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南アルプス市版『民間施設(フリースクール等)の出席扱いに関するガイドライン』について

中西紀説

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テーマ:不登校

こんにちは!
中西紀説(なかにしのりつぐ)と申します。どうぞ「のんちゃん」と呼んで下さい!

私は山梨県南アルプス市で不登校児の居場所として体験型フリースクール「みんなのおうち」を運営しています。

私自身、中学生の時に不登校を経験しました。その時に負った劣等感・無能感・自己否定感がトラウマとなって40歳まで苦しみ続けました。一時は引きこもりとなり、自殺未遂を図ったこともあります。父親となってからは我が子も不登校となりました。フリースクールを始めてからは沢山の子ども達と関わってきました。

そんな人生を通して得た大切な気付きや想いを綴ります。

南アルプス市版『民間施設(フリースクール等)の出席扱いに関するガイドライン』について



私が居住している山梨県南アルプス市では、フリースクール等の民間施設に通所している子が在籍校において指導要録上の出席扱いを受けるためのガイドライン(フリースクール等の民間施設に求められる一定基準)が設けられています。令和4年5月に案が策定され、試験運用を経て令和6年4月より正式に施行されました。現在、みんなのおうちでは5名の子ども達がこの制度を利用しており、みんなのおうちへの出席が在籍校でも出席扱いとされています。(ちなみに、厳密に言うと「出席扱い」は「出席」とは異なります。出席簿や通知表では欠席と記録されますが、指導要録への記載については出席と同様に扱われることになります。)この制度の意義については以前のコラムに書きましたので、よろしければそちらもご覧下さい。
出席扱い認定の意義とは?

今回はこの制度の概要についてまとめたいと思います。(以下、南アルプス市のHPより抜粋)

「不登校児童生徒への支援の在り方について」(文部科学省通知、令和元年10月25日)に基づき、児童生徒が民間施設において相談・指導等を受ける際に、在籍している学校において指導要録上の出席扱いとすることを判断する際の基準・目安について、以下の通り定める。

1. 不登校支援のための民間施設の実施主体、事業運営の在り方、および透明性の確保について

法人・個人は問わないが、施設の実施主体者は児童生徒に対する相談・指導等を行うことを主たる目的としていること。また相談・指導等を行う中で、児童生徒の社会的な自立を目指す活動に取り組んでいること。
施設の実施主体者が児童生徒に対する相談・指導等に関し、深い理解と知識または経験を有していること。
著しく営利本位でなく、入会金、授業料等が明確にされ、保護者等に情報提供がなされていること。

2. 学校、家庭と施設との関係について

前提条件として、学校と保護者等との間に連携・協力関係が保たれていること。
児童生徒のプライバシーにも配慮の上、学校と施設とが相互に当該児童生徒やその家庭を支援するために必要な情報等を交換するなど、学校と施設との間に、連携・協力関係が保たれていること。
施設での指導経過を保護者等に定期的に連絡するなど、家庭と施設の間に、連携・協力関係が保たれていること。

3. 相談・指導等の在り方について

施設では、児童生徒の受け入れにあたっては面談等を行い、当該児童生徒のタイプや状況の把握が適切に行われていること。
我が国の義務教育制度を前提とし、指導内容・方法、相談手法および相談・指導等の体制があらかじめ明示されており、児童生徒のタイプや状況に応じた適切な内容の相談・指導等が行われていること。
体罰など不適切な指導がなく、児童生徒の人命や人格を尊重した人間味のある温かい相談・指導等が行われていること。

4. 相談・指導スタッフについて

スタッフは児童生徒の教育に深い理解を有するとともに、不登校への支援について知識や経験をもち、その指導に熱意を有していること。
専門的なカウンセリング等の方法を行うにあたっては、心理学や精神医学等、専門知識と経験を備えたスタッフが指導にあたっていること。

5. 施設・設備について

学習、心理療法、面接等種々の活動を行うために必要な施設・設備を有していること。
児童生徒が安全で健康的に活動を行うために必要な施設・設備を有していること。

6. 情報提供・情報の取り扱いについて

児童生徒への相談・指導等の経過や児童生徒の学習状況などが記録されていて、通信表作成のための資料として定期的に学校へ提出できる体制が整っていること。また学校や市教育委員会から求めがあった場合には適切な情報提供を行うことができること。
個人情報の適切な管理がなされていること。

7. その他

県内の不登校児童生徒を対象とした民間施設(フリースクール等)においては、宿泊に関する指導を行っている事例がないため、現在は本市のガイドラインに条件を掲載していない。
本ガイドラインについては、必要に応じて適宜見直しを行っていくこととする。

指導要録上出席扱いとすることができる民間施設のガイドライン

上記の基準の中に、教科学習の導入が条件付けられていないのは特筆に値すると思います。
①高校受験が有利になる
②本人及び保護者の励みになる
③学校とフリースクールの連携が深まる
など、この制度によるメリットは私自身も実感しています。現在、山梨県内ではこのようなガイドラインが甲州市・笛吹市・富士川町・北杜市・山梨市などでも策定されています。なるべく早くこの制度が県内全域及び日本中で採用され、不登校児童とその保護者に対する支援が行き届くことを願うばかりです。

本日も最後までお読み頂き有難うございました。
もし、お子さんの不登校などでお悩みでしたらご連絡下さい。
私でよろしければ真摯に対応させて頂きます。

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中西紀説
専門家

中西紀説(フリースクールの運営)

一般社団法人ワンオブハート

発達障がいがあるわが子と自身の不登校経験から得た多くの気づきをもとに、体験型フリースクール「みんなのおうち」を運営。子どもの心に寄り添って自己肯定感を育み、主体性を引き出す学びの場を提供。

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