鈴木敏広

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テーマ:住宅の変化

壁から持ち出し形のバルコニーは、地震対策としては不利です。

バルコニーを横から見れば、外に出ていて下には壁がありません。地震に弱いことを知っている業者などは、バルコニーの下に一部壁や柱などを設けた家もありますが、あまりたくさんの壁を立てれば日の光が入りにくくなりますから、地震対策としては十分な壁を配置できません。バルコニーにかかる力は、他の壁(下の図参照)が負担することになります。

バルコニーない⑦

この場合バルコニーを支えるのはバルコニーの長手方向に対して直交の壁です。長いバルコニーになると壁を分散して室内にも配置しないといけません。ただ、バルコニーはほとんど日当たりの良い方向に設けます。リビングなどで広い部屋の前にバルコニーがあると、狭くなってしまいますから壁をたくさん設けたくはないのが本音です。

いずれにせよ、 地震のことを考えればバルコニーはない方が良いのです。

②に書いたインナーバルコニーなら大丈夫と考えるかもしれませんが、下の絵のように家の出隅に作ることがほとんどです。出隅部分に窓のように壁に開口部を開けて日の光や風を入れますから、角に柱がある程度で耐力壁とはならないのです。屋根が上に乗っていると考えると角には耐力壁があった方がいいのです。

バルコニーない⑦-2


私は、自分の設計でバルコニーを持ち出し式で作ったことはありません。アルミ製のバルコニーを採用しています。アルミ製は軽いことと柱が地面まで立つことと木造の建物とは構造上繋がっていませんから、地震が来てもほとんど家には影響がありません。

次回は、『バルコニーのない家⑧~バルコニーがなくなった理由は予算?』です。


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鈴木敏広(一級建築士)

まちの大工さん 鈴木工務店

木造住宅からマンション、市の施設まで建築業界の最前線で培った経験を生かし、安心、安全、快適で長く暮らせる住環境を提案。大工経験から現場の声を大切にする家づくりは職人にも施主にも好評。リピート率も高い。

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