マイベストプロ山梨
伊藤龍吾

「日本人の心」を追求する空手指導のプロ

伊藤龍吾(いとうりょうご) / 格闘家

新國際空手拳法道「士衛塾」山梨県支部

コラム

~ 士衛塾空手を通して、伝えたいこと 28 ~

2020年5月8日

テーマ:伝えたいこと

コラムカテゴリ:スクール・習い事



士衛塾山梨の門下生に向けた、私からのメッセージを過去のニュースより転載します。

2019年 11月号 士衛塾山梨ニュースより

■蹴拳杯、ありがとうございました■
 9月21日開催した7回目となる主催大会「蹴拳杯」へのご参加、誠にありがとうございました。大会はそれに携わるすべての方々のおかげと姿勢によって成功か否かが決ると言っても過言ではありません。今大会は皆様のご協力で成功裏に終えたと思っています。
 私たちも様々な他流派の大会に参加していますが、せっかくの参加選手やスタッフ審判・運営が素晴らしい大会なのに、客層(つまり保護者等)が良くない。負けた選手を親が怒鳴りつけたり、今ではあまりありませんが、時には手を出したりしている光景が目に入ると、その大会の価値を下げてしまいます。そういう意味も含め、蹴拳杯はよい大会になったはずです。
 
 さて、今大会を振り返って私は3つのことを感じました。
 ひとつは、参加選手ひとりひとりが精いっぱい頑張ったこと。選手はあのコート上において一対一で戦います。周りにも見られています。緊張しないわけがありません。もし自分自身がそうだったらと想像してみてください。たくさん試合経験がある私でさえ、緊張します。自分の意志で試合に申し込んでおきながら、試合数日前には「なんで申し込んでしまったのだろう」、当日には「対戦相手全員が来なければいいな」、大変不謹慎ですが「地震が来て試合が中止にならないかな」と思います。選手たちは、試合当日だけ相手選手と戦っているわけではありません。その前から自分自身という、とても強大な敵と戦っています。そんな選手たちに対して、負けてしまっても決して怒らないでください。選手たちは親御さんたちの思いを小さい背中に背負って一生懸命に戦っているはずです。なんて素敵ですごいことでしょうか。試合で成長しないわけがありません。
 ふたつ目は、男子シニアで準優勝した「小野浩二さん」です。56歳で空手をはじめ、現在58歳。結果は1勝1敗で準優勝でした。今回、三つ巴の対戦相手は二人とも新潟のシニアの二人。小野さんが勝利したのは、なんと身長差21センチ、体重差33キロ、年齢差19歳の高野さんでした。この差は危険かもしれないと思っていたので、試合前に審判団に「危なくなりそうになったら、すぐに試合を止めるように」と言っていたし、本人にもその旨を伝えました。試合は選手の安全が一番です。審判はそこに一番注意を払います。しかし、小野さんは素晴らしい戦いでこの差をものともせず勝利しました。一般論として、この差での勝利は難しいと思います。しかし、小野さんはやってのけた。人間、いくつになってもできるのですね。体格のハンデ、年齢のハンデを超えました。それをやったのは、子どもではないのです。58歳の世間では、おじいちゃんに近い人です。人の挑戦や成長は年齢なんて関係ないことを小野さんは自ら証明しました。しかもまだ7級の黄色帯です。少なくとも小野さんより若い年齢で、挑戦や成長をあきらめたり、自分自身に手を抜いている人、立ち止まっている人。いろいろと理由をつけて動かない人。見習ってください。やるべき方向を指し示してくれています。すべては自分自身の問題です。
 3つ目は、今後のレベルアップの問題です。
毎回、組み合わせは、山梨の選手にとっては、試練を与える意味で、できる限り厳しい組み合わせにしてあります。それもあろうと思いますが、多くのカテゴリで最下位争いをしていました。今回の優勝者は、25カテゴリで4名のみ。ちなみに2018年は27カテゴリ11名、2017年は31カテゴリで8名、2016年は30カテゴリで9名でした。優勝者が年々減っていくという状況です。この大会は黒帯は出場できない大会です。この数字から見いだせることは単純ではありませんが、一言でいうと黒帯を除いた全体が思ったように成長していないことです。危機的状況だと私は思っています。8月に発行したこのニュースでも「練習のレベルアップをしましょう」と呼びかけましたが、現在の状況が結果として表れてしまいました。特に勝ち負けにこだわらなければ何も問題ありませんが、やはり指導する側はとしては、せっかく試合に出るのだから勝たせてあげたいと思っています。しかしながら、なかなか練習に来なかったり、現状維持で上のレベルの練習をしてくれない場合、どんな優れた指導者でも、選手にレベルアップをさせるのは難しいです。
 そこで、再度呼びかけたいと思います。ぜひ、上級・選手クラス練習に参加してください。白帯でも初級者でも全く関係ありません。むしろ、その子たちの方が成長する速度は速いです。今の黒帯の先輩たちもまだ初心者のうちから参加してきました。ぜひご参加をお待ちしています。

■甲府東支部■
 9月より、私の職場に近い甲府市朝気のホテルクラウンパレス甲府の会場をお借りして新たに甲府東支部をオープンしました。見学にもたくさんの方々に来ていただき、入会していただいたり、本部への入会していただいたりしています。新しい出会いはとても楽しいです。そして、その子らの成長する姿を見たり、想像したりするのが嬉しいです。誰もが「何も知らない、何もできない」ところから始め、上手になっていく。振り返ってみて過去の自分の動画を見るととても恥ずかしく感じます。どんな強い先輩も、はじめはみんな同じでした。スタートラインは一緒です。そこから始めて過去に努力した結果が現在です。未来を見据え、丁寧に努力を積み重ねるチカラを持ってもらいたい。
 さて、オープン以来、毎週協力してもらっているのが矢﨑凜夏です。この支部では彼女の協力あってこそです。技の見本になってくれたり、手取り足取り教えてくれたり、ミットを持ってくれたり、本当にありがたい存在です。決して出しゃばりませんが、存在感は大きいです。いつもありがとう。

■簡単にあきらめられない■
 価値観の問題ですが、容易く手に入れたものは容易く捨てられます。苦労して手に入れたものは簡単に手放せません。試合に負けたり、審査会に落ちたり、周囲に馬鹿にされたり、みなさんは本当に悔しい思いをしましたか?私は本当にたくさんあります。時には期待していた子に裏切られたりもしました。本当に悔しいことを経験し、絶対に見返してやると思っているからこそ、簡単にはあきらめることはできません。最高に悔しい思いをしているからこそ、あとは、それ以上に嬉しかったこと、感動したこととなり自分に返ってきます。物事を簡単にあきらめるということは、それに取り組んできた自分自身の適当さを認めることであり、自分自身をもあきらめるということです。何か不都合や嫌なことがあったり、上手くいかなくなると逃げ出してしまう。「あきらめ癖」や「やめ癖」はつけない方が良いです。真の勝利者は一時期素晴らしい成績を残し去って行く者ではなく、成績は無くとも「今もやり続けている」現在進行形の者です。やるべき時に一生懸命にできる子たちを育てて行きたいと思います。

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伊藤龍吾

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伊藤龍吾(新國際空手拳法道「士衛塾」山梨県支部)

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