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熊本地震で分かったこと⑨~直下率

鈴木敏広

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テーマ:地震

2016年10月9日放送のNHKスペシャル「あなたの家は持ちこたえられますか」で直下率のことが取り上げられました。

直下率とは、2階建て以上の建物で、どれだけの柱や壁が同じ位置にあるか柱、壁それぞれ計算して%で表したものです。2階建ての建物なら1階の柱の上に2階の柱がある、1階の壁の上に2階の壁があれば、屋根の重さなどの垂直の力、地震などの横の力を受け止めてスムーズに下に伝えることが出来ます。その割合が大きいほど直下率がいいことになります。

熊本地震で分かったこと⑨

2階建ての場合、一般に柱が60%以上、間仕切り壁が60%以上、耐力壁で50%以上の直下率が望ましいとされています。間仕切り壁とは、耐力壁やドアなど家の壁全てと考えてください。直下率は、法律などで計算方法が定められていません。考え方はいろいろありますので、上記の数字が絶対ではありません。会社によっては独自に決められている業者もいます。

どちらにせよ、直下率が高いほど力の流れがスムーズになり、家全体で外力を受けることに間違いはありません。また、壁の両側に柱が立ちますから、壁の直下率が高ければ柱の直下率も上がることになります。

直下率などと漢字で書くと難しいことのように思えますが、柱の下に柱がない、壁の下に壁がないことを想像していただければ、j上下にあった方が安心できると思います。

次回は、熊本地震で分かったこと⑩~築10年以内で倒壊した原因は直下率が低い です。

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鈴木敏広(一級建築士)

まちの大工さん 鈴木工務店

木造住宅からマンション、市の施設まで建築業界の最前線で培った経験を生かし、安心、安全、快適で長く暮らせる住環境を提案。大工経験から現場の声を大切にする家づくりは職人にも施主にも好評。リピート率も高い。

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