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伊藤龍吾

「日本人の心」を追求する空手指導のプロ

伊藤龍吾(いとうりょうご) / 格闘家

新國際空手拳法道「士衛塾」山梨県支部

コラム

~ 士衛塾空手を通して、伝えたいこと 36 ~

2020年8月4日

テーマ:伝えたいこと

コラムカテゴリ:スクール・習い事



士衛塾山梨の門下生に向けた、私からのメッセージを過去のニュースより転載します。

2020年 8月号 士衛塾山梨ニュースより

 リアル稽古が始まって、ひと月が経ちます。みんなで集まっての練習。コロナ前ならば当たり前のことでしたが、自粛を経て、久しぶりに見る子たちの成長に感激し、みんなで練習ができることに感謝し日々過ごしています。
 当たり前だったことが、当たり前でなくなったとき、その価値の尊さを実感します。困難な時を過ごしましたが、士衛塾山梨ではリアルとLiveなど+αの指導内容を手に入れることができました。それぞれの長所を生かしながら、技術の向上を行っていきたいと思います。
 
 空手はもちろんですが、様々なスポーツの大会が中止となったり、延期となったりしています。特に部活動で頑張った選手たちは大変つらい思いをしています。幸い、私たちは部活動でもスポーツではなく「生涯武道」です。高校野球やインターハイ等で有終の美を飾る必要はありません。そして、引退もありません。試合が燃え尽きるところではありません。日々の稽古こそ、燃え尽きる場所であり、それを繰り返し行うことで、日々自分自身と向き合い、己の成長を遂げていくのです。スポーツはスポーツの良さがもちろんありますが、武道には武道の良さがあります。
 試合がない今だからこそ、試合のスケジュールや対策に追われずに徹底的に「基本」と向き合い、土台を強く強固なものにし、広く高くしていく、今までになかった絶好のチャンスです。身体の使い方、軸の取り方、意識・イメージをすること、必要な筋力をつけること、武器や防具となる身体の部位の鍛錬など、すべて「基本」です。テクニックのみを追求し、基本を疎かにするものはいずれ成長できなくなります。逆に、テクニックは基本の応用なので、すぐにできます。ただし、「基本さえできていれば」の一言に尽きますが。

 以前から気になっていたのですが、上記のことと関連してお話しします。
 特に蹴りの足の形ができていない生徒がいます。初心者なら問題ないのですが、何カ月も何年もできない方がいます。手技には正拳・手刀・熊手その他にもたくさん種類があります。基本の足技では3つ教えています。基本蹴りや前蹴りの足。回し蹴りの足。足刀の足です。この3つがなかなかできないでいる。もし、手刀打ちを手刀の手でやらなければ手刀打ちではありません。当たるべき武器が不完全な状態では技として成り立っていません。もちろん足技も同様です。基本蹴りを「中足」で行わなければ基本蹴りという技にはならないどころか、自分自身が怪我をする危険が伴います。
 週一回練習する方が、基本蹴りを行う回数は、一週間で10回です。片足で5回。次の練習は来週。その練習(5回)だけで何とかしようとするから、できないまま、また来週へ…の繰り返しです。できていない技を延々と繰り返しているのです。どこかで集中して形を作れるようにしなければなりません。足は手のように器用にはいかないです。しかし、コツさえつかめば簡単です。そのコツをつかむため意識して集中して練習することが必要です。私も同じように足技の足の形ができませんでした。私が覚えた時は家でコタツにあたり、テレビを見ながら、「前蹴り・回し蹴り・足刀」と頭で言いながら、足の形を練習して3時間くらいでできるようになった記憶があります。つまり、徐々にできるようになったのではなく、集中して(と言ってもテレビを見ながら)いっぺんにできるようになりました。

 「意識・イメージ」をして練習することは、何度も言ってきていますが、なかなか実行するのは難しいようです。これができると成長の速度は格段に上がります。引き手や軸ブレなど、指導されたところを「意識して、正しい技のイメージをつくり」徹底的に集中して短期間で直すことがとても大切です。「ただ聞いているだけ」で自然には、直りません。
技は、それぞれに意味があります。手や足の武器、体軸、脱力などを使います。正しい技をできるようにしっかり練習しましょう。
 特に、動画の課題で指導された方は、「先生が見て指摘した」ことは直しましょう。動画での練習は、細かく指導できるので、ものすごくレベルアップできるツールです。

この記事を書いたプロ

伊藤龍吾

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伊藤龍吾(新國際空手拳法道「士衛塾」山梨県支部)

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