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鈴木敏広

長く愛される住まい作りにこだわる一級建築士

鈴木敏広(すずきとしひろ) / 一級建築士

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コラム

住宅の健康③~結露が住宅の寿命を短くした? その1

2021年7月20日

テーマ:結露

コラムカテゴリ:住宅・建物

A氏の本では、②に書いたように日本の家が26年しか持たない理由は低気密低断熱の家を作ったためで、そのために内部結露で家が傷み日本の住宅は寿命が短くなったと書かれていました。また、内部結露の説明も「暖かい部屋の空気が北の寒い部屋に移動することで内部結露を起こす」と書かれていました。

住宅の健康③-1

A氏が気密の悪い家では、暖かい部屋の空気が日の当たらない北の冷たい部屋に移動して壁の中などに入り、内部結露すると考えているのなら大きな間違いで、気密が悪ければ暖かい部屋の空気はその部屋の床下、壁の中、天井裏にもどんどん入っていき内部結露します。そして、その部屋の床下、壁の中、天井裏から、また入り口の隙間などから出た空気が 温度の低い部屋などに移動します。

住宅の健康③-2

A氏の「暖かい部屋の空気が北の寒い部屋に移動することで起きる結露」とは普通は表面結露のことです。北の部屋は温度が低いのですから暖かい空気は温度の低い物(家具や内壁、床、窓ガラスなど)に当たれば表面結露します。表面結露と同時に内部結露も起きますが、温度差が大きいほど結露はひどくなりますから、空気が温度の低い部屋へ移動すると温度が下がるため、結露しにくくなります。

つまり、気密の悪い家で暖房をかけると、暖かく水蒸気を含み力のある空気はその部屋から家全体に移動して表面結露、内部結露します。A氏の書いているように、暖かい空気が他へ行かずに北の部屋へ移動してから内部結露することはありません。表面結露は物に当たれば結露しますから、順番としては内部結露より先になるはずです。

次回は、『住宅の健康④~結露が住宅の寿命を短くした? その2』です。


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