結露②~昔の日本の家
以前の断熱工法ではこのような事は起こりませんでした。現代の断熱工法だと起きる理由は、断熱材の性能が上がったためです。断熱性能が上がるとは、断熱材の密度が上がる(断熱材自体の性能を上げる)又は厚みが厚くする(厚くして性能を上げる)などが考えられます。断熱材の性能が高くなると水蒸気は入りにくくなりますが、入ると出にくくなります。この記事の家では、通気層の量は十分なため、断熱材の外側は乾いても、中に入った水蒸気が乾くほどではなかったと考えられます。
何度もこのコラムで書きましたが、私は「通気断熱WB工法」を採用しています。より高断熱住宅にすれば必ず夏型結露が起きると考えていましたから、東三河地方で初めて採用したのです。
WB工法は断熱材を挟んで室内側と室外側に空気層があり、水蒸気がどちらから来ても排出されるように作っています。このように壁の断熱材を挟んで二つの空気層がある工法を2重通気工法と言います。外張断熱工法と呼ばれる柱の外側から断熱材を張る工法も2重通気工法です(WB工法採用のいきさつはコラム(WB工法を採用して10年⑧ )を参照してください)。
記事の家も形としては2重通気工法になったようです。ただし、室内側の通気層ではなく、そのままの室内ですが。壁の中の水蒸気を2カ所に逃がすことは同じです。
コラム「冬向きの家⑬」(冬向きの家⑬参照 )に日本には四季がある、日本に向いた断熱工法でないとダメだと書きました。コラム「結露⑭」(結露⑭参照 )にこれからは内部結露が問題と書きましたが、現実なったようです。これから私が住んでいる地域のように、夏に太平洋からの高温多湿な空気がくる場所では同じようなことがたくさん起きると思います。
次回は、『夏型結露2⑧~見えない内部結露の恐ろしさ』です。
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